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理想のリーダーは、万能選手ではなく、自分のスタイルを確立している人

 
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長年、大手鉄鋼会社及び関連企業、米国鉄鋼会社に勤務。仕事のテーマは、一貫して生産性の向上。生産部門、開発部門、管理部門、経営部門において活動。何事につけても「改革しよう」が、口癖。日本経営士会会員。 趣味:市民レベルのレガッタ、ゴルフ。

理想のリーダーは、万能選手ではなく、自分のスタイルを確立している人

 

理想のリーダーは、自分のスタイルを確立している人

「理想のリーダーとは?」
「理想の上司は、○○監督のような人」
毎年、新入社員に対して「理想の上司」を問うアンケート調査が発表されます。(明治安田生命「理想の上司アンケート」(2022年))スポーツで実績のある人やヒーローやヒロインを演じたタレントが選ばれています。また、経営に関する本や雑誌では、「理想のリーダー」としてよく歴史上の人物が取り上げられています。これらは、人気投票のようなもので、時代によりタイプが変化しています。高度成長期には豊臣秀吉、安定期には徳川家康、閉塞感漂う近年は織田信長が人気といった具合です。人気投票の「理想の上司」は、すべてうまく行きそうですが、実際の上司と部下関係において、「理想の上司」像が上司と部下で違うと深刻な問題を引き起こしかねません。それは、相互に不信感を生む原因になるからです。
そもそも「理想のリーダー(上司)」は、人によって異なるものです。経営者なら、「任せた部署の成績を上げてくれる人」でしょう。また、部下の理想は、「具体的な指示をしてくれる人」のこともあれば、「部下にすべてを任せてくれる人」のこともあります。同じリーダーをみて、「決断力のあるカリスマ型」とみるか、「なんでも一人で決める独裁型」と見るか評価が全く異なることもあります。つまり「理想のリーダー像」は、人の考え方、立場で異なるものです。

一方、「嫌なリーダー像」は、よく似ています。㈱ビズヒッツの「嫌いな上司のアンケート調査」(2022年)によれば、表のようになります。

嫌いな上司

Disliked boss ranking

この表をみていると、「信頼のない」ことが、リーダー(上司)として嫌われる共通点であることが判ります。上司に叱られたとき、部下が「指導」と感じるか、「パワハラ」と感じるかの違いは、信頼の有る無しによります。
私の考える「理想のリーダー」は、
「自分のスタイルを持った信頼される人」
です。カリスマ的なリーダーには、憧れはありますが、皆がなれるものではありません。むしろ、自分を「カリスマ的」と勘違いすると悲劇が待っています。
自分のスタイルを持ったリーダーになり、結果として信頼されるには、3つのポイントがあります。
1)自分が「できること」を見つける
2)リーダーのスタイルをチームで共有する
3)圧力負けない勇気を持つ
リーダーは、必ずしもすべての能力を持っている必要はありません。むしろ、不足した能力を補うようなリーダーシップ発揮の仕方を確立することです。これが、リーダーのスタイルです。

 

自分が、「できること」を見つける

リーダーシップに関する本やネット記事では、「分析力」「決断力」「対応力」「交渉力」「企画力」「発想力」「実行力」・・・と、とにかく「○○力」が必要であることが強調されています。そして、「○○力を付ける」研修なども開催されています。これらをすべてそろえれば、万能なリーダーになれるでしょう。しかし、これらすべてを持っている人は、まずいません。努力しても、すべてで万能なリーダーになるのは無理です。これら「○○力」は、スキルです。習得する努力は必要ですが、素質や環境などで、すべてを手に入れることはできないと考えるべきです。体調を崩してまで、自分にないモノを身に着けようとすることは馬鹿げています。
リーダーに必要なことは、自分にあるスキル、自分にないスキル、身に着けられるスキルを明確にすることです。その上で、それらのスキルを使って自分のスタイルを確立することです。スキルは、うまい下手があります。ナンバーワンが存在します。スタイルは、オンリーワンを目指すものです。
例えば、高いコンピュータースキルがなくても、このスキルを持つ人を使えればいいのです。決断力がなくても、決断の選択肢を部下に並べさせることはできます。要は、リーダーがどんなスタイルであるか、周囲に認識してもらうことです。
世の中には、「カリスマ」と言われる経営者やスポーツ監督がいます。確かに大きな実績がリーダーとしての能力の高さを証明しています。しかし、そんな人たちを調べると「○○力」と言われるすべてのスキルがそろっているわけではありません。むしろ、何かにこだわりをもったリーダーのスタイルが見えてきます。誰しもがやみくもにスキルを求めてカリスマ的リーダーを目指さず、自分の個性ともいえるスタイルを確立することをお勧めします。

