「なりたい姿」に向かって変えていく「改革志向」の意見満載

仕事や生活において「制約」を喜んで受け入れると創造的発想が広がる

 
制約を考える人のイラスト
記事一覧

この記事を書いている人 - WRITER -
長年、大手鉄鋼会社及び関連企業、米国鉄鋼会社に勤務。仕事のテーマは、一貫して生産性の向上。生産部門、開発部門、管理部門、経営部門において活動。何事につけても「改革しよう」が、口癖。日本経営士会会員。 趣味:市民レベルのレガッタ、ゴルフ。

仕事や生活において「制約」を喜んで受け入れると創造的発想が広がる

 

「制約」は、創造的発想の源泉

「コロナ禍で外出制限」
「子供の世話に制約された仕事時間」
「カネがない! 人がいない!」
私たちは、仕事や生活する上で、様々な「制約」を受けながら活動しています。とかく「制約」が自分だけに課せられたハンデキャップに感じられ、置かれた環境を恨んでしまいがちです。しかし、一方で「制約」が、創造的発想の源泉にもなります。革新の引き金になります。コロナ禍で出勤や出張が「制約」されたことで、リモート会議、リモートワークが一気に拡大しました。人手不足という「制約」が、ロボットの活躍の場を広げる要因の1つになっています。
有名な工業デザイナーであるチャールズ・イームスは、「制約は喜んで受け入れるもの」と言っています。彼は、椅子でも建物でもデザインするとき、「制約」が明確であるほど、ユニークな仕事ができると考えていました。
仕事や生活でも同様に「制約」を活かすことができます。あるいは、自分から「制約」を作ることで成果を上げることも可能です。
「制約」を活かすには、3つのステップがあります。
1)「制約」をリストアップする
2)「制約」の内容を知る
3)受け入れた「制約」への対策を考え実行する
仕事や生活は、すべて「制約」の中で行われます。他の人もなんらかの「制約」を受けています。「制約」を自分だけに課せられた重荷に感じ、思考が止まらないようにすることが大切です。C・イームスのように「喜んで制約を受け入れる」ことで、これを克服し活かすことができます。

「制約」をリストアップする

仕事や生活の中で、「制約」と感じていることをリストアップしてみることです。例えば、営業職で売り上げを上げたいと思っている人にとっては、「商品に魅力がない」、「訪問販売する時間がない」、「宣伝広告のカネがない」等々でしょうか。リストアップするときの注意点は、漠然と「制約」とせず、分解してみることです。例えば、カネの「制約」では、自分で「使えるカネ」に制約があるのか、会社にカネがないのが制約なのか、金融機関がカネを貸してくれないための制約なのか、具体的に「制約」をリストアップしてみることが大切です。

「制約」の内容を知る

「制約」には、
1)法的制約
2)慣習や思い込みの制約
3)物理的・時間的制約
などがあります。「制約」の内容を知らずして、対策の立てようがありません。

法的「制約」

法律や社内規定などは、成文化している法的「制約」は、じっくり読み込むことです。スポーツなどでは、ルールを知らないで損をすることがあります。労働時間に関すること、、契約に関することなど、漠然と「制約」があると思わず、何が「制約」を受けるのか確認することです。また、特許や著作権なども同様に知っておく必要があります。

慣習や思い込みによる「制約」

社内や生活において、習慣や思い込みが「制約」となっているものがあります。「男は家事をしない。」「上司や先輩より早く帰りにくい」などは、慣習や思い込みの「制約」です。
歌舞伎役者の初代中村仲蔵は、山賊のような姿で演じられていた『仮名手本忠臣蔵』五段目の斧定九郎を現行の姿(黒羽二重に献上博多帯)にして評判となり、地位を得ました。仲蔵が演じる前は、定九朗は乱暴で汚い山賊のイメージが定着しており、誰も注目しない、役者が演じたくない役でした。仲蔵は、それが慣習としての定九朗だと気づきます。そんな定九朗役の「制約」を破ったのが、中村仲蔵でした。この話、講談や落語になっています。また、最近NHKでもドラマ化されています。

物理的・時間的「制約」

日本という国は、隣国として問題があっても中国からも韓国から地理的に離れられません。物理的に「制約」を受けているのです。年齢や人口構成も時間的「制約」があり、急に変えることは不可能です。
野球等のスポーツで、本人の基礎体力を無視したフォームでの投球や打撃技術を教えても効果がないばかりか、体の故障を招くだけです。技術の前に体力を付けさせるか、その選手の体力を「制約」事項として、これに合った技術を身に着けさせることが大切になります。
物理的、時間的制約は、喜んで受け入れる「制約」です。地形を考えた建物、年齢にあった体力づくりなど「制約」が、創造性を生み出す源泉になります。



受け入れた「制約」への対策を考え実行する

「制約」を受け入れたら対策を考え実行します。
制約への対策は、2つの方向があります。

1)「制約」を利用する
傾斜地という「制約」をうまく利用した名建築が各地にあります。フランク・ロイド・ライトの設計したペンシルバニア州にある滝の上に立つ「落水荘」は有名です。芦屋の傾斜地にも彼の設計した住宅(現在のヨドコウ迎賓館)があります。いずれも「制約」が創造性の源泉になっている素晴らしい建物です。
「制約」と見える弱みは、逆から見ると強みとなることがよくあります。多忙で仕事を早く終わらせなければならない「制約」があるときほど、集中して仕事が進み、早く片付くことがよくあります。仕事のノウハウを書いた本やネット記事の多くは、「制約」をどう克服するかで、「制約を利用する」方法を伝授しているようなものです。

2)「制約」を回避する
「制約」を利用すると並んで回避する対策があります。「制約」を使わず(使えず)回避する方法です。金融機関からカネを調達できなければ、クラウドファンディングという方法があります。技術がなければ、外部から技術を導入することなどです。
パラリンピックで活躍する選手達は、身体的な「制約」があることを受け入れ、これを回避して活躍します。片手で泳ぐ選手は、片手でもまっすぐ進む手の使い方をしています。同じ片手でも、上半身を傾けて真っすぐ進んでいる選手もいました。それぞれ、「制約」を自分なりに回避する手段をもっています。パラリンピックの水泳を見ていると、「制約」の回避競争とも解釈できるような感覚がしました。

まとめ

「制約」が、創造的発想の源泉、革新の引き金になります。「制約」を活かすには、3つのステップがあります。
1)「制約」をリストアップする
2)「制約」の内容を知る
3)受け入れた「制約」への対策を考え実行する
仕事や生活は、すべて「制約」の中で行われます。「制約」を自分だけの重荷と考えず、「喜んで制約を受け入れること」で、これを克服し活かすことができます。

参考記事:仕事を溜めてしまいがちな人にお勧め、仕事を速くする「仕事を受ける時」のコツ

経営戦略作成に必要な自社の「強み」「弱み」を見つける4つの方法

この記事を書いている人 - WRITER -
長年、大手鉄鋼会社及び関連企業、米国鉄鋼会社に勤務。仕事のテーマは、一貫して生産性の向上。生産部門、開発部門、管理部門、経営部門において活動。何事につけても「改革しよう」が、口癖。日本経営士会会員。 趣味:市民レベルのレガッタ、ゴルフ。
スポンサーリンク




スポンサーリンク




Copyright© 改革志向のおっさんブログ , 2022 All Rights Reserved.