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日本企業の新卒採用者数の非合理的な決め方の実態と問題

2021/08/25
 
年功序列と採用のイラスト
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長年、大手鉄鋼会社及び関連企業、米国鉄鋼会社に勤務。仕事のテーマは、一貫して生産性の向上。生産部門、開発部門、管理部門、経営部門において活動。何事につけても「改革しよう」が、口癖。日本経営士会会員。 趣味:市民レベルのレガッタ、ゴルフ。

日本企業の新卒採用者数の非講義的な決め方の実態と問題

 

日本企業の新卒採用者数の決め方の実態と問題

日本の多くの企業の大卒者採用数は、どうして決められているのか。実は大企業であっても、あまり合理的とは言えない決定方法が取られています。ざっと手順の例を示します。

1.人事担当が、各部署に新卒の希望採用予定数の提出を求める

2.人事担当は、その数を集計し、総数、採用目的別に集計する

3.集計結果に基づき、幹部に相談決定する。その会社の収益、景気動向で、最終的な総採用数を調整する

このような手順が一般的です。問題は、各部署が採用予定数をどう算出するかです。工場現場の仕事などは、オペレーションに必要な人数が決まっていますので、不足人数はすぐ出せます。問題は、大卒大学院卒のスタッフ業務です。採用目的には、こんな例が上げられています。

1.退職者・配転者の補充

2.過剰労働の改善(残業時間の短縮)

3.事業の拡大

4.事業内容変化に対応(専門技術者)

退職者・配転者の補充、残業時間の短縮は、簡単に採用予定枠が認めれる理由になります。しかし、実際に現状の生産性の指標を持っていない職場では、退職予定者があっても補充が必要かどうか分かりません。働き方が悪いから、人を必要としたり残業をしたりしているのかも知れません。本ブログ記事でさんざん書いているように、職場の生産性を能率と効率の点から、数値的に把握していれば、本当に必要な人員の数が分かります。退職者や配転者が出て、人数が少なくなっても、生産性が上がり以前と変わらない量の仕事をしている職場を沢山見てきました。

もう一つの問題は、職場がタテ割りで、人の過不足を部署間で調整しにくい問題があります。総採用予定者数が、各部署の単純な足し算になってしまう例です。会社としての効率が悪いことを改善せずに、採用予定者数を出すケースです。例えば、各部署は、四半期ごとの期末に忙しくなる職場、年度末に忙しくなる職場など様々で、仕事のピーク時には、人の不足感がでます。これに引っ張られて希望採用数を出したがります。いつの時期も、少し大きな会社では、どこかが忙しく、どこかが暇なものです。

適正な採用予定者数と年功序列制度の不適合

多くの企業では、不況で収益が上がらない時は採用をやめる、減らすことが、繰り返されてきました。全社の人件費の中で、新卒採用に伴う人件費は、それほどの収益改善にはなりません。(従来通り安い初任給では。)しかし、世間のムードに押され、採用を抑えます。(希望退職を募るような状況は、別ですが。)収益状況で採用数を変えたり、仕事量で採用数を決めたりする方式は、年功序列に基づく昇格や賃金制度と合いません。例えば、バブルのころ大量に採用した人材が適齢期になってもポストがない、その後の採用抑制期の人材層では、ポストに対して人が足らず、やたらに課長や係長を兼務している会社があります。

いつでも多くの就職希望者を集められる企業は別として、採用市場は景気により変動します。中堅以下の企業では、採用予定数をどう出そうと、全く就職希望者がいない年もあれば、就職氷河期には、多くの学生が集まりました。年功序列の制度を維持しようとすると毎年一定数の学生を採用すべきでしょうが、年功序列にこだわらなければ、採用できる時に採用する、中途採用を活用することができやすくなります。

生産性を維持向上させるような採用を目指すと、年功序列制度と合わない状況が生じることを理解しておくことです。

まとめ

日本企業の学卒採用者数の決め方には、1)職場の生産性を把握していないために本当に必要な人数がわらない 2)職場がタテ割りで、負荷の配分ができず、負荷ピーク時に合わせた過剰採用になり易い 3)必要な人数、収益動向に合わせた採用をすると年功序列の制度と齟齬が生じる。職場の生産性と事業の将来に合わせた採用をすること。この方式で採用することで生じる年功序列制度との不整合は、年功序列制度側の修正や廃止が求められる。

参考記事:採用担当者が悩んだ時の労働生産性を基準にした新卒採用人数の決め方

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長年、大手鉄鋼会社及び関連企業、米国鉄鋼会社に勤務。仕事のテーマは、一貫して生産性の向上。生産部門、開発部門、管理部門、経営部門において活動。何事につけても「改革しよう」が、口癖。日本経営士会会員。 趣味:市民レベルのレガッタ、ゴルフ。
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