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職場の改善・改革が進まないのは「行動しない人」がいるから

2021/09/13
 
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長年、大手鉄鋼会社及び関連企業、米国鉄鋼会社に勤務。仕事のテーマは、一貫して生産性の向上。生産部門、開発部門、管理部門、経営部門において活動。何事につけても「改革しよう」が、口癖。日本経営士会会員。 趣味:市民レベルのレガッタ、ゴルフ。

職場の改善・改革が進まないのは「行動しない人」がいるから

 

改善・改革が進まないのは、リーダーが「指示することの効果」に自信がないから

職場で改善・改革が進まないのは、計画があるのに行動できないリーダー、行動しないチーム員がいるからです。改善・改革で失敗するのは、実行したのに効果がなかったからでなく、計画が実行されなかったケースが大半です。

改善・改革の限らず職場には、直接業務以外のことは、「行動をしない」、「行動を変えない人」が多くいます。いや「行動しない人」、「行動を変えない人」の方が多数派と考えた方がいいほどです。

改善・改革を進めるには、リーダーが「行動しない人」を動かすことが必要です。リーダーが指示をしても、チーム員が行動しない理由があります。それは、

リーダーが「指示することの効果」に自信がない

からです。自信をもって、指示するには、以下の3点が大切です。
1)リーダーは、指示する改善・改革案の効果を理解する
2)チーム員に、指示する改善・改革案を十分説明する
3)リーダーは、「意味のないプライド」を捨てる

リーダーが、「指示することの効果」に自信があれば、「行動しない人」に強く指示できます。「いい人」「いいリーダー」であるとのプライドを捨てれば、失敗の怖さがなくなります。

「やってみて、効果が無ければ、別の方法に挑戦すればいい」

という気持ちをチーム全体に共有できれば、改善・改革は進みます。

これは、長年職場の改善・改革の指導をして得た教訓です。指示するリーダーにも、指示を受ける部下にも、「失敗したくない」「無駄なことはしたくない」との気持ちがあります。その結果、「行動しない人」になりがちです。「よく考えてから」「よく検討してから」行動しようとする「行動しない人」に対して、「人は、行動することで考えるようになる」と伝えたくてこの記事を書いています。

リーダーは、指示する改善・改革案の効果を理解すること

職場の労働生産性を上げるために、リーダーは改革案を立て実行しようとしたことがありました。改革には、実態調査が必要で全チーム員に就業時間データを取ってもらうことにしました。具体的には、チーム員が「何に」「どのくらい時間を使ったか」を15分単位で記録してもらいます。ところが、数か月たっても、チーム員はリーダーの指示通りに記録をとる行動していません。

「なぜ、記録がとれないのですか」
リーダーに質問しました。
「各担当の手間が、大変ですから」
そんな、答えが返ってきました。
「なぜ、記録を取っている人もいるのに、やらない人がいるのですか」
「いや、忙しい人もいまして...」
こんな風に「なぜ」「なぜ」とリーダーに質問を重ねていくと
「こんなことをやって、本当に職場の生産性が上がるのでしょうかね」
こんな本音がでてきました。このリーダーは、時間を記録することが、労働生産性の改革に繋がると、腑に落ちていなかったのです。
なぜ、時間の記録が改革につながるのか。他の職場で、時間の記録から改革につながった事例。事例職場とこの職場が、同じ条件であることを何時間も説明しました。

チームリーダーがチーム員に指示しても、リーダー本人が指示する行動の意味、効果を信じていなければ、チーム員は行動しません。特に、会社の指示でチーム員に行動を指示するとき、外部指導者のアドバイスで指示するときに、リーダーが指示内容の効果に確信を持てないことがあります。部下たちは、リーダーが指示に確信がないことをすぐ見抜きます。
「『絶対やれ』と言われれば、やりますよ」
リーダーを小バカにしたような部下の発言が、出てはいませんか。

チーム員に、指示する改善・改革案を十分説明する

チームリーダーが、部下に指示することの効果を説明することが大切です。
先ほどの例では、リーダーに対してさんざん時間記録の意義を説明し、本人が納得したあと
「その説明を『先生』から、部下に説明してもらえませんか」
「先生」とは、私のことですが、リーダーが自分の業務を放棄したような発言で、相当むかつきましたが、しかたなくチーム全員に同じことを説明。若いチーム員が、
「わかってないのは、班長だけですよ」
と言ったことが印象に残っています。この後、このチームの改革は進みはじめました。

リーダーは、「意味のないプライド」を捨てる

「行動できない人」は、「意味のないプライド」を持っています。「失敗したくない」「怒られたくない」「いい人に見られたい」等々です。「意味のないプライド」というのは、「失敗しても」「怒られても」「いい人と見られなくても」直接的な害がないことです。正にプライドが傷つくだけです。

先ほどの例で、
「わかってないのは、班長だけですよ」
と若手にいわれたリーダーは、幸い「意味のないプライド」を持っておらず、その後の活動はスムースでした。

リーダーが、部下に行動させることを、リーダーシップと呼びます。リーダーシップの源泉は、リーダーへの信頼です。直接業務ならリーダーの権威や権限で部下を行動させることができます。ところが、改善・改革にかかわることは、強権でチーム員は行動しません。リーダーへの信頼が重要です。

先ほどの例では、部下の「うちの班長は、『頭が切れる人」ではないが、笑われても平気な誠実な人」という信頼で、行動を開始しました。


第2版 リーダーシップ論

まとめ

改善・改革を進めるには、リーダーが「行動しない人」を動かすことが必要です。部下が行動しない理由は、
リーダーが「指示することの効果」に自信がない
からです。自信をもって、指示するには、以下の3点が大切です。
1)リーダーが、指示する改善・改革案の効果を理解する
2)チーム員に、指示する改善・改革案を十分説明する
3)リーダーは、「意味のないプライド」を捨てる
リーダーが、「指示することの効果」に自信があれば、「行動しない人」に強く指示できます。「いい人」「いいリーダー」であるとのプライドを捨てれば、失敗の怖さがなくなります。「やってみて、効果が無ければ、別の方法に挑戦すればいい」という気持ちをチーム全体で共有できれば、改善・改革は進みます。

参考記事:班長(=チームリーダー)が成果を上げる4つのマネジメントポイント

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長年、大手鉄鋼会社及び関連企業、米国鉄鋼会社に勤務。仕事のテーマは、一貫して生産性の向上。生産部門、開発部門、管理部門、経営部門において活動。何事につけても「改革しよう」が、口癖。日本経営士会会員。 趣味:市民レベルのレガッタ、ゴルフ。
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