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完璧主義のメリット/デメリットと3つのデメリット対処法

 
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長年、大手鉄鋼会社及び関連企業、米国鉄鋼会社に勤務。仕事のテーマは、一貫して生産性の向上。生産部門、開発部門、管理部門、経営部門において活動。何事につけても「改革しよう」が、口癖。日本経営士会会員。 趣味:市民レベルのレガッタ、ゴルフ。

完璧主義のメリット/デメリットと3つのデメリット対処法

 

完璧主義のメリット/デメリットと3つのデメリット対処法

「無失点で抑えていたのに、1点取られた途端ボロボロになるプロ野球の投手」
「満点の資料を作ろうとして、締め切りに遅れてしまう社員」
「完封勝利」を目指して頑張っていたのに失点した途端、緊張の糸か切れて、その後に四球連発したり、安打を許してしまったりするパターンを繰り返す投手。「完璧な資料」を目指して、いつも時間を使い過ぎてしまう社員。
こんな人々のことを本人が自覚してようが、いまいが、周囲は「完璧主義者」と呼ぶことがあります。完璧主義とは、自分に高い基準も設け、結果のみならず、その過程も含めて、完璧にやろうとすることです。
完璧主義は、常に最高の品質、生産性を追求しようとし、細部にまで注意を払い、優れた結果を生み出すことができるメリットがあります。物事を徹底的に検証する傾向があり、ミスやエラーを最小限に抑えることができ、お客様や他の社員から高い信頼性を得ることができます。また、プロフェッショナルな態度で、仕事に真摯に取り組み、他の人から尊敬されます。
その一方で、完璧主義には、少なからずデメリットがあります。
自分自身に非常に厳しい要求を課す傾向があり、常に完璧な結果を求めるため、ストレスやプレッシャーがかかります。自分自身に対して非常に高い目標を掲げ、そのため自己評価が厳しく、自信を失ったり、行動を躊躇したりすることがあります。
また、細部にこだわりすぎる傾向があり、仕事が遅れて納期に間に合わないといったことが起きます。時には、最後の結果が出る前に、途中結果に落胆し、その後のパフォーマンスを低下させてしまうことがあります。
以上のように「完璧主義」は、大きな成果を上げる可能性がある反面、うまく行かなかったときに精神的ダメージを受け、本来できることまでできなくなるリスクを含んでいます。
完璧主義の弊害を出さずに、高い目標を掲げて行動するためのポイントがあります。
1)目標をプラス思考で捉える
2)ミスを受け入れる
3)全体最適を意識する
完璧主義は、本人が自覚していなくても、「うまくやろう」とする気持ちが強いと陥り易い精神状態です。上記3つのポイントを考慮して、完璧主義の弊害を避けて、高い目標を達成することを期待します。

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目標をプラス思考で捉える

完璧主義の大きな弊害は、目標達成を目指す過程で、大きなプレシャーを受け続けることです。完璧主義では、「何もかも、うまくやろう」という意識が強く働いています。だから、成果が上がります。問題なのは、
「うまくやりたい」
と前向きに考えるのではなく、
「失敗したくない」
とマイナス面から考えてしまうことです。失敗に対する、不安や恐怖心から、「絶対に失敗してはいけない」という気持ちが生まれ、更に「失敗したときの批判を避けたい」という不安や恐怖心が増幅します。完璧な結果を追求する過程で、マイナス思考は、精神的な負担を限りなく大きくします。
野球のバッターが、
「アウトになりたくない」
「併殺は避けたい」
と思って打席に立つのと、
「ここで打てば、俺がヒーローだ」
と思って打つのとでは、どれだけ気持ちが違うか想像できます。
完璧主義の弊害である精神的プレシャーや不安を軽減するには、目標をプラス思考で持つことです。

 

ミスを受け入れる

完璧主義の弊害の一つが、「ゼロイチ思考」です。完璧を目指すあまり、「完璧でなければ失敗」と、結果を両極端でしかとらえられなくなる思考です。特にその原因が、自分のミスだと、自分で自分を追い込むことになります。少し足りない点があっても、求められている基準以上の結果を出せればOK、問題があれば後で改善すればいいと「ミスを受け入れる」ことが大切です。
また、完璧主義の人は、自分の思った通りにいかないことが一度でもあると、それだけで続ける気をなくしてしまう傾向があります。
「思っていた方法とは別のやり方もある」
「これまで、やってきたことが無駄になってもいい」
「失敗だって意味がある」
とミスや失敗を受け入れる気持ちを持つことです。
注意が必要なのは、完璧主義の人は、自分に厳しいと同時に他人にも厳しくなりがちになることです。完璧主義では、「他人も自分と同じように完璧を目指すのが当然」という考え方をする傾向があります。自分のミスも他者のミスや失敗も受け入れて、「その後にどうするか」に完璧を求める気持ちが重要です。

 

全体最適を意識する

完璧主義の弊害として、ちょっとしたつまずきで、全てを失ったように感じてしまうことがあります。これは、部分にこだわっているからです。全体を見ることを忘れているからです。
例えば入学試験で、高得点を目指して1問目から問題を解答していき、何問目かの問題でつまずくと、その問題にこだわり時間が足りなくなることがあります。受験指導では、「試験問題全体にまず目を通し、できる問題からかたづけなさい」と言われますが、その問題ができないばっかりに冷静さを失い、アタフタする人がいます。入試の合否は、総合点で決まるという「全体最適」を見失わないことが大切です。
完璧主義の人は、細部まで完璧を求めるあまり、時として本質から外れた枝葉末節にばかり目が向き、全体を俯瞰するという視点を忘れることがあります。その結果、
「重箱の隅をつつく」
状況に陥ります。
また、すべての物事を完璧に仕上げたいという思いから、持っているすべての課題が気になってしまいがちです。それほど重点を置かなくていいことにまで力を入れすぎ、余計な時間をかけてしまうと、心身ともに疲れてしまいます。
仕事や生活において、全体最適を意識し、優先順を考えて行動することが重要です。

参考記事:いちいち注意されることは、「重箱の隅をつつく」なのか?「氷山の一角」なのか?

まとめ

「完璧主義」は、大きな成果を上げる可能性がある反面、うまく行かなかったときに精神的ダメージを受け、本来できることまでできなくなるリスクを含んでいます。完璧主義の弊害を出さずに、高い目標を掲げて行動する際の3つのポイントがあります。
1)目標をプラス思考で捉える
2)ミスを受け入れる
3)全体最適を意識する
完璧主義は、本人が自覚していなくても、「うまくやろう」とする気持ちが強いと陥り易い精神状態です。完璧主義の弊害を避けて、高い目標を達成することを期待します。

参考記事:必ず「努力は報われる」のではなく、「正しい努力だけが報われる」

会社の業務や生活で、有効な「時間の使い方」を実現するための4つのステップ

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