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経営者や管理者が、システムとしての「ダッシュボード」を持つことのメリット

 
ダシュボードを見る人のイラスト
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長年、大手鉄鋼会社及び関連企業、米国鉄鋼会社に勤務。仕事のテーマは、一貫して生産性の向上。生産部門、開発部門、管理部門、経営部門において活動。何事につけても「改革しよう」が、口癖。日本経営士会会員。 趣味:市民レベルのレガッタ、ゴルフ。

経営者や管理者が、システムとしての「ダッシュボード」を持つことのメリット

 

経営者や管理者が、システムとしての「ダッシュボード」を持つことのメリット

経営者や管理職は、「必要な情報」を毎日確認し、適切なアクションをとることが重要な仕事です。これらは、「管理業務」と呼ばれています。「必要な情報」とは、市場の動向、受注状況、在庫、生産や販売状況、財務状況、労務、各種プロジェクトの進捗等々です。
これら「必要な情報」の大半は、当事者の関心のある情報であって、商法等で定められた絶対に必要な情報は、限られています。それも、月次や年次で取りまとめられていれが良いものです。しかし、経営者や管理者は、結果が出てから
「あの時、こうしておけば良かった」
との後悔をしないために毎日、毎週の情報を確認し必要によりアクションをとっています。最近は、多くのデータがシステムにインプットされ蓄積されています。ところが、これを確認しようとすると、「売上」「在庫」「受注」「労働時間」といったカテゴリー毎にまとめられていることが多く、見るのに手間がかかります。
これらの問題を解消するのが、システムにおける「ダッシュボード」です。これは、複数のデータをひとつの画面にまとめて表示する機能のことをいいます。数字だけでなく、複数のグラフを組み合わせて見やすい形で表示することなどです。この言葉は、車のダシュボードから来ています。車の「ダシュボード」は、運転席前方にスピードメーターやエンジンの回転計(EVなら電流計)、残燃料(残電池量)、走行距離など様々な情報を表示したパネルのことです。運転に必要なデータを見やすく表示しています。
システムのおける「ダシュボード」は、鉄道の運行、工場設備の稼働に必要な情報を一元管理するものから始まり、営業活動、会社経営などを含めた「ダシュボード」へと発展しています。
新幹線の集中制御室のような大規模なダシュボードから、PC内の複数のExcelデータをまとめて表示するだけのダシュボードまで様々なものがありますが、その本質は利用者に必要な情報を一目で分かるように伝えるということです。
経営者や管理者に限らず各個人が、自分だけのダシュボードを持つことには、大きなメリットがあります。その代表的なものは、以下のようなものです。
1) データの一元管理
2)リアルタイムでの情報の可視化
3)迅速な意思決定とフィードバック情報の入手
これら、ダッシュボードのメリットを活かすには、自分の受け持つ管理業務に「必要な情報」を厳選することが重要です。社内外の動きを掴むのに必要な情報、アクションを起こすために必要な情報、アクションの結果把握に必要な情報等々を選び出し、自分のオリジナルダシュボードを構築することをお勧めします。

 

 データの一元管理

ダッシュボードをつくることの最大のメリットは、知りたいことを1画面で表示することです。必要な情報を漏れなく簡単に得ることができることです。時間がなかったり、特定の情報に気をとられたりして、重要な情報を見逃すことがなくなります。
システム的にいえば、散らばっているデータを1つのプラットフォームに統合することでデータの一元管理ができ、一貫性と正確性が向上します。
また、データ収集を自動化することで、時間と労力を大幅に削減できる上に、手作業でのデータ入力や分析によるエラーが減少し、信頼性の高いデータを得ることができます。
利用者にとって、何の情報をダシュボードで表示するかは、その人が「何を管理しようとしているか」によります。これは、その人のマネジメント能力そのものです。
「売上を伸ばす」「生産性を上げる」「収益を向上させる」「労働時間を短くする」といったマネジメント目標があれば、その原因と結果に当たるデータをダッシュボードに集めることが肝要です。

リアルタイムでの情報の可視化

データ収集がリアルタイムであれば、ダシュボードに表示される情報は、その時の状態を瞬時に表示することができます。もし、問題が発生していれば、早期対応が可能です。
過去のデータと比較しながら表示すれば、トレンドを分析することができ、将来の動向を予測するのにも役立ちます。
ある機械加工工場で、社長さん用のダシュボードがつくられました。その画面には、日々の受注量や売上、在庫などが表示されています。その画面の隅に、社長の希望で、7台の旋盤などの加工機の稼働状況を表示するエリアを設けました。ここには、「赤」「黄色」「青」の表示で、設備の「停止」「準備」「稼働」が分かります。この表示をしただけで、工場の設備稼働率が向上し生産性が上がりました。
稼働率が上がったのは、社長が黄色の表示が長く続くと担当者に電話をすることが度重なり、いつも「社長が監視している」とのプレシャーをかけ続けることができているからかもしれません。担当者には、少々迷惑な仕組みではありますが、社長は大満足です。

 

迅速な意思決定とフィードバック情報の入手

ダッシュボードは、経営者や管理者の特定のニーズや業務要件に合わせてカスタマイズすることで、最も重要な情報に集中できます。特定のプロジェクトの進捗状況、力を入れている商品の動向などをみることで、迅速な意思決定とアクションが取れます。また、実施したアクションの結果をフィードバック情報として入手でき、追加のアクションも迅速に取ることが出来るといった、ビジネス環境の変化に柔軟に対応できます。
また、ダシュボードの情報を複数の人が共有することで、チームのコミュニケーションの向上、チームとしての動きが良くなります。

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まとめ

経営者や管理者が、オリジナルのダシュボードを持つことには、大きなメリットがあります。その代表的なものは、以下のようなものです。
1) データの一元管理
2)リアルタイムでの情報の可視化
3)迅速な意思決定とフィードバック情報の入手
これら、ダッシュボードのメリットを活かすには、自分の受け持つ管理業務に「必要な情報」を厳選することが重要です。

参考記事:「進捗管理」で遅れを見つけ、遅れ解消のために選択できる対策は4つだけ

「生産管理」にみる「マネジメント」と「コントロール」の違い

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長年、大手鉄鋼会社及び関連企業、米国鉄鋼会社に勤務。仕事のテーマは、一貫して生産性の向上。生産部門、開発部門、管理部門、経営部門において活動。何事につけても「改革しよう」が、口癖。日本経営士会会員。 趣味:市民レベルのレガッタ、ゴルフ。
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