「なりたい姿」に向かって変えていく「改革志向」の意見満載

仕事の価値マトリックスからの「ムダ」な仕事の見つけ方

 
ムダな仕事を探す人のイラスト
記事一覧

この記事を書いている人 - WRITER -
長年、大手鉄鋼会社及び関連企業、米国鉄鋼会社に勤務。仕事のテーマは、一貫して生産性の向上。生産部門、開発部門、管理部門、経営部門において活動。何事につけても「改革しよう」が、口癖。日本経営士会会員。 趣味:市民レベルのレガッタ、ゴルフ。

仕事の価値マトリックスからの「ムダ」な仕事の見つけ方

 

「ムダ」な仕事を見つける方法

「結論が出せずに長々と続く会議」
「書類に住所氏名を何度も手書きの必要な役所の書類」
世間には、「ムダ」な仕事が溢れています。職場のリーダーが、熱心に朝礼で部下から報告を受けたり、指示や訓話をしたりしていることも、部下には「ムダ」と感じているかもしれません。「ムダ」は、人によって捉え方が違います。
一般的にムダとは、
「必要のない仕事や意味のない仕事を行うこと」
と捉えられています。この言葉には、主語がないので、各自が勝手に「ムダ」と判断してしまいます。この定義では、人によって「ムダ」な仕事と感じることに違いがでるのは当然です。
「ムダ」な仕事を見つけて減らすには、まず「ムダ」な仕事とは何かを定義し、社員で共有することが大切です。仕事において、「ムダ」とは極端に言えば「儲けにならないこと」です。そして、「儲け」とは、お客様が提供するモノやサービスに価値を認めて払っていただくものです。
「ムダ」な仕事を見つけ、やめる、減らす、見直すことで、お客様の満足度向上と自社の利益増ができます。その仕事の「ムダ」を見つけ、見直すステップをご紹介します。
1)仕事の「ムダ」を定義する
2)仕事の価値マトリックスを理解する
3)「減らす仕事」にムダを見つける
4)「価値を見直す仕事」で利益増のヒントを見つける
これは、毎日の「やらなばならない」と思いこんでいる仕事が、「ムダ」ではないかとの疑問を持つことで、効率化や新ビジネスの発見プロセスでもあります。具体的な「ムダ」の排除や減らす方法は、他の記事に譲り、この記事では「ムダ」な仕事の見つけ方に焦点をあてます。

 

仕事における「ムダ」の定義

ムダをどう考えるかで、仕事の考え方が変わります。仕事の効率も変わります。仕事の価値は、お客様に価値を届けてお金を頂くことと考えることができます。すると
「ムダとは、お客様に価値を与える仕事以外のこと」
と定義できます。例えば、注文住宅を建てる会社では、図面を書く工事をするのは、お客様に直接価値を提供しています。
ところが、お客様の建築条件を聞くこと、資材を手配する、工事計画を作る、現場前の交通整理、現場の管理監督、工事後の検査確認などは、工事会社にとっては必要なことですが、お客様からみると何も価値がありません。言い換えるとこれらの仕事は、直接カネを生まない「ムダ」であり、やめるか出来るだけ簡素化したい仕事と考えることができます。

 

仕事の価値マトリックスを理解する

仕事がムダかどうか判断するのに、価値マトリックスを使うことができます。縦軸にお客様、横軸を自社として図を書くことができます。この図には、先ほどの住宅工事の例を入れています。(出展:はざま悟/稲葉豊茂著「仕事にあふれるムダを見つけてなくす方法!」⦅明日香出版⦆をもとに独自作成)

