説明する上で、重要な3つのポイントは、「短く」「理解度確認」「やってみる」
説明する上で、重要な3つのポイントは、「短く」「理解度確認」「やってみる」
説明する上で、重要な3つのポイント
「新しい制度、ルールの説明」
「製品の使い方の説明」
世の中は、説明する場面で溢れています。説明とは、何かを相手に伝え、理解してもらい、行動してもらわなければなりません。
新制度や新ルールが適用されるとき、スムースにスタートできるように説明の文書をつくり、説明会が開かれます。しかし、いざ新ルール適用の初日は、必ずと言っていいほど混乱が生じます。実施する側が、
「事前に説明したのに」
「疑問があれば、質問してくださいと言っていたのに」
とぼやいても始まりません。
行政の住民サービス、社内のルールを実施するにあたり、多くの労力が「説明」に費やされますが、スムースにスタートすることは稀です。(マイナンバーカード、インボイス制度のことを思い浮かべてください)
コミュニケーションを専門とする人達の間では、
「人の話は、半分しか伝わらない」
ということが言われます。
社内で、従業員を集めて、新制度・新システムの説明をしても、いざ本番がスタートしたとたんに
「そんなこと聞いていない」
「どうなっているかさっぱり分からない」
といった声が挙がるのは日常茶飯事です。
事前に説明しても、内容を理解されずトラブルが起きるのは、「説明が悪いから」と考えることです。
説明をうまくやる3つのポイントをあります。
1)説明は短く
2)相手の理解度を確認する
3)実行してもらう
人は、いくら事前に説明されても実際に自分で考え、実行しない限り、本当の意味での理解ができません。
この記事では、様々な説明する場面で使える、相手に理解してもらう説明ポイントをご紹介します。
広告
「話す・聞く・書く」伝え方のシン・常識 半分にして話そう
説明は短く
人は、自分にとって関心のあることしか聞こうとしません。たとえ関心がある話であったとしても、集中力は長く続きません。
説明は、極力短くすることが重要です。短くした上で、結論ともいえる「何が変わる(始まる)のか」「それをしないと、どんな不利益になるのか」といったことから伝えることです。例えば、
「新システムが稼働します。8月以降は、従来システムは停止し、従来と同じ業務はできません」
という結論や不利益を被る話から始まると、聞く方は「自分とは、関係ない」などと思って、スルーすることが減ります。
説明の冒頭に、「この説明を聞かないと後で困りますよ。知らないと不利益になりますよ」とのメッセージを入れて、関心を引き付けることが重要です。その後の説明も、どこで聞くのを止められてもいいように、重要度の高い順に進めることが必要です。
説明をする時、時系列的に話そうとしたり、因果関係を重視したり、論理性を出そうとしがちな人がいますが、詳細は別途資料に任せて、直接の説明は簡潔にすることです。
もし、不足があれば質問があり、質問に答える中で、相手の理解度が高まります。
相手の理解度を確認する
説明の目的は、相手に理解してもらい、行動をしてもらうことです。「うまく説明が出来た」とは、相手が内容を理解し、スムースに行動をしてくれることです。
一方的に説明を流すTVやYouTubeでは、説明された相手が理解したかどうかは分かりませんが、直接話をする場合やリモートでの説明では、相手の理解を確認することができます。
講演会や説明会の質疑応答は、通常説明された側からの質問です。この場合、ある程度分かっている人は、更に理解を深めるための質問をします。ところが、無関心な人にとっては「どうでもいいこと」で、質問がでることはありません。
お勧めするのは、講演者や説明者から聞き手に質問することです。例えば、
「今回の説明をもとに○○をするとしたら、どうしますか。その理由と一緒に考えてみて下さい」
といった質問をして、無作為に誰かを指名して答えてもらいます。当然ですが、相手の理解度が分かりますし、それ以上に有用なのは、その場に緊張感が漂い、他の人の顔やしぐさに理解度が現れることがあります。理解度が不足していると思われるならば、追加の説明をします。この場合、質問された人以外も「自分の答え」と比べながら聴くので、各段に理解度が上がります。
私自身、「技術研修」や「マネジメント研修」において、講師の立場で説明することがあります。そこで実践しているのは、材料技術研修において、
「もし、こんなものを作るとしたら、どんな材料を使うか、理由と一緒に述べて下さい」
と受講者に質問をします。答えは、説明した中にあります。同様に、マネジメント研修でも、
「品質不良が発生したとき、工場のマネージャーや営業マネージャーは、どうしますか」
といった質問をしています。
質問して分かるのは、どんなにうまく説明したと自分で思っていても、説明したことの半分程度しか相手に伝わっていないということです。簡単な質問でも、相手から思わぬ回答や戸惑いがかえってくることがあります。そこで、ヒントを与えて、答えを模索してもらいます。この間、質問されなかった人も同様に模索しています。その後、丁寧に解答を説明すると、理解は一気に深まります。毎回、研修後のアンケートを取るのですが、「質問を考えているうちに、理解できました」という主旨の回答が多くあります。
実行してもらう
説明した相手に質問することで、理解度を計り、理解を深めてもらうことができます。更に大切なのは、相手に実行してもらうことです。
電機製品の説明をしたら、実際にスイッチをいれて動かしてもらうことです。アプリの説明をしたあと、そのアプリを起動してもらい、終了と起動をしてもらうといったことです。重要なのは、相手が自分自身で「やってみる」ことです。
アプリの説明を受けて、ダウンロードし、自分だけでいざ起動しようとしたら、IDやパスワードの入力でいきなりつまずくといったことは、よく経験することです。
社内で新ルールや新システムが運用されるとき、事前の説明と同時に「使ってみる」ということが重要です。
講演会でも、講師によっては。
「では皆さん、声にだして言ってみてください」
「両手を上げて、降ろして、大きく息を吸って・・・」
といった動作を入れさせる方がいます。体を動かすということが、たとえ説明の内容と直接関係なくとも、集中力やコミュニケーションの環境作りといったことで、説明の助けになります。
まとめ
説明会などで、説明をうまくやる3つのポイントをあります。
1)説明は短く
2)相手の理解度を確認する(質問する)
3)実行してもらう
人は、いくら事前に説明されても実際に自分で考え、実行しない限り、本当の意味での理解ができません。質問して理解度を確認する、その場でやってもらうことが、説明する際重要です。