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採用面接で自分の長所は、リフレーミングでなんとでも言える。大切なのは、行動理由!

 
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長年、大手鉄鋼会社及び関連企業、米国鉄鋼会社に勤務。仕事のテーマは、一貫して生産性の向上。生産部門、開発部門、管理部門、経営部門において活動。何事につけても「改革しよう」が、口癖。日本経営士会会員。 趣味:市民レベルのレガッタ、ゴルフ。

採用面接で自分の長所は、リフレーミングでなんとでも言える。大切なのは、行動理由!

 

面接で「自己PR」を求められて、自分の「長所」を言う時に注意したいポイント

「自己PRをお願いします」
「自分の長所は、何だと思いますか?」
採用面接で、よくある質問です。実は、私も採用面接官として、毎年している質問です。
「自分には、リーダーシップがあります。それは、○○の経験があるからです。」
「私は、小学生から○○を続けた粘り強い性格です。」
最近は、こんな風に堂々と答える学生が多くなりました。様々な就活支援情報を通して、模範回答が出回っており、これを参考にしているのでしょう。
それでも、面接官からすれば、
「そう簡単に自分の性格を言い切れるのか?」
「その立場なら、その程度のこと、誰でもするだろう」
「惰性で続けてきただけで、粘り強いと言えるのか?」
と思ってしまいます。正直、
「そんなに無理して、『長所』を強調しなくてもいいのに」
と思います。面接で、応募者に
「自分の長所は何か?」
質問するのは、能力や実績を知りたいのではなく、人柄やコミュニケーション能力を知りたいからです。エントリーシート(ES)に書けない人柄、ESに書いたことを相手に伝えたり、相手の質問に答えたりするコミュニケーション能力を知りたいのです。「長所」を訊ねるのは、そのきっかけを作りたいだけです。
採用面接で「自己PRをもとめられた時、注意したい3つのポイントがあります。
1)無理に自分の性格を断定しない
2)行動した内容を伝える
3)行動の理由を述べる
これらのポイントを押さえることで、面接官と自然な会話ができます。自然な会話ができることこそ採用側が期待するコミュニケーション能力です。

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無理に自分の性格を断定しない

エントリーシートを書こうとして、自己PRの欄を前に、
「自分にPRするほどの長所や実績がない!」
と考えこむ就活生がいます。むしろ自分のPRポイントに悩む人の方が多いのではないでしょうか。
そんな時、役にたつのが、「リフレーミング」です。「リフレーミング」とは、心理学の言葉で、物事をとらえる枠組みを変えて違った見方をすることです。とりわけ「言語的リフレーミング」は、同じ物事でも言い方で変えることです。
例えば、神経質を「几帳面」と言い、優柔不断を「思慮深い」などと言い換えることです。
自分の長所が思いつかなければ、むしろ短所を思い起こし、リフレーミングで言い換えてみたらどうでしょうか。自分の長所は思い浮かばなくても、短所となると不思議と一杯思い当たるものです。短所を上げて言い換えてみると長所になります。長所として性格を捉えると、自分の行動がそのことで良い結果を生んだ例が見つかります。
以下にいくつかの言い換え例を挙げます。
・落ち着きがない行動力がある
・おせっかい面倒見が良い
1人で抱え込む責任感が強い
・諦めが悪い忍耐力がある
・大雑把おおらか
・負けず嫌い向上心が強い
・単純素直
・主体性がない協調性がある
・堅苦しい礼儀正しい
・暗い落ち着きがある
・計画性がない柔軟に行動できる
・心配性慎重

短所を長所として表現するのは良いのですが、複数の長所を述べて、矛盾が生じないことです。例えば、
「自分は責任感が強く、断固やりぬきます」
と言っていながら、
「また、協調性もあり皆の意見を取り入れていきます」
と言われたら、信憑性を疑います。たぶん、臨機応変に対応できることを言いたいのでしょうが、強引に長所として複数のことを挙げて説得力を下げています。

 

自分の行動した内容を伝える

自己PRで、まず結論的に自分の長所としての性格を挙げ、次に理由として自分の実績や行動を述べることが、パターン化しています。就活本やネット記事でこのパターンが推奨されています。ただし、結論として挙げる長所が、リフレーミングなどで言い換えが可能なことを面接官は心得ていますので、むしろ実績や行動の方に興味が湧きます。むしろ、
「実績や行動を聞いて、学生の長所、短所は、こちらで分かる」
と言いたいぐらいです。
ただし、実績と言っても皆が華々しものを持っているわけではありません。確かに、学生時代スポーツで「全国大会入賞」と言われれば立派だと思いますが、プロスポーツ選手として採用するのでなければ、意味がありません。「TOEIC800点以上」と言われても、翻訳や通訳の会社でない限り、それほど重要視することもありません。むしろ、「全国大会入賞」や「TOEIC800点」を勝ち取ったプロセスでわかる人柄やポテンシャルを知りたいのです。
コロナ禍でアルバイトがなく苦労しながら学費を得たこと。Lineでゼミの連絡網をつくり講義を補ったことなどの話で十分です。これらの話の中で、自分がどんな行動をしたか、事実を正確に伝えることができれば、面接官はその人のコミュニケーション能力を評価します。
「いろいろありましたが、なんとか学費を稼いで卒業できます。」
では、評価しようがありません。どんな行動をしたか、相手に伝わる表現ができること大切です。
「学費と生活費は、奨学金や仕送りでカバーできましたが、部活や旅行などは、バイトで稼ぐ必要があり、友人に紹介された○○で××の仕事をしました。」
こんな風に具体的な話ができれば、会話が続きますし、その中から学生の長所を見いだすこともできます。

 

行動の理由を述べる

長所を述べる際の理由付けとして、自分の行動した内容を伝えるのですが、同時にその行動をした理由や気持ちを述べることが重要です。
例えば、
「○○のアルバイトとした」
あるいは、
「××のアルバイトは、しなかった」
という事実に対して、その理由を述べることです。たとえ、明確な理由がなくても
「その時は、友人の紹介のアルバイトでしたので引き受けました」
程度の理由があるはずです。行動の理由がわかれば、その人の人柄や世界感が分かります。
留年した学生が、応募してきたとき、私は、
「なぜ留年したか?」
と聞きます。どんな理由でも構いません。何かをしたくて留年したのか、試験に落ちて単位を落としたのか、学業が嫌になったからか等々、堂々と事実を述べてくれることを期待しています。その時の気持ちや理由に納得できれば、留年を理由に不合格にすることはありません。むしろ、高い評価を出すこともあります。

 

まとめ

採用面接で、自己PRを求めたり、長所を訊ねるのは、能力や実績を知りたいのではなく、人柄やコミュニケーション能力を知りたいからです。
採用面接で「自己PRをもとめられた時、注意したい3つのポイントがあります。
1)無理に自分の性格を断定しない
2)行動した内容を伝える
3)行動の理由を述べる
これらのポイントを押さえることで、面接官に自分の人柄やコミュニケーション能力をアピールすることができます。

参考記事:コロナで「ガクチカが書けない」就活生は、ガクチカを勘違いしていないか?

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