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仕事で幸福感を得るには、マズローの自己実現欲求の上位から満たすこと

2022/11/22
 
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長年、大手鉄鋼会社及び関連企業、米国鉄鋼会社に勤務。仕事のテーマは、一貫して生産性の向上。生産部門、開発部門、管理部門、経営部門において活動。何事につけても「改革しよう」が、口癖。日本経営士会会員。 趣味:市民レベルのレガッタ、ゴルフ。

仕事で幸福感を得るには、マズローの自己実現欲求の上位から満たすこと

 

 幸福度と生産性

「日本の幸福度ランクは、労働生産性と共に主要国の中で最低レベル」

そんな統計が出ています。幸福度調査が欧米人の基準でなされていることもあるかもしれませんが、あまりに低い順位です。幸福度と仕事の生産性に関係があると「幸福学」では言われています。例えば、ニッセイ基礎研究所のリポートでは、図2のような関係が示されています。幸福度を上げることが、生産性を高め、企業業績を上げるといえます。

幸福度と生産性

Relationship between happiness and productivity

個人として幸福度を考えた時、社会的成功者や金持ちが、必ずしも「幸福」ではないことは、容易に想像がつきます。ところが、「仕事で成功すれば、結果として幸福が得られる」と考えがちです。実際多くの自己啓発本や成功本の氾濫を目にすると、そんな錯覚に陥ります。

自己啓発本や成功本は、仕事で成功することを目的として書かれたもので、「幸福」を得るために書かれたものではありません。幸福を得たければ、「幸福」を得る考え方や習慣を身に付け、実践していくことです。

心理学者であるヴィクトール・フランクルは、ユダヤ人として戦時中のアウシュビッツ収容所に収容されていた体験から、
「人は、どんなにキツイ状況にさらされても、それが意味のあることだと考えられれば、幸福でいられる」
と書いています。いつ死ぬかわからない状況の収容者達でさえ、気持ちの持ち方で幸福というか、平穏でいられる人がいると言います。つまり、幸福度を上げるには、やっていることに意味付けできるかどうかです。

マズローの自己実現理論というのが有名な説があります。人は、生理的欲求を満たした後、精神的な欲求が生れてくるという説です。しかし、これは必ずしも「幸福」を得るための順番ではありません。なんとなく、この階層の下位から欲求を満たすと「幸福」になれるように思いがちです。しかし、むしろマズローの自己実現段階の上位から実践することが「幸福」を得る早道ではないかと気付きました。

この記事では、マズローの自己実現理論の上位から実践すれば、幸福を得るのに早道であること紹介します。「幸福」とは、極めて主観的な感情なもので、明確に証明できるものではありませんが、「幸福」を得るための一考として読んでいただけたら幸いです。


夜と霧 ドイツ強制収容所の体験記録

幸福度を得る早道は、マズローの自己実現理論の上位から実践すること

マズローの自己実現論は、三角形の図として表されることが多いようです。マズローの展開する自己実現理論では、生物的に生き残りが実現し、社会的に認められ、自己実現、そして自分以外への欲求が生れるとしています。もちろん、生物として生きること、安全であることが基本ですが、日本人の置かれた状況では、このレベルはクリヤーしていると考えてもいいかと思います。

幸福の道筋 

マズローの自己実現理論では、5段階(もしくは6段階)のレベルが示されています。上位から自己超越欲求、自己実現欲求、承認欲求、社会的欲求へと続きます。この順で、欲求を満たすことが幸福度を高める早道です。

マズローは、自己超越欲求について、「貧困救済」とか「世界平和」といった大きな話をし、普通の人々の手が届かないレベルの欲求と解釈されています。しかし、仕事、生活の中で、「誰かの為」というのは、意識するかしないかは別として、普通に出くわしています。

