ポジティブ思考を使って成功するために必要な3つのポイント
ポジティブ思考を使って成功するために必要な3つのポイント
ポジティブ思考で成功するために必要な3つのポイント
「『失敗』ではなく、点火がうまく行かなかった」
2023年2月17日、新型H3ロケットが打ち上げ中止になった直後のインタビューで、ロケット開発のリーダーが言った言葉です。
「今日は、『負けた』と言うより、『勝てなかった』」
これは、連敗続きのプロ野球楽天監督時代の故野村監督が言った言葉。
リーダーとして認められる人、成功していく人は、物事を前向きにとらえることができます。物事を前向きに考えるのを「ポジティブ思考」(積極思考)と呼びます。
嫌なことが起こると、人はネガティブな感情になりがちです。精神科医の西多昌規氏の著書によれば、嫌なことが起こると、海馬や扁桃体が属する脳の大脳辺縁系が反応し、ストレスを受けた海馬は、恐怖や不安の発信源である扁桃体に、「つらい」「きつい」といったネガティブな思考を起こすように信号を送るとのことです。
しかし、脳にはダメージから回復する力が、脳の前頭前野と呼ばれる部分にあるとのこと。前頭前野には、扁桃体が発するネガティブな感情が正しいものか判断する力があります。その際、前頭前野が「さほどくよくよすべきでない」と判断したならば、そのネガティブな感情をポジティブな方向へと切り替えることができるとのこと。ポジティブ思考な人は、この前頭前野による回復力を最大限活用する人のことです。
ポジティブ思考には、嫌なことのダメージを和らげる以外にも効用があります。行動的になる、粘り強くなる、明るく周囲を巻き込む力が持てる等々です。ただし、ポジティブ思考で成功をとるには、ポイントがあります。
1)明確な目標を持つ
2)ポジティブな表現を使う
3)十分な準備をして、結果をポジティブに考える
ポジティブ思考をしても、それ自体で問題は解決できません。ポジティブ思考で行動することが、結果に繋がります。
もともと、ポジティブ思考は、宗教から来ています。なんでも前向きに物事を考えればそれは実現し、人生はうまくいく、という考え方です。物事の良い面を見ようと努め、ポジティブな姿勢を保ち、「思考そのもの」を変えることで現実を変えることを目指す思考法です。19世紀半ばにアメリカで起こったキリスト教の異端的潮流ニューソートに始まると言われる比較的新しい考え方です。(参考:Wikipedea「積極思考」)日本の仏教でも「南無阿弥陀仏」と唱えさえすれば、誰でも極楽に行けるとの教えが流行った時代がありました。単にポジティブに考えるだけでは、宗教です。心の支えにはなりますが、現実とは乖離してしまいます。
明確な目標を持つ
ポジティブ思考を持っている人は、「失敗」と言われるようなことが起きても、「失敗」ととらえず、
「成功の為の『試行』」
と考えます。それが、できるのは明確な将来目標を持っているからです。
ポジティブ思考が貫けるのは、将来の明確な目標があり、今起きていること、これまで起きたことが、目標に至る過程と捉えることができるからです。
誰しも、成功に至る過程で幾度も失敗をすることを知っています。優良企業と言われるトヨタ、GM、アップルでも倒産の危機に直面しています。
プロ野球で優勝を目指す監督は、年間143試合で考えています。その試合で勝った負けたではなく、「次ぎにつながる何か」を試すことができたかどうかと故野村監督は考えていたと言います。3年先に常勝チームをつくることが目標なら、よけいにその日の勝ち負けにこだわらずにポジティブに結果を捉えることができるはずです。
ポジティブな表現を使う
物事・出来事を違う角度から見ることで、捉え方が変わることを心理学では「リフレーミング」といいます。様々なリフレーミングがありますが、「言葉のリフレーミング」は、言葉の定義・意味を変化させて思考の行き詰まりを打開する切り口をつくり出すことができます。
例えば、自転車で転び膝を擦りむいた子供に親が、
「自転車は危険。乗ってはダメ」
とネガティブにいうか
「擦りむいた程度で済んで良かった」
とポジティブに言うかです。
就職面接に来ていた学生A君は、自分の性格について、
「神経質」と言わず、「細部にまで目が行き届く性格」
「自主性がない」ことを「サポート役に向いている」
と言って合格を勝ち取りました。まさに
「物は、言いよう」
という例です。後で聞いた話によれば、A君は大学キャリアセンターで「この言い方」を指導されたとのこと。ただ、こう言い換えると本人もそんな性格と思いこむのか、好結果を生んでいくようです。入社後A君は、「細部まで目が届くサポート役」で活躍しています。
十分な準備をして、結果をポジティブに考える
「最後は、うまく行く」と考え、何も行動しないのは、単なる楽天主義です。これまで失敗してきたやり方を変えず同じことを繰り返しながら、成功を信じているのは、ポジティブ思考とは、言い難いところです。
太平洋戦争中の旧日本軍の作戦は、米軍が
「罠ではないか?」
と疑うくらい、同じパターンの作戦を行っていました。前線の兵士や下士官は、作戦が有効でないことは分かっていました。なのに、
「これで、勝てる」
と信じていた参謀達に「楽天主義」を通り超して「○○」と言いたいところです。
ポジティブ思考が有効になるのは、十分な事前準備をした上で、結果をポジティブに考える場合です。
「危険予知(KY)」という言葉があります。予想できる危険をさらけ出し、それに対する対策をたてておくことです。あるいは、リスク回避や低減策を立てておくことです。ポジティブ思考で成功するには、KYとセットであることが必要です。
友人の信用金庫の方に聞いた話では、会社を潰してしまう経営者の特徴は、
「明るく、元気で、何も考えずに行動する人」
だそうです。自分思い込みで積極的に投資しようとし、周囲も「明るく元気な社長」に乗せられ出資してしまう。ところが、実行段階で見込みが外れてしまい、なんの準備もしていないので、たちまち資金難に陥ってしまうケースに何度も遭遇してきたと言います。
「ポジティブ思考は、いいけど、リスク管理をして欲しい」
とは、その方の偽らざる意見です。
まとめ
ポジティブ思考には、嫌なことのダメージを和らげる効用があります。他にも行動的になる、粘り強くなる、明るく周囲を巻き込む力が持てる等々です。ただし、ポジティブ思考を有効に使うポイントがあります。
1)明確な目標を持つ
2)ポジティブな表現を使う
3)十分な準備をして、結果をポジティブに考える
ポジティブ思考をしても、それ自体で問題は解決できません。ポジティブ思考で行動することが、結果に繋がります。
参考記事:「同調圧力」がつくる、日本にあるある「世間のルール」の特徴と対処法