 

リーダーのスタイルをチームで共有する

リーダーが自分のスタイルを見つけたら、それをチームで共有することです。リーダーが常に指示を出すスタイルであれば、その部下達は指示を待つようになります。「忠実にリーダーの指示を実行する」チームスタイルが出来ます。相談調整型のリーダーと部下が認識すれば、予想されるリーダーの問いかけに対する答えを準備するようになります。つまり、リーダーのスタイルがチームのスタイルに変わります。
ところが、ある時はリーダーが独断型、ある時は相談型や丸投げ型であると部下達は混乱し、チームとしてのスタイルを作ることができません。
若いころある部長の下で仕事をしていました。この部長は、いるも同じパターンで指示します。言うことも大体同じ。若手の間では、
「『良く見たか』しか言わないワンパターン上司」
とバカにしていたところがありました。しかし、自分が上司の立場になってみて初めてその意味が分かりました。つまり、かつての部長が口癖のようにいっていた
「良く見たか」
は、「とにかく現場の実態を良くみて対策を立てろ」ということでした。部長をちょっとバカにしていましたが、そのチームは間違いなく「現場第一主義」で観察を重視するチームスタイルを持っていました。
実行がコロコロ変わる柔軟性が、リーダーのスタイルの場合もあるかも知れません。それであれば、それを貫き通すことで、チームのスタイルになり、成果をあげることができます。

 

圧力負けない勇気を持つ

リーダーには、様々な圧力がかかります。周囲の期待、チームの成績が上がらないときのさまざまな圧力、部下の不満などなどです。特に「結果がでないのは、やり方が悪い」といった周囲の不満は、リーダーにとって大きな圧力(プレシャー)となります。
特に経営者や株主などリーダーを外す権限をもった人からの圧力は、耐え難いものです。しかし、その圧力に負けない勇気をもって自分のスタイルを貫くことが重要です。時には「頑固者」と揶揄される覚悟も必要です。スタイルを貫き、結果が出てくれば、「信頼」が生まれ、「理想のリーダー」に近づけるはずです。
かつて会社の経営陣の一人として、結果の出ない職場の若いリーダーAさんに対して、やり方を批判し修正を求めたことがありました。その時、Aさんは、
「私のやり方をご説明することが出来ていませんでした。」
そう言って、仕事のやり方や考え方を詳しく説明してくれました。その時、気づいたことがありました。それは、仕事を実際にみることなく、業務成績や他部署の噂から、Aさんを評価をしていたことです。
それ以来、リーダーに対して、
「実際に接している人以外の批判や不満は、噂に過ぎない。信じたことを実行しなさい」
と言っています。噂で批判する圧力は、プロ野球ファンが、各選手の技術やコンデションを知らないのに、監督気分で
「○○投手を使え」
「○○外野手の打順を4番にしろ」
と言っているようなもの、「気にするな」と励ましています。


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まとめ

「理想のリーダー」とは、
「自分のスタイルを持った信頼される人」
自分のスタイルを持ったリーダーになり、結果として信頼されるには、
1)自分が「できること」を見つける
2)リーダーのスタイルをチームで共有する
3)圧力負けない勇気を持つ
リーダーは、必ずしもすべての能力を持っている必要はなく、不足した能力を補いながらリーダーシップ発揮の仕方を確立すること。これが、リーダーのスタイルである。

参考記事:「理想の上司」とは、「部下を成長させ幸福にしてくれる人」のこと

リーダー育成は、部下に「面白い仕事」「やりがいのある仕事」を任せることから

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長年、大手鉄鋼会社及び関連企業、米国鉄鋼会社に勤務。仕事のテーマは、一貫して生産性の向上。生産部門、開発部門、管理部門、経営部門において活動。何事につけても「改革しよう」が、口癖。日本経営士会会員。 趣味:市民レベルのレガッタ、ゴルフ。
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