「なりたい姿」に向かって変えていく「改革志向」の意見満載

「人手不足」を嘆くな!「人手不足」は、生産性を上げる絶好のチャンス

 
忙しい配達員のイラスト
記事一覧

この記事を書いている人 - WRITER -
長年、大手鉄鋼会社及び関連企業、米国鉄鋼会社に勤務。仕事のテーマは、一貫して生産性の向上。生産部門、開発部門、管理部門、経営部門において活動。何事につけても「改革しよう」が、口癖。日本経営士会会員。 趣味:市民レベルのレガッタ、ゴルフ。

「人手不足」を嘆くな!「人手不足」は、生産性を上げる絶好のチャンス

 

「人手不足」は、生産性を上げる絶好のチャンス

「インバウンド需要が戻ってきたら、人手不足で営業を縮小している旅館」
「運転手不足で配送が間に合わない」
こんな「人手不足」の声を最近よく聞きます。新型コロナの流行が終息し、需要が戻ってきたこと。労働時間制限が厳しくなって、残業時間でカバーできなくなったことが原因でしょうか。
ところが、こんな人手不足に対して、すぐに雇用を増やすことが難しくなっています。一斉に人の需要が増えていることに加え、背景に少子化や外国人労働者の日本離れがあります。
企業を悩ます「人手不足」ですか、同時に労働生産性を上げる絶好のチャンスでもあります。これまで、安い労働力を容易に得られることをいいことに、効率の悪い仕事のやり方を続けてきたことを見直すことができるのです。
「人手不足」を嘆く前にすべきステップがあります。
1)「人手不足」と感じる3つのパターンを知る
2)「人手不足」の真の原因を見つける
3)時給を2倍にしても儲かる方法を考える
とかく、人手不足の原因を「人が減ったから」「急に仕事が増えたから」と考えがちです。しかし、人手不足の真の原因は、労働生産性の低さにあることが多いものです。なぜ「人手不足」と感じるのか、理由を明らかにすることで、労働生産性を上げるヒントを得られます。


デービッド・アトキンソン 日本再生は、生産性向上しかない!

「人手不足」と感じる3つのパターンを知る

企業において「人手不足」と感じるとき、いくつかのパターンがあります。
1)減った従業員を元に戻せない
新型コロナの流行の影響で、従業員を減らした後、流行の終息に伴い元に戻すようなケースです。仕事の内容や負荷をあまり考えずに「2名減に対して、2名分の人手不足」と考えるパターンです。定年や自己都合による退職者の補充も同じで、減少した社員の人数分だけ不足感と感じます。
2)事業の拡大
事業が拡大する過程で、人手不足感が出るパターンがあります。来客者が3割増、生産量が3割増になったということで、「人手を3割増しにする必要がある」と考えがちです。事業を拡大すると、本来生産性が良くなるはずで。しかし、本業とは異なるところで、急に仕事が増え、余計に人手不足感が強まります。
3)仕事の質の変化
法律が変わったり、慣習か変わったりして、仕事量が増えるパターンがあります。例えば、消費税の変更に伴い手間が増えたり、システム対応を迫られたりすることです。また、労働時間の制限強化による人手不足の心配も同じです。
また、仕事そのものが変化し、新しいスキルや技術が必要なのにも関わらず、適切な人材が不足しているパターンがあります。人手不足というより、「人材不足」といった方がいいかも知れません。

人手不足の真の原因を見つける

人手不足解消をするためにいきなり社員を増やす前に、現状の人員でなんとかならないかを検討することが大切です。
そのためには、人手不足の真の原因を見つけることが必要です。前述のように、人手不足と感じるときには、パターンがあります。人手不足の原因が、「人が減ったから」「急に仕事が増えたから」は、真の原因になっていません。真の原因は、
「何をするための人手が不足しているか」
ということを考える必要があります。更に
「何の為に何をするのか」
をとことん考えて、初めて真の原因がわかります。
考えるポイントがあります。
1)その仕事は、やめるか削減できないか
2)その仕事にムラがないか
3)他のやり方がないのか
これらの視点で、「人がいればやる仕事」について考えることです。
ある飲食店の例です。ベテランの料理人がやめて経営者は慌てました。代わりの人を探しても簡単に見つかりません。経営者は、人を探すのをあきらめて、ベテラン料理人がしていた仕事を見直しました。大抵のことは、残った料理人でできます。ただし、出来ないことが一つありました。ベテラン料理人は、毎朝市場に行って、自分でその日の魚を仕入れていたのです。これは、他の料理人には難しいことです。そこで、経営者は、確かな仲買人に仕入れの魚を任せたのです。不安はあったのですが、思わぬ魚も入り、うまくいっています。この例では、ベテラン料理人の仕入れという仕事を削減、他のやり方に切り替えたのです。

時給を2倍にしても儲かる方法を考える

人手不足に対して、安直に人を増やすのは、労働生産性を増やすチャンスを逃していることになります。

本当に人を増やす価値があるかどうかを見極めるのに
「時給を2倍にしても儲かるなら人を増やそう」
という発想で検討するようにしています。生産性を2倍に上げるという意味です。生産性を2倍にしても、やはり人手不足で、人を募集することになったとき、「時給が2倍」なら人を集めることができるという意味もこめられています。
問題なのは、伝統工芸品など、手作りを前面に出した商品です。手作りゆえの良さがある半面、生産性を上げるための機械化ができにくい特徴があります。そんな商品は、価格を上げさせてもらうということです。価格を上げても買ってもらえるように努力することです。

まとめ

「人手不足」は、労働生産性を上げる絶好のチャンスです。「人手不足」に直面したときすべきステップがあります。
1)「人手不足」と感じる3つのパターンを知る
2)「人手不足」の真の原因を見つける
3)時給を2倍にしても儲かる方法を考える
人手不足の原因を「人が減ったから」「急に仕事が増えたから」と考えがちでが、「人手不足」の真の原因は、労働生産性の低さにあることが多いものです。

参考記事:仕事の価値マトリックスからの「ムダ」な仕事の見つけ方

日本の製造業の生産性向上には、経営の4つの課題解決が必要

この記事を書いている人 - WRITER -
長年、大手鉄鋼会社及び関連企業、米国鉄鋼会社に勤務。仕事のテーマは、一貫して生産性の向上。生産部門、開発部門、管理部門、経営部門において活動。何事につけても「改革しよう」が、口癖。日本経営士会会員。 趣味:市民レベルのレガッタ、ゴルフ。
スポンサーリンク




スポンサーリンク




Copyright© 改革志向のおっさんブログ , 2023 All Rights Reserved.