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個人の生産性は、仕事の「見せる化」で上がる(職場と個人の生産性3)

2024/03/23
 
仕事の見えるかイラスト
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長年、大手鉄鋼会社及び関連企業、米国鉄鋼会社に勤務。仕事のテーマは、一貫して生産性の向上。生産部門、開発部門、管理部門、経営部門において活動。何事につけても「改革しよう」が、口癖。日本経営士会会員。 趣味:市民レベルのレガッタ、ゴルフ。

個人の生産性は、仕事の「見せる化」で上がる

 

「個人でやる業務の生産性は、本人の技量とやる気で決まる」のか?

そんな意見があります。確かに、個人業務は、やる人次第です。仕事の良し悪しは、アウトプットでしか分かりません。期限までに、報告書を作ったとか、役所に申請したとかの結果しか上司は把握できません。結果が良ければ、生産性はどうであれ、合格の仕事です。ただし、本人には、「もっとうまくやれた」とか、「取り掛かりが遅かった」などの反省があります。以下、仕事の「見える化」「見せる化」で成果を上げた例を紹介します。

業務の「見える化」で、生産性を上げたAさんの例

机の上に書類を積み上げ、その間に埋もれるように仕事をするAさん。仕事は、品質管理全般です。80人ほどの工場で唯一の品質担当者、ISOや役所の対応、製品の品質不良対策などで多忙です。「Aさんに頼んでも、すぐにやってくれない」と周囲は思っていますが、他に頼む人もいません。「たった一人の担当だから、しかたがない」と周囲も大目に見ていました。

上司が見かねて、生産性改善のコンサルを依頼することにしました。正直、「担当者を2人にする証拠作り」が目的でした。コンサルとして来た中年の女性Bさんは、Aさんの横に座りました。現場から上がってくる品質レポート、本社や役所とやり取り書類が、机の上に積みあがっています。Bさんの指示は、
「積んである山の上から順番に書類を見せて、説明してください」
でした。Bさんの意図は、書類の中でアクションの必要なものを仕分けし、仕事の停滞を「見える化」したかったのです。Aさんは、順番に書類を出し、どんな対応をするのか説明しました。

「これは、後で目を通すつもりの書類です」
「では、直に目をとおして、アクションをしてください」
「いや、会議資料なので、参考として後で目を通そうと思っていました」
「参考程度の書類なら、捨てるか、保管場所に持っていくこと」

そんなやり取りで、アクションの必要なものと、不要なものとを分けました。結局、書類の1/3は不要で、廃棄書類として段ボールへ入れました。アクションが必要なものは、すぐに電話をかける、メール返信するなど処理し、残ったものは机に残しました。Bさんは、横に丸1日座わり、書類の山は1つになっていました。そして、次の日には、無くなっていました。

「後で、やればいい」と言うAさんの習慣が、仕事を停滞させていたのです。書類の山は、仕事の停滞が見えるバロメータになります。アクションの必要なモノだけ机に残すようにしました。

「見える化」から「見せる化」で、更に生産性向上

積み上がった書類で、Aさんの仕事の停滞がわかりました。書類に山は、仕事の「見える化」のシンボルです。次は、見えない仕事の「見える化」です。コンサルのBさんは、2つのことを指示しました。

1.PC内のメールでアクションの必要なものにマークを付け、仕分けすること。
2.向こう3か月で、Aさんが考える「やらなければならないこと」「やりたいこと」のリストを作ること。

後は、書類の時と同じです。順番にすぐアクションを取ってもらうことです。数日で、停滞していた仕事の借金を一気に返済し、攻めに転じました。今後のスケジュールに合わせ、外部に依頼を早めに出し、応答を待つ仕事スタイルになりました。

1週間ほどのコンサル指導でした。当初の上司予想は外れ、「業務担当者は一人で十分である」との結論になりまた。そして、Aさんは、毎週上司に「やらなければならないこと」「やいたいこと」リストを出しています。いわば、仕事の「見せる化」で生産性が一段と上がたのです。

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まとめ:仕事を「見せる化」しよう

生産性を上げる手法として、「見える化」は、重要なポイントです。製造業などでは、製品や半製品を見てわかるように一か所に集め、成果を上げた例が数多く報告されています。オフィス業務では、未処理の書類を積み上げると仕事の遅れが「見える化」できます。しかし、パソコン内の仕事は、外から見えない業務です。本格的なシステムによる業務なら、システム内の進捗表等で「見える化」できます。しかし、個人業務では、見る手段がありません。仕事をする本人が、積極的に業務の「見せる化」をすることで、生産性向上が期待できます。

参考記事:働き方改革と労働生産性向上。鍵は、情報へのアクセス

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長年、大手鉄鋼会社及び関連企業、米国鉄鋼会社に勤務。仕事のテーマは、一貫して生産性の向上。生産部門、開発部門、管理部門、経営部門において活動。何事につけても「改革しよう」が、口癖。日本経営士会会員。 趣味:市民レベルのレガッタ、ゴルフ。
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