「なりたい姿」に向かって変えていく「改革志向」の意見満載

「やる気のない部下」とコミュニケーションをする時の3つのポイント

 
面接のイラスト
記事一覧

この記事を書いている人 - WRITER -
長年、大手鉄鋼会社及び関連企業、米国鉄鋼会社に勤務。仕事のテーマは、一貫して生産性の向上。生産部門、開発部門、管理部門、経営部門において活動。何事につけても「改革しよう」が、口癖。日本経営士会会員。 趣味:市民レベルのレガッタ、ゴルフ。

「やる気のない部下」とコミュニケーションをする時の3つのポイント

 

「やる気のない部下」とどう向きあうか

「『やる気のない部下』をどう扱ったらいいのかわからなくなった」
「入社3年目、成績が上がらず『やる気のない部下』に何を話したらいいのか」
これは、部下が思うように動いてくれない。指導しているうちに部下の「やる気」がなくなってしまっていると嘆く上司の悩みです。

上司が部下に対して嘆く前に、自問すべきことがあります。
1)何のために部下を動かしたいのか
2)部下にどうしてもらいたいのか
3)それを通じて部下にはどのような姿になってもらいたいか
これらのことを部下に伝えているのでしょうか。そもそも部下に対して「動いてもらう目的」が伝わっているかが問題です。例えば「チームの目標を達成したい」などです。もし、「上司自身の成績を上げたい」なんて気持ちが見えれば、部下にやる気が起きる訳がありません。

「やる気がない部下」に対して、よく「成果を上げることによって得られるメリット」を伝えたらいいと言われます。しかし、「昇給」「昇進」「各種の表彰」「より大きな仕事」などを示しても、一度「やる気」を失い、自信喪失している部下を動かす力には、なりません。不幸にして部下に、
「自分には無理」「そこまで頑張りたくない」
という気持ちが生まれたら、上司はどうしようもない気持ちになるものです。

そんな「やる気のない部下」「やる気」を取り戻させる3つのポイントがあります。
1)「どうすればできるか?」と問いかける
2)自分の期待を伝える
3)仕事を区切り小さな成功体験を積ませる
部下は、「やる気がない」のではなく、「やる気が見えない」ことが多いものです。あるいは、「やる気をなくされている」のかも知れません。
この記事は、私の体験を基に「やる気のない部下」の対応例を紹介します。



「どうすればできるか?」と問いかける

結果がでない部下に対して、できないことばかり責めても、部下は
「できないものはできない!」
と開き直り聞く耳を持ちません。こんな時の部下は、自己肯定感が下がり自身喪失をしている状態です。このままでは、精神的に持ちません。できることに焦点を当て、できたことを承認してあげることが必要です。
「なぜできなのか?」
と責めず
「どうしたらできるか?」
と問いかけ、部下と一緒に考えることです。

 自分の期待を伝える

部下の気持ちになって会話することは大切です。しかし、部下に対して、
「このままでいいのか」
と励ますのは、効果がないようです。上司は、部下の気持ちになって一緒に心配しているつもりでも、現実は危機感を煽って部下を追い詰めてしまいがちです。必要なのは、期待を伝えることです。人は、期待されて初めてやる気を起こすものです。
「君には、可能性があると思う。きっかけさえ掴めば結果がでると期待している。もっと自分に自信を持って何をしたらいいかを考えて欲しい」
といった言葉が有効かも知れません。重要なポイントは、上司が部下に期待していることを伝えることです。

これは、故野村克也監督の著書にある言葉ですが、
「指導とは、自信を付けさせること」
これは、監督が常に選手の指導で気を付けていたことだそうです。入団後何年か経過し成績が出ない選手は、「もう期待されていない」「いつ球団からクビを言い渡されるか」と自信を喪失していることが多いものです。そんな選手に、
「このままでいいのか」
と不安を煽っては、激励したつもりが選手を萎縮させ余計結果が出なくなるとのこと。


言葉一つで、人は変わる (詩想社新書)

仕事を区切り小さな成功体験を積ませる

全く自信を失っている部下に対しては、目標を分割することも1つの方法です。分割した上で、行動目標を立てて一つひとつクリアさせ、「できた」という自信を持たせることです。たとえ結果が出なくても、行動目標をクリアしたことを認めて喜ぶことです。一つひとつの小さな成功体験を積ませることで、「成功のコツ」を得るとともに自信がついていきます。

部下の育成は上司の責任

「やる気のない部下」に対するケアーの例を述べましたが、これらは上司にとってかなり面倒なことに感じるかもしれません。しかし、それもマネジャーとしての大きな仕事です。部下を育てられなければ、いくら実績を上げても上司として失格です。

私の経験ですが、上司として多くの部下をつぶしてしまった人を何人か知っています。その人の所属する部署は、歴代そんな人が部長や課長をしていました。
「やる気がないのは、本人の問題。部下が変われないのは、本人の責任」
そんな考えがその部署を支配しているようでした。
その部署が嫌で異動を希望し、私のところに移ってきた人がいました。異動してきて分かったのは、その人は「やる気がない部下」ではなく、「やる気をなくされた部下」であることでした。その後、彼は重要な戦力として活躍しています。

まとめ

「やる気のない部下」「やる気」を取り戻させるには、3つのポイントがあります。
1)「どうすればできるか?」と問いかける
2)自分の期待を伝える
3)仕事を区切り小さな成功体験を積ませる
部下は、「やる気がない」のではなく、「やる気が見えない」ことが多いものです。あるいは、「やる気をなくされている」のかも知れません。部下に対する丁寧なフォローで、「やる気」を取り戻すことを期待します。

関連記事:リーダーと部下との間のコミュニケーションを改善する5つのポイント

リーダーが、厄介なメンバーと上手に会話する2つの方法

この記事を書いている人 - WRITER -
長年、大手鉄鋼会社及び関連企業、米国鉄鋼会社に勤務。仕事のテーマは、一貫して生産性の向上。生産部門、開発部門、管理部門、経営部門において活動。何事につけても「改革しよう」が、口癖。日本経営士会会員。 趣味:市民レベルのレガッタ、ゴルフ。
スポンサーリンク




スポンサーリンク




Copyright© 改革志向のおっさんブログ , 2022 All Rights Reserved.