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「積極的に動かない部下」を励ます「ペップトーク」の使い方

 
ペップトークするセコンドのイラスト
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長年、大手鉄鋼会社及び関連企業、米国鉄鋼会社に勤務。仕事のテーマは、一貫して生産性の向上。生産部門、開発部門、管理部門、経営部門において活動。何事につけても「改革しよう」が、口癖。日本経営士会会員。 趣味:市民レベルのレガッタ、ゴルフ。

「積極的に動かない部下」を励ます「ペップトーク」の使い方

 

部下を励ます一言が「ペップトーク」

「自分から積極的に動かない部下」
こんな社員が会社には溢れています。指示されたことはやるけど、自分から積極的に動こうとしない部下。よく「指示待ち」などと言われる社員です。上司からみれば、
「実力があるのになぜそれを発揮しないのか?」
「自分がその当事者であるとの意識をなぜ持たないのだ?」
そんなイライラを持ってしまいがちです。この気持ちをそのまま言葉にして部下にぶつけたらどうなるでしょう。敏感に反応するのは、一部のこれまでも積極的に動いてきた実績のある社員ぐらいです。多くは
「そう言われても自分にそんな力がないし・・・」
「自分が先頭に立ってやるのは怖いし・・・」
などと心の中で言い訳をして、上司の言葉は、むなしくスルーされてしまいます。そんな社員(部下)を奮い立たせる一言が「ペップトーク」と呼ばれる短いスピーチです。よくスポーツを扱った映画で、大一番前のロッカールームで緊張している選手達に向かって監督が
「これまで我々は、どんなチームよりも練習してきた。どこよりもスタミナがある。最後まで動き続ければ勝利が待っている!」
なんて言っている、あの言葉です。(これは、2019年ワールドカップ・ラグビー日本代表のヘッドコーチの言葉を要約しています。)
「ペップトーク」は、米国のスポーツ界から生まれた選手を励ます言葉で、今では「励ます技術」として確立されています。ペップ(pep)とは英語で「元気・活気」という意味です。(参考記事:日本ペップトーク普及協会「ペップトークとは」)
ペップトークを使えば、個人やチームに活気を与えることができます。ただし、ペップトークとして有効性を発揮させるには、いくつかのポイントがあります。
1)ペップトークの4つのステップを知る
2)モチベーションを上げる3つの承認を使う
3)ペップトークは、「承認してアドバイス」の順でする
ペップトークは、リーダーがスポーツに限らず、会社においても部下を奮い立たせることが出来ます。ペップトークでチームを活気づけ、チームの成績を上げることが期待できます。
この記事は、占部正尚著「部下のやる気を引き出すワンフレーズの言葉がけ」(日本実業出版)を参考にしています。


部下のやる気を引き出すワンフレーズの言葉がけ ペップトークで不安を消す・励ます・元気づける

ペップトークの4つのステップ

ペップトークには、4つのステップがあります。
1)事実の受け入れ(受容)
2)とらえかた変換(承認):「肯定的にとらえる」
3)してほしい変換(行動):「肯定形での言葉」
4)背中のひと押し(激励)
先ほど挙げたラグビーコーチの言葉にあてはめてみます。
「我々は、どんなチームより練習してきた」(事実)
「(だから)どんなチームよりスタミナがある」(承認)
「最後まで動き回れ」(行動)
「勝利が待っている!」(激励)
短いフレーズですが、この4つをすべて含んでいます。短く、わかりやすく、相手の心に火をつける言葉を選ぶことが大切です。

モチベーションが上がる3つの承認

部下を励ますとき「今あるものでベストをつくす」との心理にさせることが大切です。事実を受け入れ、肯定的にとらえることです。肯定的にとらえること、つまり承認することで、部下は能力を発揮しやすい状態になります。
「何やってんだ!こうしろ!」
と言われるより、
「いいぞ!それに、これをやるともっとよくなる!」
と言われる方が、部下はやる気を出します。
承認する言葉は、3つあります。
1)存在承認
「いつもありがとう」と存在そのものを認めるもの
2)行動承認
「よくやってるな」などと、現在行っていることに対して価値を認める言葉
3)結果承認
「頑張ったな」と、過去の行動に対してその価値を認めること
この3つの承認からペップトークに進むことが、モチベーションを下げずにアドバイスを受け入れさせるコツです。

ペップトークは、「承認してアドバイス」の順

相手に対して心に響く励ましの言葉は、順番が大切です。まず相手を承認してから、不足している部分のアドバイスをすることです。いきなり
「こうしろ!」
とアドバイスをすると、相手は欠点を強く指摘されているように感じて、拒絶反応が先に来ます。
「自分から行動をしない」部下は、行動したときの失敗を恐れているか、仕事に興味がないことが考えられます。こんな部下には、これまでの部下を承認することからです。
「これまで、無理を承知で頼んだことをうまく対応してくれたね。君の実力は、他の○○さんも認めていたよ」
とか、仕事に興味を持っていないようなら
「君は、なくてはならない存在だよ」
そんな承認の言葉からスタートです。そして、
「君が動いてくれれば、皆も協力するよ」
そんな安心感を与え、
「自分から○○することで、皆も喜ぶよ」
と結んで背中を押してみてください。
ペップトークには、パターンがありますが、絶対的な法則はありません。「承認してアドバイス」する順で、リーダーから様々な言葉で発信し続けることです。何度も言葉をかけるうちに、相手の心を動かすキーワードが見つかるものです。

まとめ

ペップトークを使えば、個人やチームに活気を与えることができます。ペップトークを有効に働かせるには、3つのポイントがあります。
1)ペップトークの4つのステップを知る
2)モチベーションが上がる3つの承認を使う
3)ペップトークは、「承認してアドバイス」の順でする
リーダーは、ペップトークで部下を奮い立たせることが出来ます。ペップトークでチームを活気づけ、チーム成績を上げることが期待できます。

参考記事:自分から「行動しない」「報告しない」受け身な部下への指導方法

リーダーが、部下の目標を一緒に立てるときに注意すべき3つのポイント

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長年、大手鉄鋼会社及び関連企業、米国鉄鋼会社に勤務。仕事のテーマは、一貫して生産性の向上。生産部門、開発部門、管理部門、経営部門において活動。何事につけても「改革しよう」が、口癖。日本経営士会会員。 趣味:市民レベルのレガッタ、ゴルフ。
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