仕事の価値マトリックス

Work value matrix

このマトリックスでは、仕事を4つの領域で分けています。自社からみてもお客様からみても価値のない「やめる仕事」は、ムダなこととして直に行動できます。例えば、工事の不具合を直す、見られることもなく捨てられる資料の作成などです。結論のでない会議もこの領域でしょう。
お客様にとって価値があり、自社にとっても価値のある「増やす仕事」は、時間をかけてもよい領域です。ただし、この領域で「ムダ」と感じるのは、能率が悪い仕事です。(能率=アウトプット/仕事時間)システム化していない手書き作業、機械化や自動化が遅れている工事方法などです。この領域に「ムダ」な仕事はありません。仕事の能率を上げて「ムダ」と感じないようにする必要があります。
ところが、自社にとって価値があるが、お客様にとって価値のない「減らす仕事」、自社にとって価値がないが、お客様にとって価値のある「価値を見直す仕事」は、「ムダ」かどうか曖昧な領域の仕事です。この2つの領域の「ムダ」取りや仕事の見直しは、仕事改革の真髄です。


仕事にあふれるムダを見つけてなくす方法! (ASUKA BUSINESS)

「減らす仕事」にムダを見つける

お客様にとって価値がないが、自社にとって価値がある(必要)のが「減らす仕事」です。この領域の仕事は、やっている人からみると「ムダ」とは感じにくいものです。例えば、工事計画の作成、材料の管理、工事の検査、労務時間の管理等々は、「絶対に必要不可欠な仕事」として「ムダ」とは無縁と思えます。しかし客観的にみれば、いくら丁寧にやろうと厳格にやろうとお客様にとって価値のない仕事です。丁寧で厳格な仕事をしても売上が増えることはありません。リモートワークが広がり「通勤」が、お客様にとって価値がなく、自社にとって価値のある(必要な)時間であることに気づかされました。出張の移動時間は、お客様に価値を生み出すものではありません。リモート会議やリモート商談など「ムダ」を減らすことができます。
「減らす仕事」領域の仕事は、「間接業務」と言われています。この領域の「ムダ」取りは、多くのノウハウ本やネット記事で「生産性向上」事例として紹介されています。整理整頓、標準化(マニュアル化)、外段取り、外注利用等々の手法を取り入れて「ムダ」を減らすことが期待されます。

 

「価値を見直す仕事」で利益増のヒントを見つける

お客様にとって価値があるが、自社に価値のない仕事は、「過剰サービス」と呼ばれかねないものです。例えば、住宅の営業において、お客様に地域の住宅相場を提供する。融資や税金の手続き教える。何かをプレゼントして喜んでもらう。これらは、直接お客様から利益を得る仕事ではありません。しかし、「ムダ」といって切り捨てれば、自社の評判等に影響し将来の顧客を失うかも知れません。
お客様にとって価値があるが、自社には価値のない仕事は、「価値を見直す仕事」領域です。お客様にとって価値ある仕事は、長い目でみれば、自社の売上に貢献するかも知れません。あるいは、お客様に喜ばれる仕事を独立した新ビジネスになる可能性もあります。実際に住宅相場を知らせるサイトや融資/税金の相談サイトがあり、ビジネスになっています。今自社にとって価値がなくても「お客様にとって価値がある」仕事は、その価値を見直すことで、利益増のヒントがみつかることが期待されます。

まとめ

「ムダ」な仕事を見つけ、やめる、減らす、見直すことで、お客様の満足度向上と自社の利益増が実現します。「ムダ」を見つけ、仕事を改善するには、
1)仕事の「ムダ」を定義する
2)仕事の価値マトリックスを理解する
3)「減らす仕事」にムダを見つける
4)「価値を見直す仕事」で利益増のヒントを見つける
ことです。毎日の「やらなばならない」と思いこんでいる仕事に、「ムダ」ではないかとの疑問を持つことで、効率化や新ビジネスの発見が期待できます。

参考記事:仕事の「ムダ」を見つけて、業務効率化を図る3つのポイント

労働生産性を上げる4つの要素と労働生産性の3つの表現方法

 

この記事を書いている人 - WRITER -
長年、大手鉄鋼会社及び関連企業、米国鉄鋼会社に勤務。仕事のテーマは、一貫して生産性の向上。生産部門、開発部門、管理部門、経営部門において活動。何事につけても「改革しよう」が、口癖。日本経営士会会員。 趣味:市民レベルのレガッタ、ゴルフ。
スポンサーリンク




スポンサーリンク




Copyright© 改革志向のおっさんブログ , 2022 All Rights Reserved.