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業務の進捗管理を円滑に進めるための「コミュニケーション計画」の立て方

 
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長年、大手鉄鋼会社及び関連企業、米国鉄鋼会社に勤務。仕事のテーマは、一貫して生産性の向上。生産部門、開発部門、管理部門、経営部門において活動。何事につけても「改革しよう」が、口癖。日本経営士会会員。 趣味:市民レベルのレガッタ、ゴルフ。

業務の進捗管理を円滑に進めるための「コミュニケーション計画」の立て方

 

「コミュニケーション計画」の必要性とは?

「メールを送ったが、相手は翌日まで見ていなかった」
「問題が発生していたのに、連絡が来ていなかった」
日常の業務、プロジェクトの遂行において、進捗の管理はリーダーの大きな仕事です。ところが、コミュニケーションがうまくとれておらず、リーダーが状況を把握できていないことや、メンバーで情報が共有できていないと適切な処置ができません。コミュニケーションの必要性を説く言葉に「報連相」があり、その重要性が指摘されています。しかし、実際に「報連相」について、どうするかかが問題です。どんなタイミングで、誰と、どんな方法で「報連相」するのか、つまりコミュニケーションをするかです。

先の例は、職場でよくある話です。メールを送ったのに、相手は現場にいてメールを見ていない。問題が発生しているのに、当事者は「連絡不要」と判断し他に知らせなかった例です。
コミュニケーションに関わる問題の多くは、コミュニケーションルールが関係者で明確に決められていないことから起きます。このルールこそが、「コミュニケーション計画」です。
「コミュニケーション計画」に入れるべきものを上げます。
1)通常の連絡方法
2)定例の業務進捗報告
3)トラブルが発生した場合の報告相手と報告手段
4)進捗管理者の役目
「計画」と言っても普段の業務では、関係者の間でルールが共有できていれば十分です。コミュニケーションの問題は、
「報告が来ない」
「報告する必要がないと思った」
「聞かれたら答えればいいと考えた」
といった「相手依存」の考え方が根底にあります。「コミュニケーション計画」を立て、「報連相」をルール化することで、リーダーの進捗管理がスムーズになります。


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通常の連絡方法のルール化

連絡方法のルール化とは、業務の指示・確認など通常の連絡手段をメンバーで決めておくことです。特にメンバーがリモートワークであったり、社外にいたりすると、迅速なコミュニケーションが行えません。以下、直接会話ができない場合の連絡方法に注意点を紹介します。

① メールの場合はどのアドレスを使うか決めておく
社内の場合、会社から貸与されたPC、メールアドレスが暗黙の内に通常の連絡方法になっているでしょう。ところが、社外の人が入ると混乱します。メールアドレスを複数持っていることが多く、どのアドレスに送るか。また、教えられたメールアドレスがスマホで、大きなファイルが送れない。ファイルを開くソフトが入っていないなどの問題も生じます。

② 伝達の確認をする方法
相手に確実に情報が伝わったかの確認が必要な場合があります。電話での連絡は、その点確実です。メールでもLineでも既読の確認はできますが、単に情報を開いただけの場合もあります。どうしても情報伝達の確認が必要な場合、「返信」をルール化する必要があります。

③ 情報の共有化方法
返信を必要とせず、情報を共有する方法です。メールのグループ送信などが主に使われます。ただし、大量にメールを送受信する人は、見ない可能性があります。ルールなどの連絡には、イントラネットに掲載する方法があります。ただし、メンバーの目に触れにくいことを補う別途連絡が必要になることが多いようです。
グループの連絡にLineを活用する方法があります。少人数でプロジェクトを組んでいる場合などは、連絡をLineのグループを作っておくと意識せずとも情報の共有化ができて便利です。

 

定例の業務進捗報告

業務の進捗を確認するために毎日、毎週、毎月など定例でコミュニケーションの場を設けられていることが多いようです。朝礼や各種月例会議などがこれに当たります。最近は、リモートが活用されることも多くなっています。
定例の会議で問題になり易いのは、内容がマンネリ化し形骸化することです。また、コミュニケーションが一方通行になりがちなことです。下手をすると報告すること自体が、仕事になってしまうことです。

リーダーの役目として、定例のコミュニケーションでは、情報のやり取りや双方になるようにすべきです。報告を受ける人が、報告に無反応であったり、報告内容と無関係な意見を出したりすれば、報告する側が意欲をなくします。

 

トラブルが発生した場合の報告相手と報告手段

事故やお客様のクレームなど、トラブルが発生したときどうするかを決めておくことも重要です。報告が遅れるのは、当事者が
「これは、上司にすぐに報告すべきかどうか」
と迷うことにあります。また、一度電話してつながらないと
「電話してつながらなかったので」
と言い訳のネタにされてしまいます。明確にルール化し、電話して繋がらなかったら、「ショートメールを入れる」等の代替え案を作成しておくことです。
ルールを作る際のポイントです。
① どんな状況で報告するか。
労働災害、クレームなど

② 誰に報告するか
誰にどの範囲で報告するかです。程度により差をつけることもあります。労働災害で、死亡事故なら社長まで、不休災害なら部長までといった具合です。

③ 報告手段
緊急時、電話、メールなど方法をあらかじめ決めておくことです。その際、相手に伝ったことを確認する人と情報共有でいい人との区別が必要です。相手に伝わったことが確認する必要な情報は、電話か既読確認のできるメール、Lineが有効です。
情報共有の目的で「ショットガンメール」と称して、トラブル発生時に一斉にメール配信する仕組みを作った経験があります。

 

進捗管理者の役目

チームの進捗管理者は、通常リーダーが担います。大きな組織やプロジェクトでは、進捗のフォローを専門にする人を置くこともあります。リーダーや進捗フォロー専門の担当者は、業務の担当者と異なり、進捗の全体感を掴むことができます。
「コミュニケーション計画」において、業務担当者の報告義務の他に、進捗管理者の責務を記載しておくと抜けなく進捗フォローができます。

コミュニケーション計画の例

Example of communication plan

まとめ

コミュニケーションに関わる問題の多くは、コミュニケーションルールが関係者で明確に決められていないことから起きます。このルールが、「コミュニケーション計画」です。
「コミュニケーション計画」に入れるべきものは、
1)通常の連絡方法
2)定例の業務進捗報告
3)トラブルが発生した場合の報告相手と報告手段
4)進捗管理者の役目
「コミュニケーション計画」を立て、「報連相」をルール化することで、進捗管理がスムーズにできます。

参考記事:リーダーと部下との間のコミュニケーションを改善する5つのポイント

「報連相」がうまくいかないのは、「仕組み」になっていないから

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長年、大手鉄鋼会社及び関連企業、米国鉄鋼会社に勤務。仕事のテーマは、一貫して生産性の向上。生産部門、開発部門、管理部門、経営部門において活動。何事につけても「改革しよう」が、口癖。日本経営士会会員。 趣味:市民レベルのレガッタ、ゴルフ。
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