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「朝令暮改」は、信頼のあるなしで良くも悪くもなる。ネット社会では「朝令暮改」でも遅い?

 
朝令暮改の上司イラスト
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長年、大手鉄鋼会社及び関連企業、米国鉄鋼会社に勤務。仕事のテーマは、一貫して生産性の向上。生産部門、開発部門、管理部門、経営部門において活動。何事につけても「改革しよう」が、口癖。日本経営士会会員。 趣味:市民レベルのレガッタ、ゴルフ。

「朝令暮改」は、信頼のあるなしで良くも悪くもなる。ネット社会では「朝令暮改」でも遅い?

 

「朝令暮改」は、信頼感のあるなしで良くも悪くもなる

「指示が、コロコロ変わりやってられない!」

朝に指示したことが、夕方に変わるようなことを「朝令暮改」と言います。「アテにならないこと」を意味するネガティブワードです。仕事をしていて、コロコロ指示内容を変える上司に翻弄されている方が、いませんか?

指示したことに誤りがあれば、すぐに訂正の必要があります。社内打合せをするしない、メールの間違いなど、むしろ「朝令暮改」が日常的になっています。それなのに「指示が変わる」ことで「朝令暮改」と不快感を覚えるのは、指示に信頼が無いからです。あるいは、指示する人そのものに信頼がないからです。
「朝令暮改」の「令」は、本来法令のことです。法令のような重大なことをコロコロ変えられたらたまりません。ところが、現在この言葉は、具体的な指示内容が変わることまで、「朝令暮改」の範疇に入れています。朝令暮改を英語でなんというか調べてみると、大修館書店のジーニアス和英辞典には“Inconsistent policy”=「一貫性のないポリシー」と記載されています。うまい訳だと思います。ちなみにGoogleの翻訳では“Morning break”の訳が出てます。(2021年10月時点(笑))。
つまり、「朝令暮改」が戒めの言葉としているのは、ポリシーと言われる「方針」や「戦略」をコロコロ変えるなということで、「具体的な行動を変えるな」ということではありません。

具体的な指示が、コロコロ変わることはあり得ます。しかし、部下など相手に受け入れられかどうかは、指示する内容や人の信頼度にかかっています。信頼を失う「朝令暮改」信頼を得る「朝令暮改」を紹介します。


信頼を失う指示

「朝令暮改」に関して信頼を失う3つのパターンがあります。身近な指示の仕方やされ方と比べてみてください。

1)あまり考えず指示を出す
とりあえず指示を出してから、不安を覚えて異なる指示を出し直すタイプの人がいます。しばらくするとまた違う考えが浮かび、新しい指示を出すといったタイプです。自分の指示に自信がないために起きる「朝令暮改」です。
出した指示に不安が生まれるのは、未体験や想定外のことが起きた時や失敗を恐れているからです。すべてが完璧な結果が出ることなどないことを頭にいれて、指示の変更をするかどうか考えるべきでしょう。

2)自分の考えがなく指示を出す
上司がその上の上司から言われて指示を変える、声の大きな部下の意見が出ると指示を変えるなど、自分の考えがなく、「メッセンジャーボーイ」のような人です。こんなタイプは、信頼されないどころか、「朝令暮改」人間として周囲から軽蔑されかねません。自分のポリシーに沿った「自分の指示」に翻訳することが必要です。

3)指示の出しっぱなし
指示を出しっぱなしで、なんの関心を示さない人。指示に誤りや効果に期待が持てないと分かっても、「朝礼暮改」と言われるのを恐れるのか、「頑固」に指示の変更をしないタイプの人がいます。指示したこと誤りや失敗と分かっていても、すぐに変えようとしないタイプの人は、周りの信頼を失います。失敗学には、
「早いうちに小さな失敗をして、大きな失敗を防げ」
という格言ともいえる言葉があります。(桑原輝弥著「失敗の活かし方100の法則」より)失敗に気付いて、早くそれを認め、大きな失敗にするなということです。失敗に気付いたときは、「朝令暮改」が必要です。


失敗の活かし方100の法則

信頼を得る「朝令暮改」

「朝令暮改」が許される3つの条件を紹介します。
1)普段から上司が明確にポリシーを示す
信頼を得る指示とは、それを出すとき、目的を一緒に伝えることです。指示した内容が「朝令暮改」で変更になっても指示を受けた側は、目的に沿っていれば納得します。普段から「安全第一」を掲げた会社で、指示したことが「安全にかかわる問題」を含んでいると分かれば、皆変更も当然と受け止めます。

2)指示を変更する理由を示す
指示変更の理由が明確ならば、指示を受けた側は率直に従います。重要なのは、指示する側も受ける側も共通の価値観をもっていることです。
「いいからヤレ」
と理由の説明もなく行動を指示され、それがころころ変わるようでは、誰もついていけません。

3)オンラインビジネス、SNSでは、「朝令暮改」でも遅い
オンラインビジネスやSNSの世界では、フィードバックが飛躍的に速くなっています。朝投稿した不注意な記事が、夕方には「大炎上」する事態になることもあります。記事の誤りはもちろんのこと、記事を見た人に不快感や不安を与えることがあれば、直ちに変更が必要です。一方、「いいね!」の反応に素早く追加の情報や反応を返すことで、より好感度を上げることができます。オンラインビジネスやSNSの運営では、スピード優先「朝礼暮改」でも遅いと認識すべきかもしれません。

 

まとめ

「朝令暮改」が戒めの言葉としているのは、ポリシーと言われる「方針」や「戦略」をコロコロ変えるなということです。「具体的な行動を変えるな」ということではありません。具体的な指示が、「朝令暮改」になることは、悪いことではありません。「朝令暮改」が不快に受け止められるかどうかは、指示する内容や人の信頼度にかかっています。

参考記事:「仕事を依頼する側」も「される側」も満足する仕事の依頼の5つのポイント
仕事の指示トラブルは、「号令」「命令」「訓令」を理解することで解消

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長年、大手鉄鋼会社及び関連企業、米国鉄鋼会社に勤務。仕事のテーマは、一貫して生産性の向上。生産部門、開発部門、管理部門、経営部門において活動。何事につけても「改革しよう」が、口癖。日本経営士会会員。 趣味:市民レベルのレガッタ、ゴルフ。
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