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「ウィンザー効果」を活用した人材育成とマーケティングとは

 
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長年、大手鉄鋼会社及び関連企業、米国鉄鋼会社に勤務。仕事のテーマは、一貫して生産性の向上。生産部門、開発部門、管理部門、経営部門において活動。何事につけても「改革しよう」が、口癖。日本経営士会会員。 趣味:市民レベルのレガッタ、ゴルフ。

「ウィンザー効果」を活用した人材育成とマーケティングとは

 

「ウィンザー効果」とは、

「君のこと部長が社外で褒めていたらしいよ」
こんなことを同僚から言われたら悪い気はしません。また、プロ野球のO監督は、試合後にスポーツ新聞の記者に向かって自チームの選手を褒めました。翌日のスポーツ新聞にはデカデカと、
O監督、○○選手のバッティングをベタ褒め!」
なんて記事がありました。その選手は、
「監督から何も言われてはません。今朝の新聞を見て、監督が褒めていたことを知りました。」
なんともうれしそうにインタビューに答えていました。
人の感情として、直接褒められるより、他人からの話、新聞などを通して褒められる方が、嬉しく思うことがあります。これを一般化し、
「本人から直接発信された情報より、利害関係のない第三者から、間接的に伝わる情報の方が信頼性を高く感じる」
とする「ウィンザー効果」があります。
ウィンザー効果は、心理学上の言葉です。米国生まれの作家アーリーン・ロマノネス(1923~2017)著;『伯爵夫人はスパイ』(講談社、1991年)(原題:The Spy Went Dancing)に由来すると言われています。この本の中で、ウィンザー伯爵夫人が
「第三者の誉め言葉がどんなときにも一番効果があるのよ、忘れないでね」
と言っています。
部長が直接、
「君は優秀な社員だ」
と言っても、社員は「それは、部長の本心なのか」、「部長に何かたくらみがあるのでは」などと勘繰り言葉をそのまま受け取ることは難しいものです。しかし、他の人が
「部長が君を褒めていた」
と言うなら納得できるのではないでしょうか。このように、当事者からの評価よりも、第三者からの評価のほうが、信頼され易いものです。
ウィンザー効果を積極的に使うことで、
1)人材育成
2)マーケティング
での成果が期待できます。ただし、「ステルスマーケティング」のようなリスクがあることを承知しておくことが大切です。この記事は、ウィンザー効果の活用とリスクを紹介したものです。


伯爵夫人はスパイ

人材育成に活用されるウィンザー効果

「人を褒めて育てよ」
とは、最近よく言われる言葉です。褒めることで、褒められた人(学習者)には、以下のようなことが起きます。
1)モチベーション向上: 褒められることで自己肯定感が高まり、自信がつきます。これにより、学習に対するモチベーションが向上し、新しい知識やスキルを身につける意欲が高まる。
2)自信が生まれる: 学習の成果を認められることで、自分の成長や進歩を実感しやすくなります。また、自分にもできるという自己成就予測が高まります。これにより、困難な学習課題に対しても積極的に取り組むことができる。
3)不安や孤独感の軽減: 褒めることは他者からサポートされていると感じ、学習に対する不安や孤独感が軽減される。
ところが、重要なのは、学習者が指導者をどの程度信頼しているかです。小学生なら先生を無条件で信頼していて、このような効果があります。ところが、社会人となると、指導する上司に対して、そこまでの信頼があるかが問題です。
直接部下を褒めても、そこには上司の打算、部下への忖度などの雰囲気を過敏に感じれば、素直に受け止められません。そこで、第三者を通して褒めることが効果を上げます。
「本人がいない場所で褒める」
のは、「ウィンザー効果」を利用した人材育成です。本人がいないところでの褒め言葉は、いずれ本人に伝わります。逆に、
「本人がいないとこで、悪口を言う」
行為は、もし本人に伝われば、大きなダメージを与えます。
人材育成において、冒頭の例に挙げたO監督は、「褒める時は本人のいない所」で、「叱るときは本人に直接」というのが、モットーのようです。

マーケティングに活用されるウィンザー効果

最近は、モノやサービスを購入する際、クチコミサイトを利用する人が多くなっています。また、ミシュランガイドのように第三者の立場でランク付けしたものを選択の参考にすることも多いようです。これらが利用されるのは、売り手から商品の良い点を直接聞くより、第三者を通して商品評価を聞くほうが、信頼できると感じるからです。
ウィンザー効果を利用した評価には、以下のようなものがあります。
1)クチコミサイト:利用者の生の声がわかる。ただし、偽情報も多く要注意。
2)ユーザーレビュー:その商品を購入した人の話を売り手が、広告やHPに掲載する。
3)第三者機関のレポート:ミシュランガイド(飲食、宿泊等)、コンシューマーレポート(車)などで、権威ある機関が第三者として評価したもの。ISO、JISなどの認証もこれにあたると考えることができる。
4)マスコミに記事として掲載する:TV番組や新聞・雑誌に情報として発信することで、「パブリシティ活動」と言われます。あくまで、「メディアが情報を選び、企業が依頼した広告ではない」立場をとります。

 

「ステルスマーケティング」というリスク

ウィンザー効果が人材育成やマーケティングにおいて威力を発揮する反面、情報に信頼性がなければ、大きなリスクとなります。
例えば、クチコミサイトに偽の書き込み、SNSのサイトに対して、大量に「いいね!」をクリックする、良い評価の書き込みを金銭的報酬によって依頼するといったことです。
これらは、「ステルスマーケティング」と言われています。もし、偽のクチコミ記事、偽のユーザーレビューが発覚すれば、計り知れないダメージを受けるリスクがあります。
米国においては、既にステルスマーケティングを規制する法律が出来ています。現在、日本でも消費者庁が法案の検討に入っています。
法律ができるとかどうかの前に、正しい情報発信と正しい情報を見抜く力を付けたいものです。

まとめ

「当事者からの評価よりも、第三者からの評価のほうが、信頼され易い」という「ウィンザー効果」を積極的に使うことで、1)人材育成、2)マーケティングにおいて、成果が期待できる。
ただし、「ステルスマーケティング」と呼ばれる偽の情報によるリスクがあることを承知しておくことが大切です。

参考記事:人材育成で、「強みを伸ばす」か、「弱点克服」かは、状況次第

社長の後継者や幹部候補が「経営的視点」を持てない3つの理由

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長年、大手鉄鋼会社及び関連企業、米国鉄鋼会社に勤務。仕事のテーマは、一貫して生産性の向上。生産部門、開発部門、管理部門、経営部門において活動。何事につけても「改革しよう」が、口癖。日本経営士会会員。 趣味:市民レベルのレガッタ、ゴルフ。
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