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「意味のないルールは守らない」、人が「ルールを守らない」4つの理由とその対策

 
ルールを守らいない人のイラスト
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長年、大手鉄鋼会社及び関連企業、米国鉄鋼会社に勤務。仕事のテーマは、一貫して生産性の向上。生産部門、開発部門、管理部門、経営部門において活動。何事につけても「改革しよう」が、口癖。日本経営士会会員。 趣味:市民レベルのレガッタ、ゴルフ。

「意味のないルールは守らない」、人が「ルールを守らない」4つの理由とその対策

 

人が「ルールを守らない」4つの理由とその対策

「山頂で、『ゴミは持ち帰りましょう』と書いた看板の前に散乱するゴミ」
「『毎日就業記録をつける』ルールがあってもやらない社員」
社会や職場、家庭には、様々なルールが存在します。そして、こんな風にルールを守らない人々がいます。正確には、同じ人でもルールを「守れないとき」「破るとき」があります。組織を守る立場の人からみると、「ルールを守らない」ことは、とても厄介なことです。組織があり、ルールがある以上、避けて通れない問題です。(だから、犯罪学があります。)
社会には憲法を頂点とする法律、会社には業務規程やマニュアルなどのルールがあります。家庭にもルールがあります。また、ルールには、成文化されているものと、されていない慣習もあります。
ルールとは、組織の秩序を守り、行動に規範を与えるものです。そして、構成員の「認識を合わせるため」に必要なものです。人の価値観や思考はそれぞれ異なります。人が集まれば、そこには必ず認識のずれが発生します。ルールによって、その認識のずれを最小化させる役目があります。
人がルールを守るというのは、組織を守るということです。組織の管理者にとっては、
「ルールを守らせる」ことが、権力そのものということもできます。しかし、人々を暴力や脅しでルールを守らせることは難しいものです。人々の「ルールを守らない」理由を明らかにし、適切に対処していくことが大切です。
人々が「ルールを守らない」のには、4つの理由があります。
1)ルールがあることを知らない
2)「意味のないルール」と思っている
3)ルールを破っても見逃される
4)実態に合っていないルール
これらを認識し対処することで、「ルールを守る風土」ができることが期待されます。「ルールを守らない風土」が組織内に広がると組織は崩壊します。かつて日本中の学校で起こった「学級崩壊」は、「ルールを守らないこと」が日常化した姿でした。
「ルールを守る」前提として、ルールが「正しい」ということが必要です。科学的に正しくないことを押し付けるルールや「平等」の観点からみて怪しいルールもあります。この記事では、存在するルールをなぜ守れないか、どうしたら守れるかについて考えます。


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ルールがあることを知らない

ルールを守れない以前に、「ルールがあることを知らない」ということがあります。新入社員や異動してきた社員は、そもそも職場のルールを知らないのですから、守りようがありません。
職場に入ってきた社員に対して、一通り仕事の手順を教えたら、
「後はOJTということで、仕事をしながら覚えてください」
という職場がよくあります。ところが、仕事を始めると、忙しさに紛れて、マニュアルを読むこともなく過ごすことになります。いやマニュアルとしてのルールの存在すら知らないということさえおきます。せめて、
「この件は、決まりがあり、マニュアルを読んでおくこと」
といったことは伝えたいところです。
ルールを規程やマニュアルにして、社員に周知徹底することは重要です。ルールを明文化し、誰もが確認できる状態にすることです。ルールが文書化され、誰もが閲覧できるwebサービスに掲載するなど、いつでも簡単にアクセスできる環境が必要です。最近は、動画にてルールを紹介をしている企業もあり、社員の理解度を上げています。

 

「意味のないルール」と思っている

ルールを知っているのに、それを破る人には、「不正のトライアングル」と言われるものが働いています。「不正のトライアングル」とは、人が不正(ルール違反)をする時、「動機」「機会」「正当化」という3つの要素がそろった状態になるということです。
例えば、歩行者が赤信号を無視して道を横断するときは、こんな状態です。
1)動機:「急いでいる」
2)機会;「誰も見ていない」
3)正当化:「車がきていない」、「他の人もやっている」

不正のトライアングルの図

このうち、「正当化」は、自分勝手な基準で作られます。決められたルールそのものに疑問を持っていると、
「こんなルール意味がない」
という気持ちが強く、平然とルール破りが起きます。
例えば、自販機の横の回収箱から空き缶が溢れていても、
「片づけるのは、飲料業者の責任」
と考えていれば、あえて自分で何かをすることもなく空き缶を傍に放置します。
業務日誌を付けることをルールとしている職場でも、
「日誌を付けても意味がない」
と心のどこかで思っていれば、「忙しかった」「忘れていた」などと都合のいい理由を見つけてルールを破ります。
ルールを守ってもらうには、ルールの中に「なぜ、そのルールがあるのか」という制定理由が必要です。マニュアルや規程に制定理由や経緯を記載しておくことが重要です。そして、ルールを教えるとき、「守るべきこと」と合わせて「なぜ守らなくてはいけないか」を事例と合わせて示すことです。
「なぜ守らなくてはいけないか」を明確に示したマニュアルを作成していくと、「曖昧な」ルールが少なくなっていきます。
「整理整頓」を推奨したルールで、
「整理整頓は、工具や材料を素早く取り出し、素早く収納し、生産性の向上を図るために行う」
と決めた現場チームがありました。班長が、新人の指導に当たって決めたルールです。更にその班長は、
「工具の取り出し/収納は10秒以内」
とまで決めていました。「整理整頓」という漠然としたルールも、ここまで具体化すると、ルールに疑問を持つ社員はいなくなりました。

