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商品の差別化や経営の効率化に有効な「引き算思考」の経営とは

2023/11/12
 
錯覚のイラスト
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長年、大手鉄鋼会社及び関連企業、米国鉄鋼会社に勤務。仕事のテーマは、一貫して生産性の向上。生産部門、開発部門、管理部門、経営部門において活動。何事につけても「改革しよう」が、口癖。日本経営士会会員。 趣味:市民レベルのレガッタ、ゴルフ。

商品の差別化や経営の効率化に有効な「引き算思考」の経営とは

 

 

商品の差別化や経営の効率化に有効な「引き算思考」の経営とは

突然の質問ですが、
「琵琶湖の面積は、滋賀県の面積の何パーセントでしょうか?」
ヒントとして下の地図を見ると半分ぐらいに見えます。

滋賀県地図

これをシンプルにしたのが、次の地図です。それでも滋賀県の3分の1ぐらいが琵琶湖に見えませんか。

シンプルな滋賀県地図

Shiga prefecture

ところが、琵琶湖の面積は3分の1どろろではありません。はるかに小さいのです。滋賀県出身の人に聞くと、小学校で、
「琵琶湖の大きさは、滋賀県の6分1」
とさんざん教えられるといいます。正確には、滋賀県の面積4017Km2に対して琵琶湖は670Km2で滋賀県の16.7%、つまり6分の1です。これは、錯覚によって大きく見えたのです。この錯覚を6Pチーズで見事に再現した記事がありました。
参考記事:「琵琶湖の大きさは滋賀県の6分の1」
同様に日章旗の「日の丸」(赤丸部分)は、全体の19%です。
琵琶湖も日の丸も周囲に余計なものがなく、かつ中心部分にあることで大きく見えます。
企業経営や商品販売においても同様なことが起きます。例えば、
「通販サイトで画面いっぱいに広がる商品群」
キーワードを入力して絞り込まないと何を選択していいか分かりません。それも適切なキーワードを入れないとうまく絞り込めず、結局しらみつぶしに画面を見ていくことになります。これを売る方の立場からみると、「自社の商品」や「売りたい商品」を全体に埋没させていることになります。
余計なものが周囲にあると本質的なものが埋没してしまうのです。そこで、活用したいのが「引き算思考」です。
「引き算思考」とは、あるものを削減することで、より良い結果を得ようとする考え方です。例えば、「何でも売るデパート型」から、商品を絞り込んで「専門店型」になることです。企業経営では、「引き算思考」によって、不要なものや無駄なものを削減することで、限られた経営資源である時間やお金などを効率的に活用できます。
会社の成長を目指すと、商品の種類を増やしたり、商品の機能を増やしたりする傾向になりがちです。これは、「足し算思考」です。しかし、琵琶湖の例で挙げたように、なんでもやることは、顧客の注目を分散させることであり、特徴を失うことでもあります。一度、「引き算思考」で経営や販売を見直すことをお勧めします。
「引き算思考」による経営で得られるメリットには以下のようなものがあります。
1)不要なものを排除することで本当に大切なものに集中できる
2)差別化した経営ができる
3)時間やお金などのリソースを効率的に使える
「引き算思考」によるデメリットもあります。安直に仕事の一部を「引き算」すれば、「手抜き」になります。商品の数を減らすような「引き算」をすることで、短期的には売上減になるかも知れません。しかし、長期的には、企業戦略が明確になり上記のようなメリットが得られます。

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不要なものを排除することで本当に大切なものに集中できる

最も重要な販売戦略は、
「何を誰に売るか」
です。そして、戦術として
「どう売るか、どこで売るか、いくらで売るか・・・」
といったことが続きます。この「何を誰に」というポイントは、シンプルであることが成功の秘訣です。
「これも売りたい、あれも売りたい」
「若者にも売りたい、子供にも売りたい、シルバー層にも」
といった品揃えや商品開発では、顧客を集めることは難しいものです。
「戦略とは、何をやらないかを決めることである。」
とは、米国の経済学者マイケル・ポーターの言葉です。
飲食店の業界では、専門店が大繁盛です。「寿司」「天ぷら」「焼肉」「カレー」「ラーメン」「うどん」等々の専門店です。注意深く観察すると、継続して流行っている店は、新メニューを加えると、いくつかのメニューが姿を消しています。「引き算思考」で、顧客の関心が分散しないようにしています。

