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アイデアや提案を通すために内容以外に必要な3つのポイント

 
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長年、大手鉄鋼会社及び関連企業、米国鉄鋼会社に勤務。仕事のテーマは、一貫して生産性の向上。生産部門、開発部門、管理部門、経営部門において活動。何事につけても「改革しよう」が、口癖。日本経営士会会員。 趣味:市民レベルのレガッタ、ゴルフ。

アイデアや提案を通すために内容以外に必要な3つのポイント

 

アイデアや提案を通すために必要な3つのポイント

「上司に企画案を認めてもらう」
「商品名やキャッチフレーズの公募を勝ち抜く」
こんな風に自分のアイデアや提案を上司や選定会議で認めてもらいたい場面があります。
勿論、アイデアや提案内容が優れていることは必須ですが、それだけでは通すことはできません。提案する方からみると、内容の良さや完成度の高さをアピールしたくなりますが、相手(判断する側)からみると、異なる要素も少なからず判断に影響を与えています。
例えば、内容は同じようでも、プレゼンの良し悪しで提案が通ったり通らなかったりします。また、
「その提案を通すことで、上司である自分の公平性が疑われないか」
といったこと、内容の良い提案でもYesがでないことがあります。
アイデアや提案を通すために必要な3つのポイントがあります。
1)その提案は、相手が理解できるか
2)提案を通す「理由」が相手にあるか
3)提案を通したとき、相手が「説明」が出来るか
これらに注意した提案は、上司やお客様など評価する側を動かし易いものです。
この記事は、評価する側である上司や顧客としての経験に基づいた視点から書いたものです。

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その提案は、相手が理解できるか

提案書、提案のプレゼンを受けて困惑するのが、内容が理解できないことです。理解できなくとも
「あいつの提案だから『Yes』と言おう」
なんで太っ腹の人は、かつてオーナー社長など結構おられましたが、今の時代は絶滅したのではないでしょうか。上司にしろ、営業相手のお客さまでも、理解できないことに「Yes」とは言えないものです。
どんなプレゼンの教科書やネット記事にもあるように、相手に提案を受け入れてもらえるためには、相手が理解できる言葉、論理展開、比喩などを用いることです。

提案の背景ばかり説明する例

提案を受けていて、閉口するのは、提案の内容ではなく、背景ばかりを説明されることです。
例えば、保険の提案をするのに、日本の少子高齢化、平均寿命の延び、物価の高騰、災害の多発、認知症の増加、AIの普及など延々と説明されるようなことです。
「この保険は、ネットで手続きできるAIを活用した総合タイプ。だから掛金が安くできます。」
説明の核心は、これだけです。提案する側も受ける側もどれだけ時間の節約になったかと思います。

比喩をうまく使うこと

比喩は、理解しにくいものを似たような事例をあげることで一気に理解してもらえます。
「導入する在庫管理システムは、コンビニの仕組みと同じようなものです」
「速くて、良質で、安いこのサービスは、業界の吉野家を目指しています」
といったフレーズだけで、サービスのイメージが伝わります。誰も知っていて「便利と思うこと」「うまく行っていること」などを比喩として挙げることが有効です。

提案を通す「理由」が相手にあるか

提案を通す、顧客が提案を受けて買うのは、「理由」があるからです。
「理由」とは、その提案が相手の「欲しているもの」ということです。お客様が買う理由は、
1)課題を解決してくれるか、
2)特別の体験をさせてくれるか、
です。同様に、上司が部下の企画提案を通すのは、
1)上司の抱えている問題を解決してくれるか、
2)面白い(特別な体験)と思える、
からです。
顧客が買うか買わないか、上司が提案にYesを出すか出さないかの「理由」は、沢山ありそうですが、大抵この2つに集約できます。
上司に提案するとき
「こんな効果があります」
だけでなく、
「この案が実現すると面白いことがおきますよ」
といった提案のし方もあります。そもそも革新的なアイデアや企画は、うまくいくかどうかわからないものです。効果なんて保証することなどできません。ただ、「面白いことが起きるかも知れない」ことは確かです。実際に、
「有能な方であれば、あるほど『面白い』に興味を持ってもらえるものです」
とプレゼンに付け加えて、無茶な企画を上司に認めさせた経験があります。

提案を通したとき、相手が「説明」ができるか

アイデアや企画を提案されたとき、相手はYesと判断した「説明」が必要です。この「説明」は、判断した「理由」と同じこともあれば、異なることもあります。
例えば、同じような提案内容であったとき、「個人的な好みに合っている」「身内の人の提案」で決めたとして、これを外部に「説明」できません。不正なことをしていなくても、「疑われることはしたくない」という意識が、判断する側にあるものです。相手が、提案を通したとき、堂々と「説明」できるものを用意することが重要です。
例えば、長年他社と取引のあった顧客に、今度は自社との取引に切り替えてもらうにあたり、他社との比較表を出すといったことです。この際、価格や契約条件は、他社もこちらに合わせることが出来ますので、あまり有効ではありません。会社の規模、技術の違い、仕組みの違いなど、他社が出来ないこと(自社の差別化ポイント)を中心に、相手がオフィシャルに「説明」できるネタを提供することが大切です。
商品名やロゴ、キャラクターの募集作品の審査をしたことがあります。沢山の応募作品から選ぶにあたっては、作品の「意味付け」が重視されます。ロゴやキャラクターであれば、その形や配色が、ご当地の何かを表しているといったことです。選ぶ方に芸術的センスが必ずしもあるとは言えず、審査結果の「説明」が公明正大であることを重視することになります。全国にいるご当地キャラクターを眺めると、「かわいい」というより、「意味付け」が先行した着ぐるみが多いことが分かります。

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まとめ

アイデアや提案を通すためには、内容が優れていることは必須ですが、それだけでは不十分です。アイデアや提案を通すために必要な3つのポイントがあります。
1)その提案は、相手が理解できるか
2)提案を通す「理由」が相手にあるか
3)提案を通したとき、相手が「説明」が出来るか
これらに注意した提案は、上司やお客様など評価する側を動かし易いものです。

参考記事:顧客が欲しい商品の「問題解決」と「特別な体験」という2つの商品価値

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長年、大手鉄鋼会社及び関連企業、米国鉄鋼会社に勤務。仕事のテーマは、一貫して生産性の向上。生産部門、開発部門、管理部門、経営部門において活動。何事につけても「改革しよう」が、口癖。日本経営士会会員。 趣味:市民レベルのレガッタ、ゴルフ。
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