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中間管理職に「改革が必要」との危機意識が生まれない3つの理由

 
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長年、大手鉄鋼会社及び関連企業、米国鉄鋼会社に勤務。仕事のテーマは、一貫して生産性の向上。生産部門、開発部門、管理部門、経営部門において活動。何事につけても「改革しよう」が、口癖。日本経営士会会員。 趣味:市民レベルのレガッタ、ゴルフ。

中間管理職に「改革が必要」との危機意識が生まれない3つの理由

 

危機感がなく、改革に動かない「そこそこ」の部門の中間管理職

部下に指示を出したら、
「検討します」「調整して」「次回までに…」
思わず
「何を悠長なことを言っているんだ!」
こう中間管理職に叫んだ社長がいました。経営者や組織リーダーの重要な仕事は、自社・自部署の問題を見つけて改革していくことです。これを担っているのが、部課長など中間管理職と言われる人たちです。その層が活性化しないと会社は改革できません。社長など経営幹部が気合をいれて、収益拡大などを狙った改革を進めようとしても、成果があがりません。それは、多くの中間管理職が、
「自部門・自部署は、改革と関係ない」
と思っているからです。危機意識が生まれないのには、3つの理由があります。
1)「自部門は、そこそやっている」と思っている
2)部門間に「相互不可侵条約」がある
3)仕事の実態が見えていない
これらの状況が重なって、危機感がなく改革に向かって動かない中間管理職が出来上がります。これは、社員全員にとって不幸なことです。中間管理職の無策が、やがて会社の危機を招きます。
この記事は、会社で長く経営に携わった経験をもとに反省を込めて書いています。

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「自部門は、そこそやっている」と思っている

企業における改革で、抜けがでやすいのが、「そこそこ」やっている部門です。毎年、その事業や商品は、少し黒字。数年に1度は、赤字になるが、また回復する。そんな、「可もなく不可もない」事業や商品は、改革が後回しになります。いや、そもそも改革の対象とならないことが多いものです。
赤字部門(商品)は、会社幹部もその部門も改革の必要性を強く意識します。危機感、いや危機であることを実感しています。その部門を担当する中間管理職や従業員も白旗を上げ、覚悟ができています。改革を進めるしかありません。
ところが、「そこそこ」やっている部門では、危機感が生まれにくいものです。改革の必要性など微塵も感じない中間管理職がいます。投入された人材など経営資源と得られた利益をみれば、すぐその非効率さがわかります。忙しさの割には、儲からないという事実を見て、おそらく「生活習慣病にかかっている」との自覚を中間管理職はします。しかし、自覚があっても「改革をしなければならない」という危機感には繋がらないのも事実です。こんな部門に限って、売り上げ増を狙っての設備増強や要員増をしたがります。生活習慣病に対して「何かしなければ」との不安があるからで、この手の計画が出てきます。
経営幹部も「そこそこ」やっている部門については、関心が薄く実態がわからないままに計画を認めてしまうことが多いものです。それが、治療薬ではなく症状緩和に過ぎないことがやがてわかります。これは、私自身の反省から得た教訓です。

部門間に「相互不可侵条約」がある

各部門、部署を集めた会議において、他の部門や商品に問題があると気づいても、あまり意見が出ない会社が多いようです。特に日本では。まるで、「相互不可侵条約」があるかの如くで、「自部門に対して意見を言うな、その代わり他部門に対しては意見を言わない」との原理が働いています。
会議などで、他部門のことを話すには、
「他部門をよく知っている必要がある」
「他部門を批判すると、逆襲が怖い」
といった感情が働き、口を閉ざしがちです。こんな時、大勢の人の前のコミュニケーションではなく、個別に話をすることをお勧めします。
「自部門についてどう思う」
「そちらの部門に課題が多いのでは」
そんな会話が有効です。中間管理職同士がネットワークを作って協力すると力になります。日本の年功序列による昇格には問題がありますが、一方で同じ中間管理職に同期、同世代多くいることで、「相互不可侵条約」の壁が壊し易いメリットがあります。

 仕事の実態が見えていない

組織の人数が多くなると個人がどんな仕事をしているか見えにくくなります。ましてやPCに向かっての仕事、リモートワークが多くなると少人数であっても個人の仕事は見えにくくなります。会社の幹部、中間管理職は、自分の出身部署の仕事を理解していてもそれ以外は、案外知らないものです。その部門の売上や利益が「そこそこ」なら危機感を抱きません。たまに部下から「問題提起」があっても全体感として「そこそこ」うまくいっているとの先入観があると中間管理職は動かないものです。

中間管理職は、自部門の仕事の実態を意識して見るようにすべきです。多くのカリスマ経営者が現場好きなことは、よく知られています。現場を歩く、まとめデータだけでなく元データに触れるなど仕事の実態を知れば、危機感が生まれ、改革をすべきとの気になるものです。


マンガなぜ会社は変われないのか 立志篇

まとめ

社長など経営幹部が改革を進めようとしても、中間管理職が、
「自部門、自部署は、改革と関係ない」
と思っていると成果が上がりません。中間管理職に改革の意識が生まれないのには、3つの理由があります。
1)「自部門は、そこそやっている」と思っている
2)部門間に「相互不可侵条約」がある
3)仕事の実態が見えていない
これらを打ち消すことで、中間管理職に危機意識が生まれ改革が進みます。

参考記事:会社の「改革」を進める3つのポイントは、「危機意識」「短期成果」「企業文化」

業務改革・改善が何度も失敗する理由は、その会社の過去(歴史)をみれば分かる

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長年、大手鉄鋼会社及び関連企業、米国鉄鋼会社に勤務。仕事のテーマは、一貫して生産性の向上。生産部門、開発部門、管理部門、経営部門において活動。何事につけても「改革しよう」が、口癖。日本経営士会会員。 趣味:市民レベルのレガッタ、ゴルフ。
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