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今どきの部下に「成果を出させる」、上司の3つの教育指導ポイント

 
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長年、大手鉄鋼会社及び関連企業、米国鉄鋼会社に勤務。仕事のテーマは、一貫して生産性の向上。生産部門、開発部門、管理部門、経営部門において活動。何事につけても「改革しよう」が、口癖。日本経営士会会員。 趣味:市民レベルのレガッタ、ゴルフ。

今どきの部下に「成果を出させる」、上司の3つの教育指導ポイント

 

今どきの部下に「成果を出させる」上司の教育指導、3つのポイント

「固定電話を使ったことがない」
「親と先生以外、同世代としか会話したことがない」
「お金や出世より、自由な時間が欲しい」
これらは、新入社員など若い世代の社員の話です。その意識や経験は、上司の世代とは想像以上のギャップがあります。子供のころからスマホを持ち、固定電話は親が使うだけ。学校と家庭以外は、会話する場がなかった。特に立身出世を望まない。そんな若手部下を教育指導する上司やリーダーは大変です。上司の持つ基準で「教育」しても、部下は仕事や生き方に対する考え方が全く違うので、上司の思いは全く伝わっていません。
「頑張って仕事をすること。それは、会社の為であり、君の将来の為でもある」
若手の部下に、そんな話をしても無駄です。多くの部下は、そもそも「会社を発展させたい」、「出世したい」という気持ちが希薄です。その一方で、学校教育やアニメの影響かどうか知りませんが、意外なほど「正義感」が強く、「平等」を強く意識する傾向があります。(自分の周りの若者を例にしているので、やや偏見があるかも知れませんが)そんな若者気質があることを前提に、上司は教育指導をしていくことが必要です。
上司やリーダーの大きな役目の一つは、「部下の教育指導」です。部下を「人材として育てる」のが教育指導の大きな目標です。ところが、部下は、積極的に「自分が成長し、将来会社を背負っていきたい」なんて思う社員は少数派です。
ところで、教育指導といったときの「教育」「指導」は、似たような意味の言葉です。広辞苑から引用すると「指導」とは、「ある目的や方向に向かって教え導くこと」とあります。ある分野における知識や技術の向上といった特定の目的に向け、誰かを教えたり導いたりすることです
一方、「教育」について同じく広辞苑によれば、「教え育てること」とあります。
「指導」と「教育」は、「誰かを教え導く」という意味で違いはありませんが、「期間」の点で違いで使い分けられているようです。「教育」は「指導」に比べ、「ある程度長い時間をかけ、対象となる者の知性や技能、人間性などを高めていく」という意味合いが強いのが特徴です。「指導」の場合、「コツやポイントなどを効率よく教えて、短期間のうちに対象の能力を伸ばす」という意味合いが強くなります。

今どきの若手部下に対する「教育指導」は、「教育」より「指導」に力点をおいた方が効果的と思います。若手部下に対して、コツやポイントなどを効率よく教えて「すぐに成果を出させる指導」が大切です。部下に対して
「君の成長の為に・・・」
などと将来や精神的な言葉をかけるより
「〇〇をすることで成果を上げ、チームに貢献して欲しい」
と言う方が、説得力があります。
部下を教育指導するときは、具体的に今の課題を解決する方法を「指導」することから始めることです。成果を出させる教育指導には、以下の3つのポイントがあります。
1)目標を数値として示す
2)具体的な行動ポイントを示す
3)指導した結果をフォローする
具体的な行動を指示し、そのフォローを継続することで、「指導」が「教育」となり、人材の育成に繋がります。


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目標を数値として示す

教育指導には、目的があり目標が必要です。目的や目標が、受ける側の部下にフィットしていなければ、あまり効果が期待できません。
例えば、社員の義務として課せられる「ハラスメント教育」「コンプライアンス教育」は、
「自分や自職場と関係ない」
と思えば、全く効果がありません。会社の義務として「やった」という記録だけは残りますが。教育指導は、受ける側が何らかの成果、メリットが得られると感じるとき、はじめて効果がでます。
生産現場では、具体的に「アーク溶接ができるようになる」「国家資格を取る」、「月○○個生産する」などと数値を含め目標を設定し易いものです。一方、人事や総務など間接部門では、部下に対して教育指導の目標が設定しにくく、数値化もしにくいものです。

