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仕事やスポーツで成功するには、「やり方」と「あり方」をバランス良く高めること

 
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長年、大手鉄鋼会社及び関連企業、米国鉄鋼会社に勤務。仕事のテーマは、一貫して生産性の向上。生産部門、開発部門、管理部門、経営部門において活動。何事につけても「改革しよう」が、口癖。日本経営士会会員。 趣味:市民レベルのレガッタ、ゴルフ。

仕事やスポーツで成功するには、「やり方」と「あり方」をバランス良く高めること

 

「やり方」と「あり方」をバランス良く高めることが成功への道

「見逃し三振でベンチに戻ってくる選手」
「3ボールから、フルスイングの空振り3回で三振」
そんな選手に対して、故野村克也監督は、
「根拠のある三振なら、選手を責めることはない」
と言っていました。逆に、
「なんとなく振った」
ことに対して、
「結果がヒットであろうと三振であろうと、評価しない」
と語っていました。
野村氏は、選手の「あり方」を重視していたことが分かります。ヒットになるか、三振するかの技術、言い換えると「やり方」と同等、いやそれ以上に「あり方」を重視した考え方ももち、選手を指導していました。
将来伸びていく選手は、高いレベルの「あり方」を持っています。いくら技術という「やり方」を持っていても、バッターボックス内で、「どの球を狙うか」「狙った球が来なかったらどうするか」「狙ったけど凡打しても後悔しない」といった選手としての「あり方」を持っていなければ、成長がなく結果を残し続けることはできないと野村氏は考えていたようです。野村氏は、ひたすら選手として、人間として「どうあるべきか」を指導していました。
「やり方」と「あり方」は、野球などスポーツに限らず、仕事や生きていく上での、重要な2つの要素です。
この「やり方」(Doing)と「あり方」(Being)は、異なる意味を持っています。以下は、その違いです。
1)「やり方」Doing(ドゥーイング)
「やり方」は、行動や実際の活動です。仕事においては、何をしているか、どう取り組んでいるかです。「やり方」の良し悪しは、仕事の成果や効率、生産性に直接繋がります。これは、その人のスキルや能力に当たります。
2)「あり方」Being(ビーイング)
「あり方」 は、存在や存在感、特徴を指します。自分が何者であるか、どのような価値観や信念を持っているか、自己認識やアイデンティティに関連したもので、その人の世界観を表しています。仕事においての「あり方」は、仕事の中でどのように振る舞うか、どんな価値観や目標で仕事をし、他の人とどう関わるかといったことです。
要するに「あり方」は、自分の存在や性格に焦点を当て、自分がどんな人間であるか。一方、「やり方」は、行動や実績に焦点を当て、技量や成果に関連したものです。大切なのは、両方をバランスよく持つことであり、このことが成功に繋がります。とかく目先の利益を優先して、「やり方」である技量や成果に注目が行きます。
自分の「あり方」、企業としての「あり方」を高いレベルで確立することには、大きなメリットがあります。
1)高いレベルの「あり方」は、人を成長させる
2)「あり方」が良いと「共感」を得る
3)企業としての「あり方」は、ブランドになる
仕事の技量があるかどうか、カネがあるかどうかといった「やり方」と、どんな世界観で仕事をしているかという「あり方」をバランス良く持っていることが、成功の鍵を握っています。