子供の為に食事を作る、年老いた親を介護するから、お客様の為に仕事をするなどいくらでも「誰かの為」に行動している場面があります。
親から戦後の日本では、本人が食うや食わずでも、子供の為に食事させている親がいくらでもいて、それはそれで幸せな気分だったなんて言っています。(後から感想ではありますが)家族の為、彼や彼女の為に何かすることは、幸福の第一歩でもあり、最終の姿とは思えませんか。

自己実現欲求では、なにも芸術家や事業の成功者でなくとも、「好きなことができること」でも、自己実現欲求は、満たされます。好きなことが仕事であることが、自己実現欲求を大いに満足させます。

承認欲求では、世間で認められて、マスコミに出るというレベルもあれば、家族や上司に認められることで、満たされます。

このように、マズローの自己実現理論の上位から考えることで、普通の生活の中でも幸福感が得られることが想像できます。

 仕事で幸福感が満たされる例

ある中古車屋にA整備士がいます。今日も車が持ち込まれました。ちょっと古いベンツです。
「このベンツ、ちょっと匂いがする。オイル漏れがありそうだ。Aさん見てくれ」
そう社長は、頼みました。数時間後、様子を見に来た社長が驚きました
「こんなに分解して大丈夫か」
なんと整備士は、エンジンを車体から降ろしシール類やベルト類を交換していました。
「初めてベンツを分解してみましたが、国産車とはずいぶん違いますね。合う部品がないので、ガスケットを手作りしてます」
そして翌日、車は整備完了。
「よくやった。大変だったろう。これを直せるのお前だけだ」
Aさんは、社長にそう褒められました。
「社長、初めて分解したんですが、ベンツのエンジンは、国産と違い戸惑いました。けど、面白かったです」
その後、Aさんは、車を取りに来た笑顔の年配オーナーに整備内容を説明。
「お客さん。いい車ですね。これで、あと10万キロを走れますよ」
好きな機械いじりをやり、ドキドキしながら初めてベンツのエンジンを扱い、上司に認められ、お客様に喜んでもらえる。A整備士は、自己実現欲求の上位3つを満たしています。Aさんは、十分に幸福感を味わうことができました。

仕事で幸福度を上げる為にすること

例に上げたAさんは、上司である社長が「幸福感」を得やすい仕事のさせ方をしています。
1)機械いじりが好きなAさんに整備士をさせていること
2)初めての車種であるベンツをいじらせた「わくわく感」を持たせていること
3)整備完了後、Aさんの腕を褒め、認めていること
4)Aさんに、お客様へ整備内容を説明させ、お客様の満足を確認させていること
特に上司として、部下の力を認めること。直接お客様に接する機会を与えるいることが重要です。

なかなか部下を褒め、認めることをしない上司がいます。また、モノ作り現場や事務処理部門では、直接お客様に接して、満足や不満などを聞く機会が少ないのが現実です。お客様がモノやサービスを受け取った時の笑顔に直接見る機会をつくることができたらと思います。せめて「お客様が喜んでいた」との話は伝えることが重要です。

従業員が幸福度を上げ、業績をあげるためには、給与を上げたり、職場環境を整備したりするだけではありません。むしろ、「好きな仕事を担当する」「力を認める」「お客様への貢献を実感する」などソフト面での対策が、重要と考えます。

まとめ

マズローの自己実現理論の上位である、自己超越欲求、自己実現欲求、承認欲求から満たすようにすることが、幸福度を得る早道です。つまり、「誰かの為に」「自分のやりたいことをやり」「人に認められる」ようにすることが、働く人に幸福感を与えます。その結果、業績も上げることができるのではないでしょうか。

参考記事:「やる気」の出る職場は、従業員満足度ではなく、従業員幸福度を上げてつくる

 

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長年、大手鉄鋼会社及び関連企業、米国鉄鋼会社に勤務。仕事のテーマは、一貫して生産性の向上。生産部門、開発部門、管理部門、経営部門において活動。何事につけても「改革しよう」が、口癖。日本経営士会会員。 趣味:市民レベルのレガッタ、ゴルフ。
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