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どんな人材を採用したいのか、曖昧な日本企業の実態。企業の重視する採用基準

2021/09/18
 
企業が採用時に重視する点のイラスト
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長年、大手鉄鋼会社及び関連企業、米国鉄鋼会社に勤務。仕事のテーマは、一貫して生産性の向上。生産部門、開発部門、管理部門、経営部門において活動。何事につけても「改革しよう」が、口癖。日本経営士会会員。 趣味:市民レベルのレガッタ、ゴルフ。

どんな人材を採用したいのか、曖昧な日本企業の実態。企業の重視する採用基準

 

どんな人材を採用したいのか、曖昧な日本企業。企業の重視する採用基準

企業は、どんな人材を求めているのか。これについて、日本経済団体連合会のまとめた2018 年度 新卒採用に関するアンケート調査結果」があります。この調査によれば、選考にあたって特に重視した点は、10年以上にわたって「コミュニケーション能力」が1位です。2位が「主体性」、以下「チェレンジ精神」「協調性」「誠実性」が続きます。これらの基準は、客観的に評価しにくいものです。日本の採用スタイルが、面接重視になっているのは、こんな選考思想があるからです。

採用において重視する点

Expected candidate abilities at the time of employment

もともと定期一括採用が主流の日本企業では、即戦力を求めるより、年功序列制を維持することが前提なっています。採用側の「良い採用計画」には、現状を維持発展させる人員構成が意識されています。多くの企業では、退職者の補充、会社発展に必要な人数、従業員の年齢層バランスを考慮して決めています。もちろん、それに景気動向が加わります。(本ブログ「日本企業の新卒採用者数の決め方の実態と問題を参照)多くの企業は、実態として、まず採用予定数を決め、どんな人を採用したいかは、その次ということになります。せいぜい事務系か技術系かの区別はしている程度です。

人数確保が先ですから、人材としては、どんな仕事も従順にこなしてくれそうな人を選ぶことになります。アンケートにある「自主性」「チャレンジ精神」と言っても、「会社がサポートしなくても勝手に勉強して、職場改善くらいはしてくれ」と言った程度の期待ではないでしょうか。

就職活動する学生は、職種を選べない?

学生の企業選びの中で、
「希望する職種に付ける会社」
「勤務地の希望がかなう会社」
といった内容の情報がネット上で流れています。言い代えると、日本では、会社に入っても希望する職種や勤務地でないことが多いということです。就職活動では、職業を選んでいるのではなく、企業を選んでいるのです。

処遇や安定性を考えるとブランド力のある大きな会社を選んでおけば、間違いが少ないのは事実でしょう。現実に、会社の規模が大きい程、生産性が高いのですから。しかし、それは「職種は、運任せ」ということでもあります。

定期一括採用において、採用側は人数確保が優先され、就職活動側も入社することが目的になりがちです。この結果、採用する側、採用される側の双方に不満や物足りなさを与えています。コロナ禍をきっかけに、定期一括採用を見直す動きがあります。2021年度入社対象 新卒採用活動に関するアンケート結果」(日本経済団体連合会)によれば、新卒採用において、通年採用を実施している企業は、実施予定を含めると2割強。検討中を合わせると 6割弱です。実施方法については、「1年を通して実施」する企業が約5割。 今後5年間程度の方向性としては、未定との回答が多いが、増やしていくとした企業が2割弱と言う結果になっています。だだ採用基準については、従来通りで、採用時期が多様化するに留まっています。

企業は、新卒の人材をどう育てたいかを示せ

新卒の新人が、企業に入って即戦力として、専門性の高い仕事や管理的な仕事をすることは無理だと考えられています。事実、技術系の研究開発や製造分野で大学における研究と内容が一致することはありませんし、レベルも違います。また、

管理職能力や経営能力を新卒者に期待することはありません。これは、日本の均一で安い初任給が定着している原因でもあります。もちろん新人は、実務経験の中で、管理能力や経営能力が形成されていきます。しかし、学校を出たばかりでも、既にその能力を持っている、あるいは可能性を持っている者はいます。多くの日本の大企業では、入社後どう頑張っても10数年後、35歳以上でないと管理職になれないのは異常です。

現行のやり方、考え方の採用では、とりあえず学卒を採用してから様子を見ようということです。採用した人の即戦力に期待せず、まず管理職になるまで頑張ってくれそうな人を歓迎する。職場で受け入れ易い、明るく元気で、コミュニケーション能力のある人が採用され易くなっています。

企業が、新卒を初めからリーダー要員として採用したらどうなるか?

外食産業で正社員を採用するとき、初めから店長候補として考えているケースが多いようです。採用された者は、入社数年もすれば、店長を任せられます。数年後の店長を目指していますから、仕事をしていても学ぶ姿勢が違います。従業員が10人以下の職場であっても、管理者になるための苦労を知り、必要な能力を早くに身に付けます。将来ビジョンを持っている者は、同じ仕事をさせても成長が、早いものです。

戦前から戦後昭和30年代までは、大卒や旧制高等専門学校卒の新人に占める割合が少なく、初めから管理職や経営者候補として採用が行われていました。実際に各社の企業史などを読むと、明治や大正生まれの企業幹部が、驚くほど若い頃から活躍していることがわかります。

企業に対し、いきなり「新卒を管理職として採用にしろ」とは言えませんが、入社後早めにリーダーや管理職、経営職を任せることを示して欲しいものです。今の若い人は、出世欲がないと言われています。でも、採用面接で出会う学生は、事前対策をしているにしても、決してそう見えません。出世したくないのではなく、出世する可能性が低いこと、すぐには給料が上がらないことに慣れてしまっているのではないでしょうか。

まとめ:企業、就活者、もっと「して欲しいこと」「したいこと」をだそう

理想の就職活動とは、企業の求める人材と学生のやりたい仕事や希望する報酬がマッチイングすることです。ところが、日本企業は、学卒採用において求める人物像が曖昧です。気の毒にも、就職活動をする学生は、その曖昧な採用基準に対して、挑んでいます。しかも、給料など報酬条件の交渉はありません。就職活動とは、自分の職業を選んでいるのではなく、企業ブランドを選び、入社させてもらうことです。就職活動をしている人は、「大人しくして、会社に入ってから頑張ろう」と現実にあった考え方をせざるを得ないのが実情でしょう。

企業側は、もっと「して欲しいこと」を示す。就活側は、「したいこと」を前面に出すことが、双方にとって満足のいく結果になると信じます。

 

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長年、大手鉄鋼会社及び関連企業、米国鉄鋼会社に勤務。仕事のテーマは、一貫して生産性の向上。生産部門、開発部門、管理部門、経営部門において活動。何事につけても「改革しよう」が、口癖。日本経営士会会員。 趣味:市民レベルのレガッタ、ゴルフ。
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