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経営戦略作成に必要な自社の「強み」「弱み」を見つける4つの方法

2022/01/28
 
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長年、大手鉄鋼会社及び関連企業、米国鉄鋼会社に勤務。仕事のテーマは、一貫して生産性の向上。生産部門、開発部門、管理部門、経営部門において活動。何事につけても「改革しよう」が、口癖。日本経営士会会員。 趣味:市民レベルのレガッタ、ゴルフ。

経営戦略作成に必要な自社の「強み」「弱み」を見つける4つの方法

 

自社に「強み」は、あるのか?

事業計画や経営計画を作る際、「自社の『強み』『弱み』を明確にしろ」とよく言われます。そんなことを言われた経営者や企業の戦略部門の人が、
「自社の強みも弱みも分かっている。それでどうなんだ!」
「自社の『強み』なんて見つからない!」
「いくらSWOT分析(*)などしても、コンサルタントの解説に役立つだけ!」
などと思ってはいませんか。

営業コンサルタントや企業の戦略部門は、企業の「強み」「弱み」を基に経営戦略を作ります。経営コンサルタントは、SWOT分析を始め各種経営戦略分析や対応法については、プロです。しかし、基になる「強み」「弱み」を見つけるのは、主にその企業の人の仕事になっています。

また、企業の「強み」「弱み」は、常に二面性があり視点によって、「強み」と「弱み」が逆転します。例えば、「売上規模が小さい」という「弱み」は「発展の可能性がある」という「強み」になり得ます。「指示待ち社員ばかり」という「弱み」は、「社員が指示に従い、一気に動ける」という「強み」に変身する可能性があります。「弱み」を「強み」に変えることが、経営戦略であり、経営する面白味でしょう。

* SWOT分析は、1960年頃にハーバード・ビジネススクールやスタンフォード研究所で考案された分析ツール。SWOTとは、Strength(強み)、Weakness(弱み)、Opportunity(機会)、Threat(脅威)の頭文字を取ったものです。今でも、シックスシグマやバランススコアカードでも活用されるなど、強み弱みを考える際の定番ツールになっています。

参考:wikipedia|SWOT分析

自社の「強み」「弱み」の見つけ方

どんな会社にも、存続している以上「強み」があるはずであり、「弱み」もあるはずです。以下、4つの例をご紹介します。

① 自社が提供しているモノやサービスを調べる
② 自社の過去(歴史)を調べる
③ 外部(顧客や他社など)の意見を聞く
④ ネット検索で自社の位置を知る

重要なのは、「強み」を見つけることと同じく「弱み」を見つけることです。そして、「弱み」を冒頭述べたように、視点を変えて「強み」に変えることです。

会社の強み発見イラスト

自社が提供しているモノやサービスから「強み」を知る

売れているモノやサービスがあれば、それは当然「強み」をもっています。ただし、どんな理由で売れているかです。その理由が、「強み」です。また、細かく見ていくと、地味ですが、長く売れ続けているモノがあります。少しずつですが、必ずある時期になると買っていただくお客さんがいたりします。そこには、隠れた「強み」が潜んでいる可能性が高いのです。

自分の経験ですが、かつて自部署で金属材料を製造していた時、ある材料が10年以上少量ですが、売れ続けていることに気付きました。顧客の営業担当は、何年も特別なことはしていないと言います。用途を聞くと、パチンコ台用の材料でした。詳しく調べてもらうと、その当時パチンコ台の図面は、県警が承認印を押していることが分かりました。図面の承認を得るのは、大変とのことで、たとえパチンコ台の新型が出ても、極力材料は変更せず、承認作業を速くしてもらうことに気を使っていたことが判明しました。思わぬ「強み」を見出して、他の材料まで横展開しました。

営業を経験すると分かりますが、新規顧客開拓を試みても、売る商品であるモノやサービスに「強み」が無いのはみじめなものです。
「取引したかったら、いくら値引きするか先ず示してもらえますか」
といきなり低価格を求められます。消費者向けの商売なら、人間関係での商売などもあるでしょうが、シビアなB to B取引では、沢山ある会社の一つにしかなれません。新規顧客開拓には、絶対に「強み」が必要です。自社のモノやサービスからどうしても「強み」や「弱み」を見つけ出すことです。

自社の過去(歴史)を調べて「強み」を知る

会社が存続している、その部署が存続しているということは、何かしら「強み」を持っているはずです。ある商品の誕生から今日に至るまでの経緯、自社や自部署の過去(歴史)は、調べる価値があります。

