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「苦しい状況」になったら「最悪の事態」を想定して「最良の方法」を選択する

 
最悪を考えるバッターのイラスト
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長年、大手鉄鋼会社及び関連企業、米国鉄鋼会社に勤務。仕事のテーマは、一貫して生産性の向上。生産部門、開発部門、管理部門、経営部門において活動。何事につけても「改革しよう」が、口癖。日本経営士会会員。 趣味:市民レベルのレガッタ、ゴルフ。

「苦しい状況」になったら「最悪の事態」を想定して「最良の方法」を選択する

 

「苦しい状況」では、「最悪の事態」を想定し「最良の方法」を選択する

「ゴルフをプレーしていて、林の中に球を打ち込み、次はどうする」
「ノーアウト1、3塁のチャンス。次は調子のよくないバッター、どう攻めるのか」
「ここ数か月、売上が減り続けている。今後どうすべきか」
様々な場面で、我々は「苦しい状況」に追い込まれます。松山秀樹のようなゴルファーなら林の中でも「苦しい状況」とは感じないでしょう。ノーアウト1、3塁は、チャンスです。しかし、凡打が続いているバッターにとっては「苦しい状況」です。「苦しい状況」なのかどうかは、その人の持っている能力(ポテンシャル)によって受けとめ方が違います。売上が下がっても、会社の財務状況がよく商品に競争力があるなら「苦しい状況」ではありません。

「苦しい状況」に陥ったとき、どうすべきかの鍵は、
「最悪の事態」を想定して、「最良の方法」を選択する
ことです。これができないのは、以下の3つの理由があるかたです。
1)なぜ「苦しい状況」になっているか理解していない
2)「最悪の事態」を想定しない
3)「最良の方法」を選択する勇気がない
ゴルフや野球のプレーから仕事、会社経営など様々な場面で「苦しい状況」に追い込まれたとき、「最悪の事態」を想定することが大切です。日本を滅ぼした太平洋戦争、日本を混乱に陥れた震災とそれに続く原発事故も「苦しい状況」の中で、「最悪の事態」を想定することもなく、結果的に「最悪の事態」に陥った例です。
この記事では、様々な場面で、「苦しい状況」になったときの対処について考えます。

なぜ「苦しい状況」になっているか理解していない

「苦しい状況」は、人や組織の持っている能力によって感じ方が変わります。また、持っている目標によっても異なります。
① 人や組織の持っている能力により、「苦しく」なる
ノーアウト1、3塁は大チャンスです。調子のいいバッターなら一番「おいしい」場面です。ところが、調子の悪いバッターでは、
「内野ゴロでダブルプレーにならないか」
「三振するのではないか」
と悪いことをいろいろ考えて自分を「苦しい状況」に追い込んでしまいがちになります。

② 持っている目標によって「苦しさ」が異なる
林の中に球を打ち込んでも、プロはパー(規定打数)で上がろうとするから「苦しい状況」と感じます。ボギーでもWボギーでもいいと考えるなら「苦しい状況」ではありません。「ちょっと遠回り」するだけです。

大切なのは、「苦しい状況」に感じているのは脱出するための能力に自信がないのか、目標が高過ぎるのか、どちらかをであるかを見極めることです。能力的に無理をしなくてはならないことで苦しいなら、自分の能力にあった選択をすることです。目標に無理があるなら、目標を下げるか、変えることです。

 

「最悪の事態」を想定しない

最悪の事態を想定するには、勇気が必要です。日本人は、最悪の事態を想定することが苦手であると井沢元彦氏は言い切っています。
「最悪の状態」を想定し、何が最悪かを冷静に考えることです。
林の中に球を打ち込んで、最悪は、次の1打が木に当たるなどして場外にでる(OB)ことです。その次が、林を脱出できないことです。
ノーアウト1、3塁の最悪は、三振や内野フライです。ただアウトカウントが増えることが最悪です。Wプレーで1点入るのは、最悪ではありません。(元ロッテ里崎捕手の言葉)
太平洋戦争の「最悪の事態」は、日本本土が攻撃され占領されて国家がなくなることです。戦争が劣勢になってからもそんな「最悪の事態」を議論されることなく、ぼんやりと
「一矢報いて停戦」
という考えが軍や政府を支配していました。結果は、歴史が示す通りの敗戦です。負けを想定すること自体、タブー視されていました。
「最悪の事態」を想定し、これを口にするには勇気が必要です。経営計画などで、昨年より売上減を出すことが嫌で、計画が未達に終わることが分かっているのに、無理な計画を立てる経営者がいます。
「最悪の事態にならないようにすればいい」
といった考え方を集団として持ってしまうことがあります。
「他国に攻撃されたらどうするか」
「パンデミックで、感染者が100万人を超えたらどうするか」
「会社の資金が切れたらどうするか」
など「最悪の事態」を議論すると、
「そうならないようにすることが大切」
と「最悪の事態」の想定すること自体から逃げてしまう傾向が日本人にはあります。逃げすに、「最悪の事態」を議論し、本当の「最悪の事態」は何かを知っておくことです。


なぜ日本人は、最悪の事態を想定できないのか――新・言霊論(祥伝社新書289)
 

「最良の方法」を選択する勇気がない

「最悪の事態」と思っていることでも、最悪度には差があります。本当の最悪の事態を避けることが、「最良の選択」です。
林の中に打ち込んだ球を次にどうするか。本当の最悪の事態である、コース外にでること(OB)や、林の中に残ることを避けるのが「最良の選択」です。
ノーアウト1、3塁の最悪は、点が入らずアウトカウントが増えることです。だから、三振の内野フライを避けることが「最良の選択」です。
「最良の方法」も自分の持っている脱出能力との比較が必要です。林を抜けだすのに必要な空間の広さと自分の打球精度を比較して、「最良の方法」が決まります。高い確率で、「林を脱出できない」のであれば、別の安全ルートを探すべきでしょう。脱出できる確率が高いのであれば、挑戦すべきです。どちらの方法を選ぶにしても、「最良の方法」には、リスクがあります。リスクを取って選択するには、勇気が必要です。
「最良の方法」は、必ずしも当初の目標に対してではありません。ゴルフの例では、目標のスコアを落とすことになりますが、勇気をもって受け入れることです。なんとなくホールに近づくことを目標にして方法を選択すると、まさに最悪の結果が待っています。

方法の選択も目標の変更もそれに伴うリスクは、ゼロにはなりません。リスクのある中で目標を定め、方法を選択するには、「勇気」が必要です。



まとめ

「苦しい状況」になったら「最悪の事態」を想定して、「最良の方法」を選択することです。これができない3つの理由があります。
1)なぜ「苦しい状況」になっているか理解していない
2)「最悪の事態」を想定しない
3)「最良の方法」を選択する勇気がない
ゴルフや野球のプレーから仕事、会社経営など様々な場面において「苦しい状況」に追い込まれたとき、「最悪の事態」を想定し、「最良の方法」を選択する「勇気」があれば、そこから脱出できます。

参考記事:会社の「改革」を進める3つのポイントは、「危機意識」「短期成果」「企業文化」

いちいち注意されることは、「重箱の隅をつつく」なのか?「氷山の一角」なのか?

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長年、大手鉄鋼会社及び関連企業、米国鉄鋼会社に勤務。仕事のテーマは、一貫して生産性の向上。生産部門、開発部門、管理部門、経営部門において活動。何事につけても「改革しよう」が、口癖。日本経営士会会員。 趣味:市民レベルのレガッタ、ゴルフ。
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