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会社に必要な3つの「強み」は、「商品力」「ビジネスモデル」「適応力」

 
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長年、大手鉄鋼会社及び関連企業、米国鉄鋼会社に勤務。仕事のテーマは、一貫して生産性の向上。生産部門、開発部門、管理部門、経営部門において活動。何事につけても「改革しよう」が、口癖。日本経営士会会員。 趣味:市民レベルのレガッタ、ゴルフ。

会社に必要な3つの「強み」は、「商品力」「ビジネスモデル」「適応力」

 

会社に必要な3つの「強み」は、「商品力」「ビジネスモデル」「適応力」

採用面接で、
「あなたの考える当社の『強み』はなんですか?」
学生にそんな質問をする会社があります。希望する会社に対する理解度や志望動機を探ろうとするものです。一方、採用活動をしている会社に対して、
「自社の『強み』を学生にアピールしないと応募者は来てくれませんよ」
などと、採用を支援する会社はアドバイスします。
企業の診断や再生を支援する経営コンサルタントも
「まず、自社の強みを明らかにすること」
を強調します。コンサルは、SWOT分析などで企業診断を行い「会社の強み」を明らかにしていきます。その上で、「会社の強み」を活かした企業戦略案や企業改革案を作ります。
「会社の強み」の要素には、経営資源、効率性、特許、コスト、輸送、品質、ブランド等々、様々なものがあります。しかし、「自社にどんな『強み』があるのか?」と問われると考えこんでしまう経営者もおられます。P・ドラッカーは、その著書「マネジメント」の中で、
「成果の出たことが、自分の強みである」
との主旨を言っています。これは、個人に対する言葉ですが、企業についても同様です。売れ筋商品があり販売実績を上げていれば、その商品が「強み」でしょう。そんな明快な「強み」でなくても、地味に店を何十年も潰さずに経営していれば、そのには、目立たないが「強み」が潜んでいます。
「自社の強み」を知ること、「自社の強み」を作ることは、会社経営の上で重要です。沢山ある「強み」の中で、私は以下の3つが、会社にとって重要であると考えています。
1)商品力
2)ビジネスモデル
3)環境変化への適応力
これらの「強み」は、会社を現在そして将来にわたり維持・発展させるのに是非必要と考えて選んだものです。
例えば、資金が豊富なことは、現在の「強み」になりますが、カネを生み出す力がなければ枯渇するものです。「商品力」、儲かる仕組みである「ビジネスモデル」どんな状況になっても対応できる「適応力」が、将来に向かって重要な「強み」と考えます。


マネジメント[エッセンシャル版]

商品力

お客様に提供するモノやサービスなどの商品が優れていることは、大きな「強み」です。ただし、どんな商品にも賞味期限があります。同様な商品が他社から出る、市場で飽きられる等々の理由です。たとえ特許で守られた技術でも、20年後には、有効期限がきます。
商品力を「強み」として維持していくには、継続して商品を改善することや新しい商品を開発し続けることが必要です。
毎年、ものすごい数の新商品がでるカップ麺。でも、売れ筋の商品は、毎年同じ顔触れです。しかし、大手メーカーの話では、
「沢山の新商品を出すから、上位ランクの商品が生き残る」
とのこと。消費者は、
「いろいろ試すけど、やっぱり○○がおいしい」
ということになるそうです。「沢山の選択肢の中から、○○を選んでいる」との感覚になるのであって、「○○しかない」とは、違うといいます。
ある京都に漬物屋さんで聞いた話では、同じ漬物を売っているように見えても、塩分は減っているとのこと。お客さんは、昔と同じ味と思っていても、塩分や香辛料を変化させて、商品価値を維持しているとのことです。
「商品力」は、今ある商品の「強み」だけでなく、変化する力を含んだものである必要があります。

ビジネスモデル

優れた「儲かる仕組み」、つまり優れた「ビジネスモデル」は、会社の強みです。
茶道、華道などの家元制度は、古くからある、優れた「ビジネスモデル」。家元には安定した収入、習う人にも満足感を提供続けています。
近所のさびれたシャッター商店街の中に、70年以上経営を続けている洋服店があります。普段、店に入る客を見たことがほとんどありません。この店、実は地域の学生の制服、町工場や飲食店の作業服などを出張販売しています。この店の「強み」は、固定客を持って出張販売をするビジネスモデルがあることです。
最近では、様々なDX(デジタル・トランスフォーメーション)が起きるなどして、稼げる新しい「ビジネスモデル」が沢山出現しています。アマゾンに代表されるネット通販、動画配信のネットフレックス等々です。
「ビジネスモデル」が、会社の「強み」であり続けるには、それを守り続ける努力が必要です。家元制度やネット通販のように、「ビジネスモデル」を強く支持してくれる多くの人々が必要です。

環境変化への適応力

今競争力のある商品力もビジネスモデルも、市場や社会環境が変わるとその力を失うことがおきます。そんな環境変化に対して、「適応力」を持っていることが、極めて重要です。「商品力」や「ビジネスモデル」は、個人としての「強み」でいえば、スキルや資格です。「PCを使うスキルがある」「○○管理士の資格がある」といったところです。
「適応力」は、「個人の強み」で考えれば、「決断力」「柔軟性」「粘り強さ」といった特性です。会社が危機に直面したとき、変化の時代に遭遇したとき発揮されるのが「適応力」です。
「適応力」は、様々な力の総称で、実際には「経営力」であったり、会社としての「団結力」であったりです。先ほどのP・ドラッカーのいう「成果の上げたことが強み」を借りれば、
「これまで、会社が直面した環境変化や社内の問題の切り抜け方」
が「適応力」としての「強み」です。会社の危機のたびに、経営者が強いリーダーシップで乗り切ったとしたら、その会社には、「経営者を中心とする適応力がある」と言えるのでしょう。逆に不況のたびに経営危機を招く会社には、「適応力」があると思えません。
一度、自分の会社が、これまで経営の危機にさらされた時(例えば、リーマンショックや大震災、コロナ禍、円安や円高)に、どんな対応をして、どんな結果だったかを振り返ってみて下さい。その中に、「適応力」からみた、会社の「強み」「弱み」が見えてきます。
私の個人的な感想では、危機をうまく乗り越える会社は、毎回うまく乗り切っているようです。適応できない会社は、倒産しています。そして、毎回も同じようにマズイ対応をしていながら、なんとか続いている会社は、最後の最後で生き残る「強み」があるといえます。(あまり、褒められた「強み」ではありませんが。)

 

まとめ

「自社の強み」を知ること、「自社の強み」を作ることは、会社経営の上で重要です。
「会社の強み」で重要なのは、以下の3つと考えています。
1)商品力
2)ビジネスモデル
3)環境変化への適応力
これらの「強み」は、会社を現在そして将来にわたり維持・発展させるのに是非必要と考えて選んだものです。

参考記事:就活の自己分析、自分の「強み」と「弱み」の根源にある3つのスキル

経営戦略作成に必要な自社の「強み」「弱み」を見つける4つの方法

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長年、大手鉄鋼会社及び関連企業、米国鉄鋼会社に勤務。仕事のテーマは、一貫して生産性の向上。生産部門、開発部門、管理部門、経営部門において活動。何事につけても「改革しよう」が、口癖。日本経営士会会員。 趣味:市民レベルのレガッタ、ゴルフ。
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