差別化した経営ができる

モノやサービスである商品の種類を増やすことは、競合が増えることになります。商品の種類を増やしていくと、競合と差別化することが困難になって行きます。
例えば、「ラーメン店」がカレーや寿司を出すと「ラーメン店」ではなくなり、カレー店や寿司店と競合することになります。また、「ラーメンだけ」といっても、その中には沢山の種類があり、種類を増やし過ぎると個性がなくなります。
近所に味噌ラーメンの専門店がありますが、味を味噌に特化することで、他のラーメン店と差別化できているのか流行っています。
「差別化」のポイントは、「引き算思考」です。従来のモノやサービスから何かを引いて、別のものや別の用途にすることで差別化した商品が生まれます。「足し算思考」では、「類似品」しか生まれないことが多いものです。
同様に企業経営全般でも、「引き算思考」で差別化している例があります。無人の店舗、机のないオフィス、社長を入れて社員段階が4階層しかない会社、女性ドライバーだけのタクシー会社等々の例です。

時間やお金などのリソースを効率的に使える

やることを絞り込めば、経営資源を集中でき効率的になることは、容易に想像できます。
問題は、「引き算」である「やめる」には、勇気が必要だということです。従来からやってきたことをやめるとき、古株の社員や経営者から反発がでます。経営者自身も従来からやっていることを「やめる」と決心するのは大変です。それは、「失うもの」に執着する気持ちが障壁(バイアス)になるからです。「やめる」決心をするには、リソースをどれだけ有効に使えるかだけでなく、「失うもの」を見積もって「覚悟」を決めることです。不要なこと非効率なことを「引き算」して集中することが、最も効率的であることを強く意識することが大切です。
金融用語として、ポートフォリオ(Portfolio)という言葉があります。資産運用において、株式、公社債、長期短期の預金など保有資産の構成内容のことです。ポートフォリオ戦略として、株式や公社債、預金をバランス良くもつことが勧められます。これは、保有資産を失うリスクを小さくする意味があります。
株式投資の格言で、
「卵は一つのカゴに盛るな」
というのがあります。卵を一つのカゴに盛ると、そのカゴを落とした場合には、全部の卵が割れてしまうかもしれないが、複数のカゴに分けて卵を盛っておけば、そのうちの一つのカゴを落としカゴの卵が割れて駄目になったとしても、他のカゴの卵は影響を受けずにすむということ。つまり、銘柄分散投資を進める言葉です。
リスク回避という意味では、その通りですが、これは沢山の資産を持っている人が、資産を守るための話。限られた資金で分散投資をして、大きく資産を増やすことは難しいものです。名だたる投資家も運用資金が少ない頃は、思い切った集中投資をしています。

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まとめ

「引き算思考」とは、あるものを削減することで、より良い結果を得ようとする考え方。
「引き算思考」による経営で得られるメリットには以下のようなものがあります。
1)不要なものを排除することで本当に大切なものに集中できる
2)差別化した経営ができる
3)時間やお金などのリソースを効率的に使える
「引き算思考」により企業戦略が明確となり、これらのメリットから企業にとって長期的な成果が得られます。

参考記事:「類似品」と言われない、「差別化した商品」を開発するための3つのポイント

企業の「差別化戦略」は、「伝説」を作れるかどうかで決まる!

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長年、大手鉄鋼会社及び関連企業、米国鉄鋼会社に勤務。仕事のテーマは、一貫して生産性の向上。生産部門、開発部門、管理部門、経営部門において活動。何事につけても「改革しよう」が、口癖。日本経営士会会員。 趣味:市民レベルのレガッタ、ゴルフ。
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