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労働生産性を上げる脱ハンコ、課題は「承認」作業(日本の生産性19)

2021/08/25
 
承認業務
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長年、大手鉄鋼会社及び関連企業、米国鉄鋼会社に勤務。仕事のテーマは、一貫して生産性の向上。生産部門、開発部門、管理部門、経営部門において活動。何事につけても「改革しよう」が、口癖。日本経営士会会員。 趣味:市民レベルのレガッタ、ゴルフ。

労働生産性を上げる脱ハンコ、課題は「承認」作業

 

ハンコの2つの役目

日本では、広くハンコが使われていますが、その役目は、大きく2つに分けれます。

1.証拠としてのハンコ (本人確認)

ハンコを押した書類が本物であることを示す証拠の役目。今、脱ハンコか叫ばれているハンコの使い方です。単純にハンコレスにすることやハンコをサインにすることができます。電子印鑑もあります。

2.承認を示すハンコ (意思確認)

文書の書式、内容を確認し、認めたことを示すハンコ。稟議書に押されるハンコが代表例。文書を電子化し、ハンコの代わりに、承認システムを使うようになりつつあります。

(ハンコについては、本ブログ記事「生産性を上げるハンコレスとは?成功のカギは、仕組みの見直し」「生産性を妨げるハンコ文化。ハンコをやめたらクリック文化になった?にも掲載しています)

労働生産性のネックは、ハンコではなく「承認」作業

証拠としてのハンコは、あまり条件を付けずに廃止できます。行政も廃止の方向で動き出しており、期待します。ただし、証拠としてのハンコを廃止してもペーパーレスとか、リモート届け出などで生産性が向上しますが、効果は限定的です。労働生産性からみて、より大きな問題を抱えているのが、承認ハンコです。

そもそも、承認ハンコは、どう押されているのでしょうか。稟議書に関する社内規定は、大抵こんな文章です。

「稟議書は、関係者において、内容を確認し押印の上...」

最近では、押印の代わりにシステム承認となっているかも知れません。いわゆる承認クリックです。ハンコだろうがクリックだろが、問題なのは、「承認」と言われる作業です。そもそも経営に関わるような大型投資や資本関係の重要事項は、役員会をはじめとして決定権のある会議に直接提案され議論されます。(会議の資料として承認がいるかもしれませんが)書類として回ってくるのは、社内規定があるからで、規定があるからハンコを押しています。規定の意図は、内容を上司、関係者に間違いや不適切な内容がないか「確認」してもらい「承認」を受けることです。確認して、修正や追記をすることもあります。修正や追記が求めれるのは、多くの場合内容ではなく、決めれた欄に記載がない、記載事項を間違っているといった事で、作成者は、書類を突き返えされてイライラを募らせます。

「確認」と言う便利で曖昧な言葉。ほんとは、何をすること?

確認は、便利な言葉です。「確認してください」と言っておけば、責任逃れにもなります。そもそも「確認する」とは、どういうことでしょうか。私は、以下のように定義します。

「確認」とは、確認したいものを基準と照合し、合否を判定した上で記録を残すこと。

基準は、法律や社内規定、承認者のイメージなど様々です。確認は、基準としての条文や見本を使うこともあれば、承認者の頭の中ということもあります。鉄道員がする「指差し確認」の基準は、頭の中にある安全基準です。例えば頭の中の「前後500メートル以内に列車が走行していない」と言う基準と、今見ている情景を照合し、指差し及び呼称で記録をしています。ハンコは、総合的な確認の記録にあたります。

承認の生産性を考えた時、どの範囲を確認するかが、大きな問題です。書類を受けた人が、書類の一字一句すべてについて、誤字脱字から規定と合っているか、内容が妥当かを判断してくことは、技術的にも時間的にも不可能です。

承認の労働生産性を上げるには、まず承認する人を厳選すること。念の為に承認してらうのは、責任逃れです。承認作業では、何をどう確認するかを明確し記録するか明確にすべきです。このルール作りで能率が決まります。書類においては、チェックリストを付ける、画面承認では、承認者に必要な画面しか出さないなどの工夫が必要です。

特に注意したいのが、内容の確認と承認、決裁です。規定に沿った形式の確認ではなく、内容の確認の場合です。承認者の知識と経験、判断力が求めれます。作業の時間的は、判断する時間より、圧倒的に書類の内容を理解する時間の方が長いのが現実です。判り易い書類(画面)を作ることが、生産性向上の第1歩です。

承認で労働生産性が上がらない原因は、他に遅延問題があります。ハンコリレーにしても承認クリックリレーにしも、誰かが承認を遅延させると先へ進めません。遅延には、見る時間がない、見る気がしない、確認そのものに時間がかかる場合などがあります。ハンコリレーにしても、クリックリレーにしても、この対策はしっかりとすべきです。具体的な方策は、いろいろありますが、今後記事にしていきたいと思っています。

まとめ:「承認」の脱ハンコは、業務フローから見直すこと

日本のハンコ文化のうち、承認ハンコは、確認作業を実施した記録です。「確認」は、何をどうやってやるか、明確にすべきです。そうでなければ、形骸化したり、意味のない重複業務になったりします。承認ハンコを承認システムにしても確認作業の内容を明確にしなければ、問題は残ります。システム化すると、いくらでも資料を添付したり参照したりでき、ハンコ承認より厄介になることもあります。システム化する際、確認作業そのもの見直した業務フローを再構築すべきでしょう。


ゼロからわかる電子契約の実務

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長年、大手鉄鋼会社及び関連企業、米国鉄鋼会社に勤務。仕事のテーマは、一貫して生産性の向上。生産部門、開発部門、管理部門、経営部門において活動。何事につけても「改革しよう」が、口癖。日本経営士会会員。 趣味:市民レベルのレガッタ、ゴルフ。
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