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「いじめられたら、相談しなさい」では、ストレス耐性は育たない?

 
親子の会話のイラスト
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長年、大手鉄鋼会社及び関連企業、米国鉄鋼会社に勤務。仕事のテーマは、一貫して生産性の向上。生産部門、開発部門、管理部門、経営部門において活動。何事につけても「改革しよう」が、口癖。日本経営士会会員。 趣味:市民レベルのレガッタ、ゴルフ。

「いじめられたら、相談しなさい」では、ストレス耐性は育たない?

 

「やられたら、やり返す!」は、間違いなのか?

「やられたらやり返す!」
これは、TVドラマにもなった池井戸潤の小説「半沢直樹」に出てくる主人公の決めセリフです。いじめられたり、不条理な仕打ちを受けたりした主人公が発する言葉です。文字通り、復讐する意味もありますが、一方で自分自身を鼓舞するという効果もあります。
学校では、「いじめ」について、
「『いじめ』をしては、いけません。相手の気持ちを考えましょう。」
と指導しています。もし、「いじめ」にあったら、
「先生や親に相談しましょう」
と教えています。今どき、
「やられたら、やり返せ」
などと、先生が指導したら大変なことになりかねません。
その結果かどうかはわかりませんが、「いじめ」耐性が弱い社会人が増えているような気がします。(あくまで、主観ですが)
ネットには、親からの投稿で、
「やられたらやり返せ。でないとどんどんエスカレートする。」
などといった意見があり、この方針でうまくいった例が紹介されています。
ビジネスや国家間では、実際には「やられたら、やり返せ」の方が、優勢かもしれません。少なくとも北朝鮮による拉致問題や領土問題は、力の裏付けがなければ解決は遠いような気がします。
学校における
「いじめられたら親や学校に相談する」
という指導は、「いじめ」の収拾対策としては正解でしょう。相談を受けた親や学校が対策をすることは、「いじめ」を止める効果があります。しかし、いじめられた子のストレス耐性を育てることは、難しいかもしれません。学校などの組織では、「いじめ」が起きないことを目標として、いじめる子供の撲滅に努力しています。そして、「いじめ」が発生したときは、速やかにやめさせ、いじめられた子供の心の平穏を取り戻す指導がされています。
しかし、残念ながら学校も社会から「いじめ」が無くなることはありません。ましてやビジネスの世界における競争とは、「互いに『いじめ』あっている」と言った方がいいかも知れません。「いじめ」に対してのストレス耐性がなければ、競争から脱落していくことになります。まさに、半沢直樹の「やられたら、やり返せ!」の気概がなければ、生き残れません。
子供に「いじめ」によるストレスの耐性を付けさせるための3つのヒントがあります。
1)「相談する」だけではなく、「どう対処するか」を考えさせる
2)「メンタルの強さ」より「しなやかさ」を育てる
3)「相談」しても解決しない場合の選択肢を知らせておく
これらは、子供の「いじめ」に関することですが、社会人に関しても同様です。
とかく、学校内や企業など組織の管理者は、「いじめ」「パワハラ」の発生を押さえたい、起きたら円満に解決したいという気持ちが強く働いています。勿論、早急に「いじめ」や「パワハラ」を止めることは重要ですが、一方で「いじめ」「パワハラ」を受けた人が、これをうまくかわしたり、はね返したりする力を付けることも、また大切だと思います。
この記事では、「いじめ」に関して、子供に「ストレス耐性を付ける」という視点から考えみます。

 

「相談する」だけではなく、「どう対処するか」を考えさせる

通常、いじめの相談を受けた親や教師は、いじめた子供を指導することが行われます。いじめは、いじめた子供といじめられた子供との人間関係の中で起きます、従って、親や学校は、双方の言い分を良く聞く必要があるはずです。ところが、時として一方からの話だけで対応策が取られることがあります。
いじめた子供を指導して、一時的にはいじめを止めることはできます。しかし、こうした解決は、いじめられた子供にとって「いじめられた嫌な記憶が残るだけ」の解決となりやすく、将来の為にストレス耐性を育てることができるのでしょうか。
いじめにあったとき、「相談する」以外の対処法があります。例えば、
① 相手に「やめて」と伝えるといった自己主張をする
② いじめる人とは、関わらないといった人間関係の距離をとる
③ 一人で抱えこまずに仲間をつくる
といったことです。これらのことは、いじめられた子供にストレス耐性を付けさせるきっかけを与えます。「いじめを受けても無力」ではなく「自分で状況を変える」という意思を持たせることが大切です。親や教師が、一方的にいじめの解決をせず、「どう対処するか」を考えさせることもストレス耐性を育てるのは必要です。ただし、「自分で状況をかえよう」として、とことん追い詰められるまで一人で悩むようなことをさせてはいけませんが。

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いじめ対応の限界

「メンタルの強さ」より「しなやかさ」を育てる

ストレスに強いとは、「我慢して耐える力」ではなく、「適応し、乗り越える力」と理解することが大切です。
「いじめを受ける」ことは、「自分の価値とは無関係」と考えることが重要です。単に相手の価値観が、自分と相いれないだけです。
「いじめ」に耐える、「いじめ」に反攻する他に、「いじめ」から距離をおくこともできます。距離を置くとは、「環境を変えること」であり、「逃げ出した」のではありません。「逃げ出した」と思うと、敗北感にさいなまれます。
後に「いじめられたこと」が、「いい経験」となることも「トラウマ」となることもあります。様々な対処を試みることで、成長に繋がる「いい経験」になるようにしたいものです。様々な対処があることを子供に伝え、「ストレスに負けない」ではなく「ストレスと上手く付き合う力」を身につけて欲しいものです。

「相談」しても解決しない場合の選択肢を知らせておく

「いじめ」に関して、親や学校だけで対応しても、解決できないときがあります。自治体にあるいじめ専門の相談窓口、カウンセラーや警察など、学校や家庭の外にも解決の選択肢があることを子供が知っておくことも大切です。
また、最近では公的機関以外にも「いじめ」に対応するネットワークなどが活動しています。
(例えば、「いじめから子供を守ろうネットワーク」など)
こうした「逃げ道」「助けを求める選択肢」があることを子供が知っていれば、いじめられたとき「絶望」ではなく「次の一手」を考えるきっかけが得られることが期待できます。

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まとめ

子供が、「いじめ」などのストレスに対して耐性を付けるための3つのヒントがあります。
1)「相談する」だけではなく、「どう対処するか」を考える
2)「メンタルの強さ」より「しなやかさ」を持つ
3)「相談」しても解決しない場合の選択肢を知る
これらは、学校での「いじめ」に限らず、社会にある企業や組織の「パワハラ」などにも通じる、ストレス耐性を高めることが期待できることです。

参考記事:日本にあるある、過剰な「同調圧力」による「スパイト行動」などの弊害

「一切皆苦」(いっさいかいく)が教える「嫌な人」とコミュニケーションする方法

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