そもそも、これらの部署では、そもそも部下の技量を評価するモノサシが曖昧です。
「人事部に5年いたから、人事のことはできるだろう」
といった評価がされてしまいます。一応OJTで育成することになっていても、実質は何もせず
「後ろからついてこい」
しばらくすると
「もう、自分一人でやってみろ」
そんな具合です。どんな職種であれ、上司は部下に対して、明確に目標を数値で示すことが、デジタル世代には合っています。社員の技量を評価する基準が必要です。
あるISOなどの品質指導をメインとする会社の営業職社員の技量基準を紹介します。
レベル1;お客様のアポが一人で取れる。
レベル2:お客様に自社のサービス説明が出来る。
レベル3:お客様の仕事に合ったサービスの提案、アドバイスができる。
レベル4:お客様に発展的な提案ができる。
レベル5:社員の教育指導ができる。
他にも「接待のセットができる」「他社を紹介できる」「お客様の会社の歴史を知っている」等々が、各レベルの例に付け加えてありました。この会社では、営業系社員に対して、上司が1年後、2年後にどのレベルを達成するか目標を指示します。部下は、そのレベルでは、どんなことが出来なければいけないかが、技量基準で分かります。

 

具体的な行動ポイントを示す

教育指導の目標を数値で示しても、「どう行動すればいいか」を示さないと部下は動けません。そもそも目標だけで、行動できたら、その社員には指導など不要です。上司は、目標に対して、具体的な行動ポイントを示す必要があります。
営業や総務、企画などの部署では、目標に対して「どう行動するか」を示すのは、上司の力量です。例えば、法人相手の営業の場合、同じ商品でありながら、成績を上げている営業マンとそうでない営業マンのどこに差があるか、必ずしも上司が分かっているわけではありません。
上司の仕事は、成果を上げている営業マンの行動ポイントを見つけ出し、部下に教えることが、「指導」となります。例えば、成績のいいA部員は、
「週に2回、お客様にメールか電話している」
「2か月に一回は訪問している」
といった情報を「指導」として部下に伝えるのです。
「自分で考えろ!」
「とことんお客に食い下がれ!」
では、若手社員には通じません。2:6:2の法則による上位2割には、こんな精神スローガンが通用しても他の8割には、具体的に行動ポイントを指示しなければ、何も行動できません。妙に「自主性」とか「気づき」は、期待してはいけません。そんな精神論的指示のし方を部下は、「上司の丸投げ」と受け止めます。
「手取り足取りの指示ばかりされては、部下は育たない」
と不安をもつ上司がいるかもしれません。フォローさえしっかりしていれば、言われたことを実行する中で、自分で考えることができる部下が育ってきます。

 

指導した結果をフォローする

上司が指示や教育をしたら、その結果を必ずフォローすることが重要です。
1)指導したことが実行されたか
2)実行した結果は、どうだったか
3)得た教訓はなにか
この3点が、フォローにおいて重要です。指導した結果をいちいち聞くのは、「部下にとってしつこく感じはしないか」心配になります。しかし、若い世代には、「かまって欲しい」という気持ちが結構あります。気にせず指導結果のフォローをすることです。
この3点をフォローしていると「指導したけで実行が遅い」「結果の報告を自分からできない」「結果について考える習慣がない」などの部下の弱点が見えてきます。これらの弱点を気長に修正してあげることです。指導結果のフォローを継続することで、「指導」が「教育」となり、人材育成へと繋がります。

 

まとめ

上司が、若手部下を教育指導するときは、具体的に今の課題を解決する方法を「指導」することから始めることです。成果を出させる教育指導には、以下の3つのポイントがあります。
1)目標を数値として示す
2)具体的な行動ポイントを示す
3)結果をフォローする
具体的な行動を指示し、そのフォローを継続することで、「指導」が「教育」となり、人材の育成に繋がります。

参考記事:「やる気のない部下」とコミュニケーションをする時の3つのポイント

リーダー育成は、部下に「面白い仕事」「やりがいのある仕事」を任せることから

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長年、大手鉄鋼会社及び関連企業、米国鉄鋼会社に勤務。仕事のテーマは、一貫して生産性の向上。生産部門、開発部門、管理部門、経営部門において活動。何事につけても「改革しよう」が、口癖。日本経営士会会員。 趣味:市民レベルのレガッタ、ゴルフ。
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