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実際に改善提案を激増させた4つのポイントと職場観察の着眼点

 
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長年、大手鉄鋼会社及び関連企業、米国鉄鋼会社に勤務。仕事のテーマは、一貫して生産性の向上。生産部門、開発部門、管理部門、経営部門において活動。何事につけても「改革しよう」が、口癖。日本経営士会会員。 趣味:市民レベルのレガッタ、ゴルフ。

実際に改善提案を激増させた4つのポイントと職場観察の着眼点

 

改善提案数を激増させた4つのポイント

「改善提案のネタ切れ」
「目標としている改善提案数が達成できない」
こんな悩みを抱えている製造現場のリーダーや改善活動の推進者がおられます。「カイゼン」は、日本企業が得意とするところで、世界から賞賛されてきました。(例えばトヨタ自動車75年史)「改善提案」は、その「カイゼン」活動を支えてきた従業員の提案制度です。ところが、近年改善提案活動がマンネリ化し、低調になっている企業が見受けられます。担当者に聞くと、
「提案のネタ切れ」
「生産が低調で活動意欲がわかない」
などと言い訳がでてきます。これを脱却して、改善提案数を増やすには、職場リーダー(班長)の「熱意」と改善提案活動の「習慣化」が重要です。常に「カイゼン」を考えながら仕事をすることを習慣にすることです。
熱意のあるリーダーに改善提案を増やす4つのポイントを紹介します。
1)毎日視点を決めて、職場をパトロールする
2)課題を見つけることに集中する
3)徹底的に他の職場を「パクる」
4)多くの人と職場の仕事を観察する
私は、これまで劇的に改善提案数を増やした経験があります。ある製造の職場で、改善提案数目標が1件/人月と設定されていました。従業員が事務職を入れて150人の職場ですので、目標は全体で150件/月です。ところが、実績は0.2件/人月程度という状況が10年続いていました。月30件です。そこで、何とか改善提案数を増やそうということになり、職場リーダー(班長)と模索して得たポイントがこの4つです。これらを続けた結果、半年後には、1.0件/人月を突破、1年後には1.8件/人月(総数270/月)を達成、その後も1.2件/人月を維持し続けています。更に、他の職場でも、同様に0.3件/人月以下から1.0件/人月を確実に実現し、この方法に確信をもつようになりました。
方法そのものは単純ですが、「リーダーの熱意」の元、改善提案を出すことを「習慣化」させて、改善提案数を激増、提案数を維持させています。


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毎日視点を決めて、職場をパトロールする

改善提案を増やすには、まず職場の「課題」を見つける必要があります。課題は、職場の環境、働き方を観察することが一番です。毎日、リーダーを中心に数人で現場を見ることです。その際、パトロール者の視点が大事です。以下のような着眼点があります。
1)整理・整頓・清掃(3S
2)「より楽に」「より速く」
3)「もしも○○だったら、どうなる?」
4)「職場の担当者はどう思っている?」
これらに注意して、職場を回ることで改善提案ネタが、沢山発見できます。

整理・整頓・清掃(3S)の視点

3Sの視点でのパトロールは、改善提案のネタの宝庫です。活動初期では、改善提案の半分は3Sネタになることもあります。重要なのは、生産現場であれ、事務所であれ整理・整頓・清掃が悪い場所を見つけて、「もう1歩突っ込む」ことです。
例えば、汚い床面を見て「掃除すべき」と単純に考えてはいけません。
「何が汚れの原因か。加工屑、砂、油、埃?」
「その汚れは、どこから来ているのか?」
「誰が掃除をする担当なのか?」
そう考えるといくつかの改善すべき点が見つかります。
「汚れがたまりにくい床面にする
「汚れの発生源を押さえる方法」
「掃除の担当の決め方」
「掃除の方法」
これだけで、10件ぐらいの改善提案が浮かびます。

同様に、乱雑にモノがおかれているのをみたら、
「誰のモノ?」
「なぜモノがたまるの?」
「どうすれば、モノが収まるの?」
「どうすれば、モノがたまらなくなるの?」
「誰が、どうモノを管理すべき?」
などといった疑問を投げかけながら見ることで、ネタがドンドン見つかります。

「より楽に」「より速く」の視点

仕事をしている場面を見たら、考えるべきは、「より楽に」「より速く」です。重要なのは、作業している人の気持ちになってみることです。「重たい!」「めんどう!」「うるさい!」「暑い!」などなどあります。これらを克服するような着眼点が改善提案ネタになります。もちろん、作業している当事者に気持ちを聞くことも大切です。
「より楽になるにはどうなっていればいいの?」
「より速くするには、どうなっていればいいの?」
こう問いかけてみてください。