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高いレベルの「あり方」は、人を成長させる

高いレベルで「あり方」を持っていると、個人的な成長や学習に良い影響を与えます。
「自分は、こうでありたい」
「チームとしてこうありたい」
という気持ちや行動が、成長の原動力になります。また、リーダーシップとしての力を伸ばすことができます。
スポーツで、良い成績を上げようと猛練習をします。ところが、技術向上や体力強化といった「やり方」ばかりの練習は、どこかで限界がくるものです。練習で素晴らしパフォーマンスを発揮する選手が、本番の試合で思うようにプレーできない姿は、アマチュアのレベルから、プロのレベルまで見られます。これを乗り越えるためには、「あり方」が、必須です。
相撲の世界では、強くなるためには「心技体」が必要と言われます。パワーが中心の今の大相撲でも、力士の「あり方」である「心」が1番目の要素となっています。二所ノ関親方(元横綱・稀勢の里)が、NHKの「大相撲どすこい研」( 2023年9月9日放送)という番組の中で、面白いことを語っていました。出演者からの
「相撲の立ち合いで、真っ向からぶつからず逃げてしまうのはなぜですか?」
という質問に、
「魔が差すんですよね」
と親方は答えていました。
「正面から当たるべきなのは分かっていても、体が逃げてしまうことがある」
と言います。そして、
「立ち合いには、相撲に取り組む姿勢や覚悟、普段の考え方の全てが出る」(一部要約)
と語っていました。どんな立ち合いをするか決めていて、いざその場になって「弱気が出て逃げる」(魔が差す)のは、その力士の「あり方」に隙があるからという趣旨でした。

「あり方」が良いと「共感」を得る

職場や周囲に「手伝ってあげたくなる人」がいませんか。職場で、失敗しながらも「成長しよう」「誰か役にたとう」という気持ちが分かる人に対して、手伝ってあげたくなります。これは、その人の「こうなりたい」という「あり方」に共感するからでしょう。
相手の気持ちに「共感」した支援は、損得抜きです。支援する側も共感する「あり方」を持っているからです。
成功しているNGOは、その「あり方」を示すことで、「共感」する人を集め成り立っています。
重要なことは、「あり方」が向上すると、他の人が「共感」すると同時に、他人の感情や経験に共感する能力が高まることです。自分の「あり方」と他人の「あり方」を比較する中で、他人の状況や立場を理解し、共感することができるようになります。そもそも、自分の「あり方」に向き合っていると、他人との表面的な差ではなく、「あり方」の差を比較するようになります。何か活動を始めた時、
「奴の心意気が気に入って協力することにした」
と申しでてくれる人がいます。自分の「あり方」と相手の「あり方」に共通点を見つけ、共感しての言葉です。

企業としての「あり方」は、ブランドになる

企業としての「あり方」を明確にすることは、企業ブランドの形成に重要です。
自社がどんな会社でありたいかをお客様のみならず、従業員や株主といった全てのステークホルダーに明らかにすることで、会社の価値が高まります。
個々の商品がブランドとして評価された上に、それら提供している企業の「あり方」が示すことで「納得」「共感」といった気持ちをステークホルダーに抱かせます。
「○○を通して、心躍るような素晴らしい体験を届ける」
「2か月で、お客様の人生を変える」
成功している企業には、こんな「あり方」というべき世界観があります。企業の「あり方」は、「ビジョン」(なりたい姿)と「ミッション」(やるべきこと)からできています。この2つがそろって、企業ブランドが形成されていきます。

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まとめ

仕事やスポーツで成功するには、「やり方」と「あり方」をバランス良く高めること。
「あり方」は、自分の存在や性格に焦点を当てどんな人間であるかを示しています。一方、「やり方」は行動や実績に焦点を当て、技量や成果に関するものです。
自分の「あり方」、企業としての「あり方」を確立すると、いくつかのメリットがあります。
1)高いレベルの「あり方」は、人を成長させる
2)「あり方」が良いと「共感」を得る
3)企業としての「あり方」は、ブランドになる
仕事の技量があるかどうか、カネがあるかどうかといった「やり方」と、どんな世界観で仕事をしているかという「あり方」をバランス良く持つことが、成功の鍵を握っています。

参考記事:部下を励ますときの3つのポイントは、「タイミング」「共感」「ものは考えよう」

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長年、大手鉄鋼会社及び関連企業、米国鉄鋼会社に勤務。仕事のテーマは、一貫して生産性の向上。生産部門、開発部門、管理部門、経営部門において活動。何事につけても「改革しよう」が、口癖。日本経営士会会員。 趣味:市民レベルのレガッタ、ゴルフ。
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