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コーポレートガバナンスを有効に働かす経営:コンプラ研修(その4)

2021/09/24
 
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長年、大手鉄鋼会社及び関連企業、米国鉄鋼会社に勤務。仕事のテーマは、一貫して生産性の向上。生産部門、開発部門、管理部門、経営部門において活動。何事につけても「改革しよう」が、口癖。日本経営士会会員。 趣味:市民レベルのレガッタ、ゴルフ。

コーポレートガバナンスを有効に働かす経営:コンプラ研修(その4

 

カリスマ経営者に学ぶコーポレートガバナンスを有効に働かす5つの経営ポイント

コーポレートガバナンスを有効に働かす経営のポイントがあります。
1)取締役会を活性化する
2)全ステークホルダーとのコミュニケーションを率先して行う
3)ビジネス社会のルールを順守する
4)決してリスク処理を先送りしない
5)常に後継者育成を考える
これは、コマツの元社長坂根正弘氏が語っていた言葉です。(日経BP2012年6月25日号)坂根正弘氏は、低迷していた建設機械会社コマツを「ダントツ経営」と言われるような大胆な改革、「KOMTRAX(コムトラックス)」とよばれるGPSや通信システムを利用した建設機械の監視・管理システム構築で躍進させたカリスマ経営者です。

坂根氏が心がけていたという上記5つコーポレートガバナンスの心得は、会社の大小、業種に関わらず経営に関わる人にとって有益なものです。5つのポイントすべてが意味深く、紹介したいのですが、この記事では少し分かりにくい1、2項について解説します。



「素人質問」が、取締役会を活性化する

取締役会は、(執行役員によって構成される経営会議を含めて)会社ごとに特徴があります。
① 社長や会長などトップだけが、発言する
② 経営企画部など事務局以外、ほとんど役員に発言がない
③ いつも同じ出席者だけが、発言する
④ 出席者が自分の担当分野以外は、発言しない
別に取締役会に限らず、どこでも見られる日本の会社の会議風景です。リモート会議になっても同じような状況ではないでしょうか。(沢山の会社の取締役会に出席したわけでもありませんので、幾分想像の部分があるのは、ご容赦ください)

米国で何社かの取締役会(board meeting)に参加したことがあります。自分が参加した鉄鋼系のU社では、いつもトップや同じ人が発言しがちなのは日本と同様です。ただし、担当分野以外のことを少々トンチンカンでも気にせず発言します。「事前に資料を読んでおけよ」と言いたくなる質問もあります。この手の質問は、見方によっては、「事業内容を知らない株主や銀行」の意見とも解釈できます。トップや担当役員が、ある時はユーモアを交え、ある時はイラついた顔で答えていました。この会社に限らず、米国の会社には「取締役会では、発言者の質問には必ず答える」とのルールが、暗黙のうちにあるようです。

米国の経営が、必ずしもガバナンスの面で優れているとは言えません。経営者の暴走による不祥事が絶えません。しかし、取締役会の活性化について、いいヒントになります。取締役会の出席者は、事業の複雑化。高度化や社外取締役の増加により、必ずしもすべての人が事業に精通しているわけではありません。それゆえ、日本では発言が少なくなる傾向があるのかと思います。意見や質問が「素人的」であろうと、「トンチンカン」であろうと、「それが、世間の我社に対する疑問点である」との認識であれば、発言を躊躇する必要がありません。言い換えると「素人質問が、取締役会を活性化する」のかも知れません。

全ステークホルダーとのコミュニケーションを率先して行う

「会社は、ステークホルダーのもの」

一時期、米国の影響で「会社は、株主のもの」という考え方ありました。「会社は、従業員のもの」との意識が強かった日本では、少し抵抗感がありました。その後、短期保有株主の増加、M&Aの活発化、所得格差拡大などの影響で、米国でさえ「会社は株主だけのものではない」との考え方が強くなっています。

現在、「会社はステークホルダーのもの」との考え方が主流です。ステークホルダーとは、「利害関係者」と訳されていますが、株主、従業員、行政など様々で、その範囲は広がる傾向をみせています。

「会社は、ステークホルダーのもの」とは、多くの人に受け入れやすい心地良い答えです。どこか、おとぎ話のような気がします。実際に経営する人からみれば、「これでは、誰のために会社を経営するのか訳がわからない」と言う人もいます。個々のステークホルダーとの関係では、「株主のため」なら株価を上げ配当を増やすこと。「従業員のため」なら賃金を上げ仕事の魅力を上げること。「地域のためなら」環境を守り雇用を増やすこと、税金を沢山納めることだと分かります。しかし、これらは、相反する問題でもあります。コーポレートガバナンスとは、これらのバランスを取ることだとも言えます。

ステークホルダーのイラスト

Stakeholders

ステークホルダーとコミュニケーションを率先して行う

各ステークホルダーと利害のバランスを取るには、ステークホルダーとコミュニケーションをとることが重要です。それも「率先」してコミュニケーションをとることです。ステークホルダーから指摘を受けてから、その対応をしていると打つ手が後手後手になりがちです。

各ステークホルダーに対する方針を決め率先してコミュニケーションをすることが、より有効なガバナンスになります。各ステークホルダーに対する対応を決め、相手に納得してもらうことが、コーポレートガバナンスです。


ダントツ経営―コマツが目指す「日本国籍グローバル企業」

まとめ

コーポレートガバナンスを有効に働かす経営のポイントは5つ。
1)取締役会を活性化する
2)全ステークホルダーとのコミュニケーションを率先して行う
3)ビジネス社会のルールを順守する
4)決してリスク処理を先送りしない
5)常に後継者育成を考える
「会社は、ステークホルダーのもの」ですが、各ステークホルダーと企業との関係は、それぞれ相反する利害関係でもあります。有効なガバナンスとは、この利害関係のバランスをとることです。

参考記事:

「コンプライアンス研修」を形骸化させない4つの教育ポイント(その1
「コンプライアンス違反」の防止対策と発生時の対応:コンプラ研修対策(その2
「ガバナンスとコンプライアンスの違い」とガバナンスの目的:コンプラ研修対策(その3)

 

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長年、大手鉄鋼会社及び関連企業、米国鉄鋼会社に勤務。仕事のテーマは、一貫して生産性の向上。生産部門、開発部門、管理部門、経営部門において活動。何事につけても「改革しよう」が、口癖。日本経営士会会員。 趣味:市民レベルのレガッタ、ゴルフ。
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