「もしも○○だったら、どうなる?」と想像する

作業現場を見るとき、
「もしもここで地震があったら」
「もし、停電がおきたら」
「もしも歩行者が年配だったら」
「ここで、火災になったら」
そんな想像をしながら、職場を見ると提案ネタが浮かんできます。特に安全衛生に関する提案は、この視点が重要です。
年配社員がここを歩いたらと想像して床をみれば、段差が気になるものです。火災が起きたらと思うと、消火器の位置や可燃物の有無が気になります。
「もしも急に注文が増えたら」
と楽しい想像もあります。「起こりそうなこと」、「めったに起きないが起きたら大変なことなど」を想像しながら職場を観察して改善提案ネタを探しましょう。

「職場の担当者はどう思っている?」

職場のパトロールの中で、そこで仕事をしている人に、質問することで改善提案ネタがみつかるものです。
「なぜ、そこに○○が置いてあるのですか?」
こう問いかけて、みると思わぬ理由が返ってきます。
「ならば、こうしたら」
とその場で改善提案が浮かびます。
長くその職場で、同じやり方で仕事を続けていると「不便でも、それが当たり前」と思っていることが多いものです。パトロール者と職場の担当者との会話を通して改善すべき点に気づくことが期待できます

 

課題を見つけることに集中する

改善提案は、課題の発見と問題解決案、実行がセットものです。しかし、課題を見つけても解決策がなく、改善提案にならないものがあります。一つの課題を解決策が見つけるまで持ち続けると他に手が回らなくなります。

改善提案を増やすには、まず課題を見つけることに集中です。課題を沢山上げることを優先すべきです。沢山ある課題のうち解決策があるものから片付けるうちに、解決策を思いつく、解決例を他職場などから見つけることが結構あるものです。課題が明確であれば、解決策を外部に頼むこともできます。
また、見つけた課題は、できるだけ分解することが重要です。
例えば、「ある場所が汚い」という課題を見つけたとします。すると、前に挙げた例のように課題を分解するのです。
・汚れがたまりやすい床になっている
・汚れの原因は、外からの埃と機械からの油飛散
・掃除する人が決まっていない
・掃除道具が近くにない
・道具が不適切
分解しただけ改善提案ネタが増えます。また、課題を分解するほど、解決策も見つけやすくなります。

  

徹底的に他の職場を「パクる」

改善提案のネタは、他の職場や前例を参考にしてみることです。他の参考例から、課題を見つけることもできますが、課題解決策が役に立ちます。

年間200件も改善提案を出す私の職場にいたA君は、ネタ探しによく昔の改善提案書をめくっていました。自職場はもちろん他職場、日本能率協会などで紹介されている改善事例を見ていました。特許がないものであれば、積極的に模倣する、いわゆる「パクり」を推奨します。

また、他職場や他社の見学も大いに参考になります。その時は、自職場のパトロールをするときと同じく多様な視点ですることです

  

多くの人と職場の仕事を観察する

同じ職場に長くいると、不便が不便と感じなくなるものです。職場のパトロールも他職場の人が見て「変だな」と気づくことがあります。
ある時、リーダーが「新人研修用」にと金型交換作業の様子をスマホで動画撮影し持てきました。初めての「動画テキスト」ということで、課長をはじめ皆で見ました。
「これは、分かりやすい」
といって感心していたのですが、そのうちに職場のリーダー自身が、
「なんでこんな不安定な状態で作業をしているのか」
とポツリと一言発言。これをきっかけに
「この工程は、指が挟まれる恐れがあって危ない」
「工具は、まとめ横に置いていた方が、作業が速くなる」
などと意見がどっとでてきました。リーダーは、自身作業していて気づかないことが、動画にすることで見えてきたのです。また、他職場の人や上司が作業を観察することで、課題を発見できました。
それ以来、作業の状況を動画にして、皆でワイワイやりながら、改善提案のネタ探しに役だてています。



まとめ

改善提案数を増やすには、職場リーダーの「熱意」と改善提案活動の「習慣化」が重要です。その上で、改善提案を増やす4つのポイントがあります。
1)毎日視点を決めて、職場をパトロールする
その際は、以下の4つの着眼点に気を付ける。
 ① 整理・整頓・清掃(3S
 ②「より楽に」「より速く」
 ③「もしも○○だったら、どうなる?」
 ④「職場の担当者はどう思っている?」
2)課題を見つけることに集中する
3)徹底的に他の職場を「パクる」
4)多くの人と職場の仕事を観察する
これらのことで、低迷していた改善提案活動を活性化した実績があります。

参考記事:職場(工場)の「断捨離」(整理・整頓)を実施する上での5ステップ

日本の製造業の生産性向上には、経営の4つの課題解決が必要

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