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組織の成果を上げ、個人の成果や評価も上げる、上手な「報告」と「連絡」

 
上司に報告する人のイラスト
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長年、大手鉄鋼会社及び関連企業、米国鉄鋼会社に勤務。仕事のテーマは、一貫して生産性の向上。生産部門、開発部門、管理部門、経営部門において活動。何事につけても「改革しよう」が、口癖。日本経営士会会員。 趣味:市民レベルのレガッタ、ゴルフ。

組織の成果を上げ、個人の成果や評価も上げる、上手な「報告」と「連絡」

 

職場における「報告」と「連絡」

「なぜ、早く報告しなかたのだ!」
「ちょっと相談してくれたら良かったのに」
これは、お客様とのトラブルを上司が知り、部下に向かって発した言葉です。上司は、部下が、
「なぜ、基本的な報連相ができないのか」
と嘆きたいところです。
「報連相」(=ホウレンソウ)は、「報告」「連絡」「相談」の意味、ビジネスにおける基本的なコミュニケーション手法です。「報連相」の重要性は、多くの職場で強調されています。ところが、「報連相」がうまくできない人が結構いて、組織としての仕事がうまく行かないばかりか、個人としても成果や評価を下げてしまっています。
「報連相」がうまく行っていない原因の1つに、近年の働く環境の変化があります。デジタル化を中心とした働く環境の変化が、職場における日常的な上司と部下、社員同士の直接会話を減らしています。
例えば、オフィスでは、仕事の主体がパソコンやスマホになっています。電話が使われることがとても少なくなりました。営業などの対外業務では、お客様との会話があっても、後はタブレット入力。工場では、設備の運転や監視、プログラミングがメインとなり、会話をすることが減っています。また、合理化が進み、一人職場、一人業務も多くなっています。
あるベテラン課長が、
「最近は、自分の部下が黙々とパソコンに向かって仕事をしていて、何をしているか、さっぱり分からない。そこに部下がいても、パソコンに向かっていて顔を1日見ないことさえある。顔が見えないと、声もかけにくい」
なんてぼやいていました。仕方なく
「あの仕事、どこまで進んだか、報告してくれ」
と2メートルしか離れていない部下にメールを送ったら
「仕事が忙しいので、来週報告します」
とチャットで返ってきました。
「上司への報告も仕事の一部だろう!」
怒り心頭の課長は、部下の背中越しに怒鳴り散らしたとのこと。
職場の「報連相」、取り分け「報告」と「連絡」は、組織をうまく機能させたり、個人として成果や評価を上げたりするのに重要です。
組織の成果を上げ、個人の成果や評価も上げる、上手な「報告」や「連絡」をするには、以下のポイントを理解することです。
1)「報告」と「連絡」の違い
2)「報告」は、依頼者への情報サービス
3)「連絡」は、関係者との情報共有
これらを考慮して報告、連絡をすることで、タイミングの良い、良質なコミュニケーションができます。良質なコミュニケーションは、上司、部下に関係なく、仕事の成果・評価に繋がります。

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「報告」と「連絡」の違い、定義

「報告」も「連絡」も、情報を伝達する行為ですが、目的や内容に違いがあります。
一般的には、
「報告」は、指示された人がその進行状況や結果を指示者に伝えること。一方「連絡」は、得た情報や意思を他の関係者に知らせ合うこと。(広辞苑より)
と定義されています。
しかし、ビジネスにおける「報告」と「連絡」の定義には、実務的な要素を加えます。
1)「報告とは、依頼者に対する情報提供サービス」
上司や顧客などの依頼者に対し、仕事の進捗や成果、課題などを正確に伝え、信頼と判断材料を提供する行為。
2)「連絡とは、横方向に対して物事を前に進めるための情報共有活動」
同僚・関連部署などとスムーズに協働するための情報共有・調整活動。
この定義によれば、「報告」「連絡」いずれにおいても、相手の立場、相手の視点での情報提供が重要であることを示しています。

 

