朝、「やる気が出ない人」に贈る「やる気スイッチ」を入れる3つの方法
朝、「やる気が出ない人」に贈る「やる気スイッチ」を入れる3つの方法
「やる気」を出すには、「仕事前の習慣」「まず始める」「香り」
「出社したけど、やる気が出ない」
「自宅勤務で、なかなか仕事モードになれない」
会社であれ自宅であれ、朝一番から体と頭をフル回転して仕事に向かうのは大変です。オフィスで、朝一番からテンションが高いのは、部長だけなんて職場はありませんか。部長を見て
「さすがに出世する人は違う」
と思う人もいますが、
「歳を取ると朝早く目が覚めるだけ」
なんて思っている部下達もいるのでは。でも、そんな朝から仕事に集中人できる人は、その方法を持っています。観察すれば、仕事モードに入るルーティンを見つけることができるのではないでしょうか。
朝から体と頭をフル回転させて仕事に取り掛かれたら、どんなにハッピーかと思います。
「どうも朝からやる気が出ない」という人にお勧めな「やる気」が出る3つの方法をご紹介します。
1)仕事前の習慣をつくる
2)「まず始める」
3)やる気の出る「香り」を持つ
やる気は、脳の働きです。脳は、体の感覚や匂いなどが刺激になって、リラックスモードになったり、やる気モードになったりします。大切なのは、刺激と仕事開始がセットとして習慣化することです。
この記事では、やる気になる3つの方法をご紹介します。自分に合ったやる気のでる方法を見つけるヒントになることを期待します。
仕事前の習慣をつくる
朝出勤して席に着くとまず何をしますか?
連続化が進んだ設備の並ぶ工場などの現場では、本人の気持ちに関係なく仕事が始まります。しかし、手作業中心の工場やホワイトカラーの職場では、働き方に自由度が大きく、実際に仕事が始まるかどうかは本人次第です。
朝事務所に到着し、とりあえずパソコンのスイッチをいれる。仕事に対するやる気がでないのか、ネットニュース、それもスポーツや芸能といった記事をみていたら就業開始時刻を過ぎてしまうといった人がいます。仕事前にネットニュースを見ることが習慣になっている例です。ネットニュースをチェックすることで、仕事のスイッチが入ればいいのですが、ついつい閲覧しだしたら止まらなくなる悪しき習慣です。
仕事前の習慣を作るとしたら、それをすることで、仕事モードに無意識に切り替わるような「習慣」をつくることが大切です。
出勤したら、まずコーヒーやお茶を入れる方が多くおられます。コーヒーを飲んで、リラックスし就業開始時間が来たらオートマチックに仕事にかかるというルーティンになっていると効率的です。
工場勤務では、ラジオ体操や現場パトロールが、仕事モードのスイッチになります。女性の中には、出勤してから洗面所の鏡の前でメイクを確認することを仕事モードのスイッチにしている人もいます。
どんなことでもいいのですが、その行為と仕事開始をセットで行い習慣化することで、有効な仕事の「起動スイッチ」にすることです。
仕事に取り掛かる前に「拳を握って、小さくガッツポーズをする」「両手で頬をたたく」「『よし、やるぞ!』と声を出す」などといった「勝負ポーズ」を決めてみる手もあります。勝負ポーズも1つのルーティンです。その動作、その言葉を発して何かをすることが習慣化すると、「勝負ポーズ」を「やる気スイッチ」にできます。
「まず始める」こと
人は、いったん行動を始めると「やる気」が出てきて継続するものです。
「5分間だけやってみるか」
「1ページだけ目を通すか」
といったように気合をいれて、「まず始める」ことをお勧めします。
「やってみたら、意外と簡単」
「やってみたら、面白い」
といったことが起き、継続するものです。これは、「作業興奮」と呼ばれる現象によるものです。作業興奮は、脳の仕組みのひとつです。人は「行動」すると指先、視覚などの刺激を受けます。すると脳の「側坐核」という部分が反応し、アセチルコリンという物質(神経伝達物質)を多く分泌するといいます。
アセチルコリンにはやる気を引き出し、集中力をアップさせる効果があります。とりあえず始めただけで、やる気が湧いてくるのはこのためです。
