「なりたい姿」に向かって変えていく「改革志向」の意見満載

業務効率化が、進まない3つの理由。鍵は、効率化を「仕事」にすること。

2021/09/18
 
労働生産性向上イラスト
記事一覧

この記事を書いている人 - WRITER -
長年、大手鉄鋼会社及び関連企業、米国鉄鋼会社に勤務。仕事のテーマは、一貫して生産性の向上。生産部門、開発部門、管理部門、経営部門において活動。何事につけても「改革しよう」が、口癖。日本経営士会会員。 趣味:市民レベルのレガッタ、ゴルフ。

事務の業務効率化が、進まない3つの理由。鍵は、効率化を「仕事」にすること

 

事務の業務効率化が、なかなか進まない3つの理由

「業務効率化を図り、労働生産性を向上させて収益を上げる」

こんなスローガンを上げて、業務効率化に取り組んでいる企業が多くあります。しかし、コロナ禍や売上の減少など外乱があり、業務効率化が進まない。業務効率化活動の担当者が、職場に働きかけても、協力が得らない等々の課題を抱えていませんか。

業務効率化が進まない理由は、大きく3つあります。
1.業務効率化を「仕事」と思っていない
2.業務が終わって、その「やり方」を業務効率化からみた反省をしない
3.業務効率化を組織全体で取り組んでいない

長年、業務効率化の取り組んできた経験から、業務効率化が進まない理由と対策を解説します。

業務効率化を「仕事」と思っていない。

「仕事」とは、職場や個人に与えられたミッションを遂行することです。直接企業の付加価値を生み出す直接業務であれ、間接業務であれ、与えられたミッションを遂行し結果を出すことが「仕事」と多くの人が認識しています。しかし、そのやり方を効率化することも「仕事」と思っている人は、ほとんどいないのではないでしょうか。

仕事には、納期があります。納期を守るために、チームであれ、個人であれ、仕事の「やり方」を考えて業務を遂行します。マニュアルや過去の経験などに基づき、業務完了までの工程や負荷を想定し、業務を行います。その「やり方」は、マニュアル化されたものであれ、明文化されていない慣習であれ、同じことの繰り返しです。その「やり方」に改善点があるかどうか、気にすることもなく大抵は業務をやり遂げることが優先されます。やり方を見直す、つまり業務効率化のためのやり方変更は、後回しなりがちです。少々遠回りな「やり方」でも、「やり方」を変える労力を考えると、従来どおりの「やり方」を繰り返しがちです。担当であれ、職場のリーダーであれ、「仕事」とは、その「やり方」最適化を含めたものを意味するとの意識改革が必要です。特にリーダーや管理職は、「やり方」を最適化すること、つまり業務改善が「仕事」が仕事のメインであると思う必要があります。

業務終了後、その「やり方」を業務効率化からみた反省をしない

一連の業務が完了した時点や1日の終わりに、その日の業務を振り返り、「やり方」を業務効率化からみた反省することが重要です。

Aさんが調査資料を作る業務を与えられました。5日間で資料を作成し「仕事」は、完了しました。ただ、3日でできると思っていたのが、5日かかりました。安全をみて5日の工期を依頼者に伝えていたので、問題はありませんでした。資料の内容は、充実しており、依頼者からも上司からもAさんは、お褒めの言葉をいただきました。Aさんは、もう次の仕事にとりかかかっています。これが、業務効率化の進まない2つ目の理由です。業務終了後の「やり方」の反省がないのです。

上司が気になって、Aさんに
「今回の業務についてどう思うか」
と質問しときの回答です。
「前回、同じような調査は3日でできました。今回は、思ったより時間がかかりました」
「もしかしたら、まとめのうまいBさんなら3日で出来たかもしれません」
「先に、Google検索を活用して資料のありそうな機関を調べておけば、もっと早くできたかもしれません」

ここで、重要なのは、3日でできると思ったのに、5日かかったことです。業務効率化の改善点は、ここにあります。業務を始める前に想定した工期と実際に掛かった工期を比較し、そのギャップを探ることで、業務効率化のヒントが見つかります。

業務を行うのに、目標工期を設定し、実際に掛かった時間を測定、その差を改善する。これが、業務効率化の基本パターンです。業務に掛かった時間を測定し、反省することが、重要です。

業務効率化を組織全体で取り組んでいない

業務効率化を部署毎に行って成果を上げても、必ずしも全組織としての成果は得られません。対策によっては、自分の仕事や自部署の仕事が効率化しただけのこともあります。その対策で、他の人や他部署の仕事が増えて、全体として全く効率化されていないどころかかえって仕事が増えたり複雑になったりでは、本末転倒です。

システムを変更して、本社のインプット業務は減ったのに、現場や営業担当者のインプット業務が増えた。外注を使って業務量が減ったが、費用は膨らんだなどと言った例が、よくあります。
業務効率化で効果が大きいものに、業務フローの見直しがあります。個別の業務の「やり方」ではなく組織全体で取り組もうというものです。最近、言われている「脱ハンコ」は、その1つです。

担当者の活動し易さを考慮すると、幹部主導で、業務効率化を「仕事」とするプロジェクトを作る。担当者は、専従もしくは、それに準じる形にすることが望まれます。部署を超えて全組織的に、業務効率化を検討し実施することです。

 

まとめ:業務効率化が進まないのは、それを「仕事」と思っていない

業務効率化がうまくいかない3つの大きな理由は、
1)業務改善を「仕事」の一部と思っていない
2)業務終了後、その「やり方」を業務効率化からみた反省をしていない
3)業務効率を組織全体で取り組んでいない
からです。業務効率化が「仕事」に含まれていると認識し、業務終了時にその効率を測定し、改善することで業務効率化ができます。組織全体で業務効率化の取り組むことで、大きな成果を得られます。業務効率化を明確に「仕事」としたプロジェクトを作り、メンバーを専従もしくは、それに近い形にすることが、成果を得られ易くします。

参考記事:なんでも屋の総務部がオフィス業務を効率化する5つのポイント



この記事を書いている人 - WRITER -
長年、大手鉄鋼会社及び関連企業、米国鉄鋼会社に勤務。仕事のテーマは、一貫して生産性の向上。生産部門、開発部門、管理部門、経営部門において活動。何事につけても「改革しよう」が、口癖。日本経営士会会員。 趣味:市民レベルのレガッタ、ゴルフ。
スポンサーリンク




スポンサーリンク




Copyright© 改革志向のおっさんブログ , 2020 All Rights Reserved.