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仕事やスポーツで成果が上がる「振り返り」(リフレクション)の習慣

 
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長年、大手鉄鋼会社及び関連企業、米国鉄鋼会社に勤務。仕事のテーマは、一貫して生産性の向上。生産部門、開発部門、管理部門、経営部門において活動。何事につけても「改革しよう」が、口癖。日本経営士会会員。 趣味:市民レベルのレガッタ、ゴルフ。

仕事やスポーツで成果が上がる「振り返り」(リフレクション)の習慣

 

「振り返り」の重要性

「どうして、うまくいったのか?」
「もっとうまくできなかったか?」
ひと仕事済ませて、やった内容を「振り返る」ことは、とても重要です。「振り返る」ことを、英語ではリフレクション(reflection)と呼びます。
「振り返り」と似た言葉に「反省」があります。どちらも過去の経験や行動について考える行為を指す言葉です。ただし、使われ方において微妙な違いがあります。明確な区別はありませんが、「振り返り」と言った時は、客観的な学びと成長に焦点を当て、「反省」は感情的な反応や個人的な改善に焦点を当てる傾向があり、失敗したときなどに多く使われています。この記事では、うまくいったとき、うまくいかなかったとき、いずれも同等に扱いたく、「振り返り」という言い方を使います。
「振り返り」には、メリットと注意すべきポイントがあります。
「振り返り」のメリットには、
1)学習と成長
2)改善点の発見
3)目標の達成
などがあります。ただし、注意すべきポイントとしては、
1)バイアスの影響
2)改善策の欠如
3)時間と手間のかけ過ぎ
などです。「振り返り」を習慣化することで、仕事やスポーツにおいて大きな成果を期待できます。

 

「振り返り」の方法とメリット

「振り返り」のやり方とその効用(メリット)をいくつか挙げてみます。
1)定期的な「振り返り」で、学習と成長する
 定期的に振り返りを行うスケジュールを設定することです。仕事毎や毎日、毎週と言った具合に頻度を決めることです。そして、最も大事なのは、それを継続することです。
生産現場で新製品を作り始める、オフィスで新しい業務を始めるとき、当初うまくスタートできないものです。そんなとき、毎日、毎週と「振り返り」をしていくと、学習し成長していることが実感できます。進歩がなく停滞しているように感じていても、定期的に「振り返り」をして、結果の推移をみると、「作業時間が短くなっている」、「ミスが減っている」ことを知れば、励みになります。
2)データを収集して、改善点を発見する
「振り返り」は、客観性が重要です。意識して数値や画像のデータを集め残すことです。
減量するのに、毎日体重を計り、記録を付けるだけでも成功したという話があります。実際には、毎日体重を記録することで、無意識に食べる量や運動に注意を払っているのでしょう。
仕事でも、かかった時間や、やった量を記録することが、効果を上げます。
ある金属加工の工場で、「毎朝1個目の加工品が旋盤で切削を開始した時刻」を記録し続けてもらったことがあります。始業時刻は9時なのですが、いつも旋盤の切削が始まるのが、いつも10時近くになっていたことが気になっていたからです。ただ、切削開始時刻を記録することを決めただけでしたが、作業者は「「振り返り」」をし始めました。切削開始時間を遅らす要因を見つけ、改善することで、気が付けば9時15分には、複数の旋盤が切削を開始していました。
データを集め、解析することで、改善策が見つかります。「振り返り」は、改善で使われるPDCAサイクルのC(チェック)に当たります。
3)改善策を実施して、目標を達成する
「振り返り」で重要なのは、「自己評価」することです。自分の弱みを見つけ、改善することで、目標が達成できます。あるいは、目標の変更をすることもあるかも知れません。PDCAサイクルでいえば、A(アクション)やP(プラン)に戻るということです。
また、意外な自分の強みも発見することがあります。「振り返り」により、目標を上げ下げするだけでなく、違う方向に向かわせる可能性もあります。

 

「振り返り」で注意すべきポイント

1)バイアスの影響
自己評価や他人からのフィードバックには、バイアスが影響する可能性があります。たとえ、数値データであっても、「うまく行かない原因は、○○」と思い込んでいると、○○に関連するデータばかり集めてしまい、間違った判断をしてしまう可能性があります。
2)改善策の欠如
振り返りで、問題点を洗い出したとしても、具体的な改善策が見つけられないことがあります。一人で悩むより、積極的に周囲のアドバイスを求めることです。教えたい人は、大勢いるものです。
3)時間をかけ過ぎる
 過度に「振り返り」の時間を使うと、業務や練習に割く時間が減少します。また、「振り返り」を面倒に感じて、止めてしまう可能性があります。
また、改善策を見つけられず、失敗を悔いてばかりいては、精神的な負荷が大きくなります。短く、前向きに「振り返る」ことが大切です。

 

スポーツにおける「振り返り」の例

多くの一流と言われるスポーツ選手は、練習や試合の後に「振り返り」をノートに記入しています。サッカーの本田圭祐選手が付けていた「スポーツノート」は有名で、商品化されています。技術的なこと、その時の気持ち、そして目標(夢)などを記入するものです。


キングジム HONDA ESTILO 本田圭佑 プロデュース 夢ノート 第2弾

私は、ゴルフをしますが、体力的には、若いアスリート系のゴルファーには、とてもかないません。ならば、体力差が問題にならないパターなら対抗できそうですが、これもできません。ゴルフには、
“Drive for show, putt for dough.”
という言葉があります。直訳すれば、「ドライバーは見世物、パットはお金の為」と言うことでしょうか。300ヤード飛ばすドライバーも30センチのパットも同じ1打といいうことで、パットの重要性を込めた言い方です。
そんな重要なパットですが、アマチュアが(私のことですが)いくら練習しても、上達しない人が多いようです。ある日、レッスンプロにこんなことを言われました。。
「練習場で、『入った』、『入らない』と一喜一憂していてもうまくなりませんよ。一打ごとに、『なぜ入ったか』、『なぜ入らなかったか』を考えながら打たないとダメです」
このプロが言うには、打つ前に、「強さ、方向、球の回転、グリーンの傾斜、芝目」を考える。そして、実際にどう打って、どう球が転がったかを「振り返る」ことの繰り返しで、はじめて上達すると言います。カップをかすめて通り過ぎる球や、直前で止まる球には、その理由があります。それをつい
「ツキがない」
ということで、済ませている私には、上達はなさそうです。

まとめ

仕事やスポーツにおいて、「振り返り」は、大きなメリットがあります。
1)学習と成長
2)改善点の発見
3)目標の達成
などです。ただし、注意すべきポイントとしては、
1)バイアスの影響
2)改善策の欠如
3)時間をかけ過ぎる
などです。「振り返り」を習慣とすることで、成果が上がることが期待できます。

参考記事:業務効率化を妨げる日本語、「反省」に含まれる道徳的意味

反省を活かす「フィードバック分析」を有効に使う3つのステップ

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長年、大手鉄鋼会社及び関連企業、米国鉄鋼会社に勤務。仕事のテーマは、一貫して生産性の向上。生産部門、開発部門、管理部門、経営部門において活動。何事につけても「改革しよう」が、口癖。日本経営士会会員。 趣味:市民レベルのレガッタ、ゴルフ。
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