「なりたい姿」に向かって変えていく「改革志向」の意見満載

労働生産性を上げる脱ハンコとは?成功のカギは、「仕組みの見直し」(日本の生産性16)

2021/09/22
 
スタンプリレーのイラスト
記事一覧

この記事を書いている人 - WRITER -
長年、大手鉄鋼会社及び関連企業、米国鉄鋼会社に勤務。仕事のテーマは、一貫して生産性の向上。生産部門、開発部門、管理部門、経営部門において活動。何事につけても「改革しよう」が、口癖。日本経営士会会員。 趣味:市民レベルのレガッタ、ゴルフ。

労働生産性を上げる脱ハンコとは?成功のカギは、「仕組みの見直し」

 

脱ハンコは簡単でも、それだけで労働生産性は上がらない

「日本では、ハンコがあるために、ペーパーレスが進まない」「せっかく在宅勤務に移行してもハンコを押すために職場に行かざるを得ない」最近、そんな声に押されるように政府が「ハンコレス」を推奨し始めました。

実は、日本に法的に押印、署名を義務化している法律はそう多くありません。2001年4月に施行された電子署名法もあります。しかし、社会的慣習としてハンコが押されているのです。また、大企業ほど社内規定で厳格にハンコの運用を決め稟議書や報告書、議事録などに沢山のハンコが並びます。ISO9001に代表される品質管理規定に、審査や承認印を必須と定めている会社も多くあり、生産性が悪いと思いながらハンコが押され続けています。

関係者の合意ができれば、単純にハンコをやめる、サインに代える、紙の文書を電子化しハンコをクリックにすることは、容易です。しかし、ハンコレスの目的である生産性向上には、十分な効果がでません。ハンコをやめても、仕組みを含めたシステム整備をしておかないと効果が出ないという私の苦い経験を以下に書きます。

ペーパーレスを目指した文書管理システムの失敗例

会社で、文書管理システムを導入しました。注文書、工程表、図面、報告書など、仕事の案件ごとに全ての文書を一元管理しようというものでした。「ハンコレス」「ペーパーレスで保管スペース不要」「必要な文書は、いつでもどこからでも取り出せる」などいいことだらけの計画でした。ところが、完成後使ってみると問題だらけです。

  1. 顧客や役所からくるデジタル化していない文書は、PDF化する必要がある。この手間が、結構大変。
  2. 工程表、図面、報告書など、頻繁に追加・修正される。このため常に最新版をシステムに入れる必要があるができない。
  3. セキュリティの問題(ハンコ文化の影響?)で、文書をシステムに保管や取り出しの際には、本人と上司の承認クリックがいるようにした。この結果上司はクリック業務に追いかけられるようになった。

結局このシステムは、一連の作業が終わった後すべての文書をPDF化して保管するだけの運用となりました。ただ、文書保管スペースの節約には、役立ちました。ところが、各種監査で「必要な文書を見せなさい」と審査官から言われると、毎回大量の資料をプリントアウトしなくてはなりません。ハンコレス、ペーパーレスで効果を上げるには、社内外の理解も必要です。以下、失敗から得た、ハンコレスで生産性を上げるステップをまとめます。

脱ハンコで労働生産性を上げる5つのステップ

  1. 生産性を上げる目的でのハンコレス、ペーパーレスに対する社内の意識改革と社外の理解。
  2. 単純にハンコが不要なものは、即やめる。サインで代替えできるものはサインにする。
  3. 「確認(承認)ハンコ」の役割を再構築する。稟議書、申請書、購買要求など何個もハンコを並べるような「確認ハンコ」について、「誰が、いつ、何をもって確認しているか」を調べて、作業そのものを不要とするか、やり方を変えるなどの方法を決める。
  4. ハンコレス、ペーパーレス、クリックミニマムを前提とした業務プロセスの設計。
  5. システムの構築



まとめ:ハンコ文化の隠れた問題は、責任の曖昧化

単純にハンコをやめて、電子承認にする。紙をやめてPDFに置き換でるだけでは、それほど生産性の向上に繋がりません。ハンコ文化の本当の欠点は、ハンコを並べて確認したシルシをつけ、責任を分散・曖昧にしていることだと考えます。(参考:本ブログ「生産性を妨げるハンコ文化」生産性の低いハンコ文化の課題は、承認作業」)今後ハンコレスが、日本の流れとなります。今後、本ブログでハンコレスから見えてくる生産性の上がる業務フローを考えていけたらと思っています。

この記事を書いている人 - WRITER -
長年、大手鉄鋼会社及び関連企業、米国鉄鋼会社に勤務。仕事のテーマは、一貫して生産性の向上。生産部門、開発部門、管理部門、経営部門において活動。何事につけても「改革しよう」が、口癖。日本経営士会会員。 趣味:市民レベルのレガッタ、ゴルフ。
スポンサーリンク




スポンサーリンク




- Comments -

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

Copyright© 改革志向のおっさんブログ , 2020 All Rights Reserved.