依頼者への情報サービスとしての「報告」

上司や顧客など仕事の依頼者に対する「報告」において重要なのは、提供する情報が依頼者の知りたいこと、知りたいタイミングで伝えることです。以下の、いくつかのポイントをご紹介します。
1)情報をサービスすることを意識する
サービスで大切なことは、依頼者視点です。依頼者が知りたい情報を、正確かつ過不足なく提供することです。一方的ではなく、相手のニーズ・状況に応じた報告が必要です。る。
2)結論と根拠を明確にする
「何がどうなったか(結論)」「なぜそうなったか(根拠)」を簡潔に伝えることがポイントです。また、客観的なデータを添えれば、根拠が明確になります。自分の意見を添えるときは、「私は、こう考えます」と自分の意見であることを明確にすることです。事実と自分の意見(特に、自分の楽観的意見)とが混在する報告は、依頼者を混乱させます。
3)タイミングと頻度を適切にする
依頼者が次の判断・指示を出すタイミングを逃さないように報告することが大切です。
「あの件、どうなっている」
などと督促される前に報告をしたものです。
4)報告の仕組み化をする
「報告」の中には、組織のルール(仕組み)として、実施するものがあります。個人の判断で、報告しているとタイミングも内容もバラバラになりがちです。仕組みとしての報告は、業務の透明性を確保し、意思決定や業務改善に役立てることができます。
その特徴は、以下のようなものです。
 決められた形式・頻度(日次・週次・月次・四半期・年次など)
 対象者が明確(上司、関係部署、経営層など)
 報告の内容が決まっている(進捗、売上、課題、対応策など)

関係者との情報共有である「連絡」

「連絡」は、 関係者と「共に仕事を進める」ために情報を共有することです。そのために「連絡」で必要なポイントがあります。
1)「物事を前に進める」ための視点
自分の仕事だけでなく、周囲の動きを助けるための連携を意識した情報提供が大切です。相手がその情報を受け取って行動することが出来るか、もし情報が伝わらなかったら(共有されなかったら)どうなるかといったことも考慮しておく必要があります。
2)必要な人に、必要なタイミング
連絡の中には、情報を知って行動して欲しい人、情報の共有だけでいい人がいます。
「連絡」というと「発信」とのイメージを持つ人が多くいますが、「連絡」は受け取った相手が、行動を起こすことができる、何かあったとき行動を起せることが必要です。
特に、変更・リスク・依存関係のある仕事では、タイミングとして早めの情報共有が重要です。
3)相手の状況を踏まえた伝え方
連絡する相手は、内容を理解し易い人もいれば、内容に慣れていない人、忙しい人など様々です。よく、人の集団には「2・6・2の法則」があると言われます。連絡に当てはめれば、2割の人がすぐ内容を理解し、2割の人が難しく、6割がその間ということです。連絡では、効率性を考え、「普通の6割の人」をイメージして伝え、残り2割の人には、個別で対応するというのが効率的です。
また、相手によってメール、チャット、口頭、会議など、適切に情報伝達手段を選ぶことも大切です。

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まとめ

組織の成果を上げ、個人の成果や評価も上げる、上手な「報告」や「連絡」をするには、
以下のポイントを理解することです。
1)「報告」と「連絡」の違い
2)「報告」は、依頼者への情報サービス
3)「連絡」は、関係者との情報共有
これらを考慮して報告、連絡をすることで、タイミングの良い、良質なコミュニケーションができます。良質なコミュニケーションは、上司、部下に関係なく、個人の成果・評価に繋がります。

参考記事:「報連相」がうまくいかないのは、「仕組み」になっていないから

「報連相」がうまくできるコツは、タイミングの良い報告をすること

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長年、大手鉄鋼会社及び関連企業、米国鉄鋼会社に勤務。仕事のテーマは、一貫して生産性の向上。生産部門、開発部門、管理部門、経営部門において活動。何事につけても「改革しよう」が、口癖。日本経営士会会員。 趣味:市民レベルのレガッタ、ゴルフ。
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