過去に成功体験のある会社、ヒット商品があるときは、要注意です。ヒット商品があって会社が好調だったことを客観的に良く分析していないことがあるからです。ヒット商品の生れた理由が、技術開発力だったのか、供給力だったのか、マスコミ等に取り上げられたのか、競合がどうだったか、意外なほど分析がなされていないことがあります。同時に、なぜ今売れなくなったのかも調べることです。製造会社によくあることですが、ヒットの理由が技術力と思い込み、売れた背景を忘れていることです。発売当時、それを買う人が、マニアックな高所得者層であったことに気づかず、
「自社製品は高性能だから売れた」
「当社の強みは、高い技術」

と思いこんでいるような会社が結構あります。始末が悪いのは、全社員が同じように「自分の会社の強みは技術力高い技術」と勘違いしてしますことです。「高い技術」が真実であっても、市場において「強み」になるかどうかは、別の話です。
「名門企業が、かつての成功体験から抜けず挫折した」
といわれて批判されるのは、こんな過去の認識違いからです。

会社の歴史を調べると、その会社が、創業者の「強い思い」やいろんな人の協力によって創立された話が出てきます。会社のピンチやチャンスにおいて、いろんな会社や人が関わったことも分かります。これは、その会社の「強み」を見つけるヒントになります。「技術力」と思っていたことが、あんがい創業者の人脈や情熱にこそ「強み」があったことを発見したことがあります。

ちょっと意外ですが、欧米や中国系の会社は、驚くほど人脈で仕事をしています。人事も、「社長の知り合い」と言うだけで、外部から幹部社員を連れてくることが珍しくありません。人脈があることは、おおきな「強み」です。

外部(顧客や他社など)の意見から「強み」を知る

「強み」とは、お客様から見た、あなたの会社と付き合う価値です。一方で、競合からみたら、あなたの会社の一番厄介なところです。お客様が認めてくれなければ、「強み」ではありません。競合が脅威に感じなければ、それは単なる自己満足に過ぎません。

外部の意見は、直接アンケートやインタビューで知ることができます。それを専門に調査してくれる会社もあります。意外な発見があるかもしれません。

もう一つ、外部の意見を知る有力な方法があります。それは、ネット検索です。現在、何かを調べる、何かを買う時、インターネットが広く使われています。スマホが子供の頃から利用していた人々が社会に出たり、コロナ禍で外出が出来なかったりで、利用は飛躍的に増えています。個人も企業もネットを利用してモノやサービスを知り、そして購入という行動に移ります。Googleの検索エンジンで使われるAIが、大きな外部の意見です。

ネット時代における最大の「強み」は、検索上位にいること

ネット検索の上位に入ることが、そのカテゴリーにおける「強み」です。実際に興味を持ち、購買対象として認知されるのは、検索したページの上位数件です。ネット検索全盛の時代において、人々は最高のものを知ることができ、できるものならこれを手に入れたいと思います。

では、その検索順の決め方ですが、基本的にGoogleのAIに支配されています。Yahoo!もありますが、Googleの検索エンジンを使っていますので、日本のネット検索の95%は、Googleです。Googleの検索順を上げることに関しては、SEO対策*と言われるデジタルマーケティングが重要になっています。

SEO対策は、他の記事に譲るとして、重要なのは、特定のカテゴリーで1位や2位になることです。自社の「強み」を漠然とではなく、あるカテゴリーで1位や2位にすることで、本当の「強み」になります。

知り合いの中華料理屋の話ですが、「中華料理店 兵庫県〇〇市」と検索すると、上位表示されます。次に店主は、「中華料理 兵庫県 うまい」で、上位を狙っていましたが、「大衆」というキーワードが必要だと、最近気付いたようです。

キーワードを選んでネット検索順位を上げるということは、自社の「強み」を知ることだけでなく、戦うべき市場を知ることになります。

* SEO対策(Search Engine Optimizationとは、検索結果で自社サイトを多く露出させる対策のこと。検索エンジン最適化とも呼ばれます。

参考:Wikipedia|検索エンジン最適化

 

まとめ

経営戦略の作成や新規顧客開拓をする際、自社の「強み」を知り、活用することが重要です。自社に「強み」がないようでも、探し方があります。
1)自社のモノやサービスを調べる
2)自社の過去(歴史)を調べる
3)外部の意見を知ること
4)ネットの検索順位を知ること
ネットの検索順位は、同時に自社がどんな市場で戦うことが有利かを教えてくれます。

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