作業興奮は作業を始めてから5~10分ほどで起こると言われており、「まず始めて」、5分をめどに続けることです。「仕事がはかどりそう」「意外に簡単」といった仕事の達成感を覚えると、脳は「ドーパミン」を分泌します。ドーパミンによって快感や達成感を覚えると、さらなるやる気につながります。
「まず始める」の小さなコツは、前日に翌日最初にすること(仕事)を決めておくことです。「何をしようか」と迷うことが、朝「やる気が出ない」原因の一つです。「ちょっと気になること(仕事)」を翌日の一番目の「まず始めること」にしておくことをお勧めします。
注意)「作業興奮」は、ドイツの心理学者エミール・クレペリン(Emil Kraepelin, 1865-1926)が発見したとされることがありますが、彼自身は「作業興奮」という言葉を使っていません。後に、心理学者の内田雄三郎博士が、初めて「作業興奮」を使ったということのようです。
(参考:「作業興奮に対する誤解について」)
やる気の出る「香り」を持つ
朝仕事前、コーヒーなどを飲む行為は、仕事前の習慣です。飲み物を「飲む」という行為が、仕事モードに入るルーティンでが、同時にコーヒーの「香り」が、リラックス効果を生み仕事に集中できる準備になります。仕事を始める時、仕事中に集中力が落ちてきたら、「香り」で脳をリフレッシュできます。
臨床心理士でアロマセラピストの松尾祥子氏は、匂いが直接脳に働き、心理的な効果があることを次のように説明しています。
匂い物質は、鼻の奥にある嗅上皮という部分に嗅覚を感知する嗅神経細胞に到達します。香り物質を鍵とすると、嗅神経細胞は鍵穴のような役割をし、匂い物質を受容します。ここで電気信号に変換され嗅球、そして嗅皮質に伝わります。嗅皮質では言葉や形にならないイメージのようなものが形成され、嗅皮質の情報は、扁桃体・視床下部・海馬・前頭野などに送られます。扁桃体は、情動的な記憶を司ります。なんとなく心地よい、なんとなく嫌な感じがする、ほっとする、といった感覚を引き起こします。また、ストレス反応にも関わります。この扁桃体や、自律神経、内分泌系を制御する視床下部へ直接信号を送るのは、視覚や聴覚にはない、嗅覚の特徴とのことです。
体から脳にくる刺激が、嗅覚ではダイレクトに来ます。朝に限らず、ちょっと「やる気」が出ない時、自分の「香り」を持っていると、これを「やる気スイッチ」として使えます。
アロマセラピストは、時間や目的別に様々なアロマオイルを紹介してくれます。ただし、職場で使うのにはちょっと抵抗があるかも知れません。コーヒーや各種フレーバーの香りがする紅茶がお勧めです。好きな香りの入ったハンドクリームを使うと周りを気にせずリラックス効果があります。
私は、集中力が切れた時、ちょっと現場を覗くことをしていました。今思うと切削油の匂い、圧延油であるパーム油の匂いを嗅いで、気分を変えていたのかもしれません。その証拠に、今も何かの拍子に切削油の匂いを嗅ぐと、「なつかしさ」や気分の高揚があります。
ある友人は、カレーの匂いで、やる気がでるそうです。単にカレーが好きなだけと思っていたら、昼食にカレーを食べるのは、「午後から仕事を頑張りたいとき」だそうです。
リラックスできる「香り」、やる気がでる「香り」を持つと気分の切り替えに大いに役だちます。要は、その「香り」を心地よく感じ、気持ちをリフレッシュできると信じることです。
プロカウンセラーが教える香りで気分を切り替える技術 ~香りマインドフルネス
まとめ
「やる気が出ない人」に「やる気スイッチ」を入れる3つの方法をご紹介します。
1)仕事前の習慣をつくる
2)「まず始める」
3)やる気の出る「香り」を持つ
やる気は、脳の働きです。その脳は、体の感覚や匂いなどが刺激になって、リラックスモードになったり、やる気モードになったりします。大切なのは、刺激と仕事開始がセットとして習慣化することです。
参考記事:「めんどくさく」て「やりたくない仕事」を片付ける「やる気スイッチ」の入れ方