ポジティブな言い替えで、「嫌なこと」が「面白いこと」に変わります!
ポジティブな言い替えで、「嫌なこと」が「面白いこと」に変わります!
「嫌なこと」「嫌な仕事」が生まれる要因と対処法
「面倒な仕事が残っている」
「今日もお客様からクレームを受ける」
「嫌な人に会わなくていけない」
職場でも生活でも、世の中「嫌なこと」が溢れています。それでも、多くの人は、「やらなくてはならないこと」として我慢しながら取り組んでいます。
「嫌な仕事」を先延ばしすれば、事態は更に悪化し「嫌な仕事」が益々「嫌な仕事」になってしまいます。ほとんどの「嫌な仕事」は、対応が遅れて良くなることはなく、事態はより悪化します。
例えば、お客様からのクレームが発生して、お詫びを入れるような場合や怖い上司に悪い報告をすることを想像してみてもらえば分かります。すぐ行動すれば、大きな問題にならないことでも、対応が遅れたことで相手の態度が硬化し、益々「嫌な仕事」になりかねません。
「嫌な仕事」と思うのには、様々な心理的な要因が影響しています。以下に「嫌な仕事」を心理面から分類した要因を示します。
1)ストレスと不安
仕事に関連するストレスや不安が高まると、その仕事に対するネガティブな感情が強化され、行動を起こすことが億劫に感じられます。また緊張することが予想されると不安が高まり「嫌なこと」になります。
2)モチベーションの欠如
① 仕事に対する興味や情熱がない場合、その仕事に対するモチベーションが低くなり、行動を起こすことが難しく感じられます。
② 報酬や評価が不十分である場合、仕事に対するモチベーションが低下し、「嫌な仕事」と感じられます。
③ 個々の能力や興味に合わない仕事を担当する場合、不満が高まります。仕事環境や上司との関係、同僚との関係に不満がある場合、その不満が仕事全体に広がり、「嫌な仕事」と感じられます。
④ 長期間にわたる同じ仕事や反復的な仕事が続くと、意欲が低下し「嫌な仕事」になります。
3)疲労
病気、長時間の労働や過度な負荷による身体的疲労や精神的疲労があれば、何をするにも「嫌なこと」になります。ところが、病気や疲労は、見えにくいことがあるので要注意です。
これら、「嫌な仕事」と感じる要因を取り除くことが、「やる気」のもとになります。
とりわけ、不安やモチベーションの欠如を解決することが必要です。
「嫌なこと」を「面白いこと」に変えるには、ポジティブな考え方で不安を除きモチベーションを上げることが有効です。以下に、「嫌なこと」を「面白いこと」に変える方法を3つ紹介します。
1)ポジティブな言い替えをする
2)目標を持つ
3)仲間をつくる
これらのことで、「嫌なこと」に対して前向きに取り組めば、「面白み」を見つけたり、「面白み」を足したりすることが期待できます。
この記事は、長年の会社員生活の経験と心理療法士との会話に基づいて紹介するものです。
ポジティブな言い替えをする
ストレスや不安を避けたくて、「嫌なこと」になっているとき、そのストレスや不安をポジティブに言い換えることが役にたちます。ポジティブ(肯定的)な視点から見ることで、「嫌なこと」を新しい学びや成長の機会として捉えることができます。
入学試験、スポーツの試合は、「失敗するかも知れない」との不安があり、「嫌なこと」の代表です。一方で、「大学に入るチャンス」、「優勝するチャンス」と考える人にとっては、「面白いこと」であり「楽しみなこと」です。
試験前やスポーツの試合前、
「自分は緊張していて、実力が出せるか不安」
と思うのではなく、
「自分は興奮している。これは、実力を出す準備をしていること」
と思いなさいと心理療法士さんが言っていました。
私は、よく先輩からクレームでお客様に行くときや悪い状況を怖い上司に報告に行くのをためらっているとき、
「いくらなんでも命まで取られるわけではない」
「会社が叱られるのであって、自身が悪いわけではない」
などと元気づけられたことがあります。行動をためらっているときの一押しには、効果がありました。しかし、どこか他人ごとのようにも聞こえます。うまく相手と話が進めばいい元気づけですが、想像した通りに相手からボロカスに叱られれば、これがトラウマとなって、クレーム対応が益々「嫌な仕事」になってしまいます。これらの言葉は、「嫌なこと」を避けるような言い方です。むしろ
「叱られるのは、自分の成長の糧。お客様は、何を求めているか聞くチャンス」
といったポジティブな言い替えを見つけることが大切です。
「嫌な仕事」の言い換えで、創造性を加えて「面白く」することができます。クレーム対応を「顧客の苦情を聞く」から、「顧客のニーズを探る」に言い換えることができます。「店先の掃除」を「来客者へのもてなし」と言い換えることもできます。すると、掃除だけでなく、お客様のもてなしに有効なこととしようという発想が生まれ「面白い仕事」に変わります。
また、 嫌な状況でも、その中にユーモアを見つけることができれば、ストレスを軽減し、状況を楽しいものに変えることができます。自己嘲笑や皮肉を使って、状況を軽く捉えることができます。
目標を持つ
「嫌なこと」「嫌な仕事」も目標があると、それを一つのステップと考えることができ、むしろ「面白いこと」「面白い仕事」に変わります。遭遇する問題や課題を克服するプロセスを自己成長の一部として捉えることがポイントです。
飲食店の皿洗いや掃除のアルバイトは、給料だけが目当てなら「嫌な仕事」です。皿洗いと掃除だけのアルバイトの定着率は悪いようです。ところが、いつか皿洗いから料理人になり、自分で店を出せるとの話をして、本人がその気になると全く働き方が違うとの話を店長から聞いたことがあります。足元の「嫌なこと」も、その先の目標次第で、「面白いこと」に変わるものです。
この場合、「いつか店を持つ」ではなく、「皿洗いや掃除の仕事ぶりが認められれば、料理を教えてもらえる」といった、身近な目標にする方が、「嫌なこと」に積極的に取り組めます。自分に小さな目標を設定し、それを達成するごとに自分に報酬を用意することができれば、その仕事を楽しみながら進める刺激となります。
仲間をつくる
「 嫌なこと」を友人や家族と共有すると、共感やサポートを受けることができます。「嫌なこと」を誰かと共有したり、アドバイスを受けたりすることで、状況を楽しむことができるかも知れません。
学科試験やスポーツの競技で、冷静な目で周りの受験生や選手の緊張が分かると、
「他の人も同じ」
ということが分かり、妙に落ち着くことがあります。個人競技であっても、チームで支え合うことで、個人の力が発揮できる状況になります。
「嫌なこと」を共有して、「皆で嫌だ」と思うのではなく、「皆で大丈夫」と思うことが、キーポイントです。よく団体スポーツの監督が、
「ムードメーカーの存在が大切である」
と話すのを聞いたことがあります。ムードメーカーによって、集団で「緊張」するのではなく、「その場面が面白い」と思えるようになることが、実力を発揮するためには大切です。
まとめ
「嫌なこと」を「面白いこと」に変えるには、ポジティブな考え方で不安を除きモチベーションを上げることが有効です。例えば、
1)ポジティブな言い替えをする
2)目標を持つ
3)仲間をつくる
といったこと。これらのことで、「嫌なこと」に対して前向きに取り組めば、「面白み」を見つけたり、「面白み」を足したりすることが期待できます。