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職場の人間関係や雰囲気を悪くする上司の「保身」と「嫉妬心」

 
信頼がない上司と部下の関係のイラスト
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長年、大手鉄鋼会社及び関連企業、米国鉄鋼会社に勤務。仕事のテーマは、一貫して生産性の向上。生産部門、開発部門、管理部門、経営部門において活動。何事につけても「改革しよう」が、口癖。日本経営士会会員。 趣味:市民レベルのレガッタ、ゴルフ。

職場の人間関係や雰囲気を悪くする上司の「保身」と「嫉妬心」

 

職場の人間関係や雰囲気を悪くする上司の「保身」と「嫉妬心」

「部長や役員の前で、『いい格好』をしたがる課長」
「重箱の隅をつつくような指摘をする部長」
こんな上司のいる職場は、人間関係や雰囲気が悪く、勘弁して欲しいと思いたくなります。(私の個人的体験ですが。)
職場の不満について調べた調査があります。㈱ビズヒッツによる、「職場の不満に関する意識調査」によれば、不満のランキング1位は、「人間関係や職場雰囲気」となっています。(働く男女500人対象、調査期間:2022年8月22日~27日)
ちなみに、結果は、
1位 人間関係、雰囲気が悪い 147
2位 収入が少ない 85人
3位 労働時間・休日への不満 63人
4位 職場の環境・設備が悪い 30人
5位 仕事量・内容が不公平 29
6
位 正当に評価されない 27
などとなっています。
職場の人間関係、雰囲気が悪くなる原因は、様々あります。注目したいのは、部長や課長など中間管理職の心理です。中でも、「保身」「嫉妬心」からと思われる言動は、職場の雰囲気や人間関係を悪化させます。職場で問題となるパワハラ、セクハラも深く調べていくと「保身」であったり「嫉妬心」であったりするケースがあります。
ある職場において、パワハラで部下から訴えられた課長は、常習的に高圧な言葉で仕事を強要していました。
「この仕事を終わるまで、帰るな!」
「お前は、いつも中途半端な仕事しかできないのか!」
この課長は、こんな発言を繰り返していました。委員会で詳しく調査すると、この課長は一見豪放に見えて実は「気の弱い」ところがあることが分かりました。その後、本人の気持ちの深層には、
「課長として成果を上げなければ、幹部から見限られる。」
という不安、言い換えると「保身」の気持ちが強くあり、結果として部下に無理を強いていたと結論づけた調査報告書が出されました。
中間管理職の気持ちは、職場の人間関係や雰囲気に大きな影響を与えます。その中でも、
1)「保身」
2)「嫉妬心」
の二つは、職場に悪い影響を及ぼし易いものです。「保身」と「嫉妬心」は、何も職場に限らず人間関係が悪くなる主な原因になります。友人関係、男女関係などの人間関係のトラブルを思い起こせば、原因の多くをこの2つで説明できることがわかるはずです。
この記事では、職場のおける人間関係に強く影響を及ぼす中間管理職の「保身」と「嫉妬心」について考えます。
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上司の「保身」が及ぼす影響

保身(Self-Preservationとは、「自分の地位や名誉、安全などを守ること」です。自分の責任を果たさず、身の「保身」ばかりを優先するような人に対して使われることが多く、ネガティブなイメージが強い言葉です。
職場において、中間管理職が「保身」を優先するような言動をすると、職場の雰囲気はたちまち悪くなります。その影響のいくつかを挙げます。
1)信頼感の低下
上司が、自分の「保身」によって発言や行動をしていると部下が考えるようになると、互いの信頼感が失われます。上司である中間管理職が、仕事を指示しても部下が、
「これは、上司の『保身』からきた指示」
と考えるようになります。上司が、何を指示しても「疑い」が伴う状況では、前向きな気持ちで仕事をすることは無理です。
2)協力とチームワークの妨げ
保身の欲求が強い人上司は、他の部署の管理職と協力をしない。自分の権限を委譲することをためらうといった傾向が現れます。情報を共有したり、アイデアを提案したりすることを避け、自分の地位や評判を守ろうとします。これにより、チームの効率性が低下し、対立が生じる可能性があります。
3)組織全体への悪影響
 複数の中間管理職が保身のために行動すると、組織全体に深刻な影響を及ぼす可能性があります。情報の流れが滞り、イノベーションが抑制され、組織の目標達成が困難になります。卑近な例ですが、最近(‘23年9月)のビッグモーターの内情を伝える報道を見聞きすると、各社員が社長や幹部の叱責を恐れ、お客様より、自らの「保身」を優先して、会社全体が異常な行動をしていたことが分かります。

 

上司の「嫉妬心」が及ぼす影響

嫉妬心(Jealousyとは、自分よりも優れていると感じる人に対して妬みや嫉みといった感情を抱くことです。ただし、嫉妬するには条件があります。それは、相手が自分より格下ということです。格下と思っている相手が、自分よりも優れたものをもっていると思うから、嫉妬が起こるのです。同期の社員が先に昇格したり、羨ましいようなパートナーを見つけたりすると「嫉妬心」が生まれます。しかし、大谷翔平選手やイーロン・マスクのような雲の上の存在には、嫉妬しません。
職場において、中間管理職が「嫉妬心」を持った言動するときに生じる悪影響の例を挙げてみます。
1)生産性の低下
嫉妬心は個人やチームの効率性を低下させる可能性があります。嫉妬心からくる競争心は、時として協力心を上回り、他部署や部下との協力を嫌い、全体として生産性を低下させることが懸念されます。
2)コミュニケーションの悪化
 上司が、伸びてきた部下や同期の管理職に「嫉妬心」を抱くようになると、コミュニケーションを避ける傾向がでてきます。例えば、情報の囲い込みなどです。これにより、情報の共有や意見交換が制限され、チームの連携が妨げられます。
3)モラルの低下
 嫉妬心はしばしば不正行為や道徳的な問題を引き起こす要因となります。他の人が成功すると、それを邪魔する行為をすることがあります。情報の隠蔽、不必要な反対行動など、いわゆる「足を引っ張る」言動が出る可能性があります。

松下幸之助の言葉に、
「嫉妬心は狐色に程よく妬くべし」
というのがあります。(松下幸之助.comから)
「嫉妬心」は、向上心に繋がるエネルギーになり得ますが、ほどほどにという教訓です。

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まとめ

中間管理職の気持ちは、職場の人間関係や雰囲気に大きな影響を与えます。その中でも、
1)「保身」
2)「嫉妬心」
の二つは、悪い影響を及ぼし易いものです。「保身」と「嫉妬心」は、何も職場に限らず人間関係が悪くなる主な原因になります。

参考記事:「朝令暮改」は、信頼のあるなしで良くも悪くもなる。ネット社会では「朝令暮改」でも遅い?

「影響力」がある人が共通に持っている「信頼」の重要性

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