ルールを破っても見逃される

「ルールを破っても指摘されない」ならば、ルールは次第に形骸化します。道路の制限速度を忠実に守って運転すれば、後ろに渋滞ができます。「制限速度プラス15キロぐらいまでなら警察に捕まることはない」と誰しも思い、制限速度のルールは形骸化しています。事実、警察もこの程度なら許容範囲として見逃しているようです。道路の速度違反自動取締機も
「どうやら今は、使っていない」
となると、誰もその下で減速しません。設置が始まった頃は、多くの車が制限速度まで原則していたのですが。
同様に企業内で上司がルールを破った社員を見逃すと、組織としての秩序が保てなくなります。
「ルールを破る社員に対して、『奴は毎回注意しても無駄』」
「営業成績抜群のAさんは、少々残業時間がオーバーしてしかたない」
などと、上司がルール違反を「見て見ぬふり」をすると、「ルールを守らない風土」として職場船体に広がります。
「他の人が、ルールを破っても注意されないなら、この程度のルール違反は許容される」
「成績さえあげれば、何も言われない」
こんな風潮が、職場に広がるのは怖いことです。
行動心理学に「割れ窓理論」というのがあります。これは、建物の窓が壊れているのを放置すると、誰も注意を払っていないという象徴となり、他の窓もまもなくすべて壊されてしまう傾向が高いという事実から、反対に「割れた窓をすぐに修理すれば、他の窓が割られる確率は低くなる」という説を唱えた理論です。実際に1990年代のニューヨークでルドルフ・ジュリアーニ市長が、荒廃した町の立て直しに実践して成果を上げたことで知られています。
「どんな軽微な犯罪も徹底的に取り締まることによって、凶悪犯罪を含めた犯罪全体を抑止することができる」という考え方です。この理論に従えば、
「ルール違反は、その都度指摘する」
という姿勢が大切になります。
実際に職場でこの姿勢を貫くと、周囲から
「あの人は、『重箱の隅をつついてばかり』」
と敬遠される覚悟がいるかも知れません。そこで必要なのが、ルールの大義名分です。
「私が、うるさく指摘するのは、社員の安全を考えているから」
などとルール違反を指摘するたびに、理由や自分の信念を付け加えることです。もし、注意することが、「上司の保身のため」「上司個人の利益のため」などと社員に見透かされたら、ルールを守るというモラルは崩壊します。うわべだけで、
「君の為に注意している」
といったところで、「本当に自分の為に注意してくれている」などと思えるのは、普段からよほど信頼関係ができている社員だけです。むしろ、
「これを注意するのは、私の上司としての信念である」
と繰り返し、「あの上司は、時間に厳しい」「整理整頓に執念を燃やしている」と思われることです。

 

実態に合っていないルール

時と共に環境が変化し、ルールが職場の実態とズレ、ルールを守れないことがあります。社内の規程や標準といった公式ルールは、定期的な見直しが義務付けられています。例えば、ISOを取得している職場では、少なくとも3年毎に規程を見直し、変更がなくても更新しなくてはなりません。そんな厳格な規程があっても、更新を怠りISO監査で指摘をうけることがあります。
ルールが実態に合わなくなる根本的理由は、社員の作業が規程などルールに対して忠実に仕事をしていないことがあります。
「ルールを変えなければ、仕事のやり方を変えない」
といった考え方がなければ、ルールと実態がすぐに乖離してしまします。鉄道や航空など、安全が優先される仕事では、ルールを決めてから実行することが徹底されています。(勿論、ルールが確立されるまでの間、仮ルールで運用という期間がありますが。)
実際に仕事や生活をする中で、ルールと実態のとの差に気付いた時点で、素早くルールの見直しをすることが大切です。もし、ルールがすぐに変更できなければ、ルールの変更ができるまで、今のやり方を継続する覚悟が必要です。これが、「お役所仕事」と言われる融通の利かない仕事のし方の原点です。「お役所仕事」になるかどうかは、ルールを素早く見直せるかどうかです。
規程などのルールを作る人と実際に仕事をする人が分離していると、ルールの変更に迅速性を欠くことになります。「自分で決めて、自分で守る」という精神が必要です。自分で決めことは、守らざるを得ない心理も生むことにもなります。

まとめ

人々が、「ルールを守れない」のには、4つの理由があります。
1)ルールがあることを知らない
2)「意味のないルール」と思っている
3)ルールを破っても見逃される
4)実態に合っていないルール
これらを認識して対処することで、「ルールを守る風土」ができ健全な組織運営ができることが期待できます。

参考記事:「都合の悪いとき」につくウソの4つのパターンとコンプライアンス違反の例

「融通が利かない」日本人。融通を利かす人、組織になるための3つのポイント

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