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周囲の人が嫌がる「不幸自慢」をしてしまう3つの理由と対処法

2023/07/17
 
自慢話をする人のイラスト
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長年、大手鉄鋼会社及び関連企業、米国鉄鋼会社に勤務。仕事のテーマは、一貫して生産性の向上。生産部門、開発部門、管理部門、経営部門において活動。何事につけても「改革しよう」が、口癖。日本経営士会会員。 趣味:市民レベルのレガッタ、ゴルフ。

周囲の人が嫌がる「不幸自慢」をしてしまう3つの理由と対処法

 

人が「不幸自慢」をしたがる3つの理由と対処法

「昔は、この位の苦労は、当たり前だった」
こんな風に中高年の社員が、若い人に昔の苦労話をしても、いい顔をされないことは本人も分かっていて自制します。ところが、同じ話を夕方一杯飲みながら同じ年代の人にすれば、大いに盛り上がります。
昼休みに女性社員が、子供に手を焼いていること、姑の世話などの話を同僚にして、心を軽くしています。
年代を問わず自分が苦労した話をしたがるものです。これらの話を称して「不幸自慢」と呼びます。こう呼ぶのは、人には自分が苦労した話を誰かに聞いてもらいたい気持ちがあり、一種の自慢話になってしまうからです。
同世代で同じような経験をしたことのある人に不幸自慢をすると、それなりに話が盛り上がります。ところが、世代が違う、立場が違う人の間で、「不幸自慢」をすると、相手は「ウザい」としか思いません。特に年上の上司などからされると「迷惑」を感じることが多いものです。ただし、優秀な社員ほどそのことをうまく利用して
「いい話ですね」
などと上司を持ち上げています。飲み会などで、
「苦労されたこと、話してもらえませんか」
と振られ、すっかりその気になって長々と不幸自慢をする上司がいます。部下に適当にあしらわれていますよ。
人が「不幸自慢」をしたがるのには、理由があります。
1)大変な経験をしたことに共感して欲しい
2)周囲の人にかまって欲しい
3)本音を話したい
これらを知って、不幸自慢を慎む。あるいは、不幸自慢したい気持ちを利用することができます。


仕事と人生

大変な経験をしてきたことに共感して欲しい

人は、「自分がいかに今まで苦労をしてきたのか」を語りたくてしかたありません。それが、いつの間にか、「不幸自慢」となってしまいます。相手が
「大変だったね」
と言ってくれることを期待しています。そう言ってもらえると、自分の苦労が理解されたような気になります。心理学的いえれば、承認要求を満たしたいということでしょうか。つまり「共感」を求めて不幸自慢しているのです。「共感」を求めて不幸自慢をする時は、周りから心配してもらいたい、慰めてもらいたという心理が働いています。
不幸自慢をしたがる人は、今を純粋に頑張るより、不幸自慢をする方が、簡単に相手から同情や慰めの言葉、あるいは褒め言葉をもらえ承認欲求を満たし易いことを無意識のうちに知っています。
あるとき、仕事で言い訳の多いA君が、
「輸送のトラブルが続いて、メチャ苦労したが、やっと荷がお客に届いた。」
と同僚に話をしていました。更に、
「やっと荷がお客に届いたと思ったら、『もういらない』だって。まったくついてないよ。」
と続けていました。それを聞いていた上司が、
「その程度のトラブルは、事前に織り込み済みだろ。他の人も、大なり小なりの不運がある中で、仕事をしている。」
とズバり。
「お前だけにトラブルが起こっているわけではないぞ!」
と一括して、A君は黙らざるを得ませんでした。本人が心配しなくても周囲の人は、A君の苦労を知っています。ことさら、自分だけが苦労していることをアピールすると自分の評価が下がるのが、日本の会社です。
ただし、上司など周囲の人は、「君の苦労は知っているよ」といったニュアンスを含む言葉をかけておくことを忘れずに。

周囲の人にかまって欲しい

寂しがり屋が、かまって欲しいという気持ちで、不幸自慢をしていることがあります。不幸話をすれば
「かわいそうだね。辛い経験したのだね」
と言ってくれることを無意識に期待しています。
例えば、過去の恋愛で彼氏に酷い振られ方をしたことがトラウマになっていると相手に話して、
「辛かったでしょ?」
と言われるのを待っているといったことです。
かまって欲しい気持ちで話す不幸自慢は、常に誰かと不幸自慢を張り合おうとしてしまう傾向があります。仲のいい友達が不幸自慢を始めたら、自分も負けないように不幸自慢を重ねて話してしまうのです。
例えば、高齢者の「病気自慢」を思い浮かべてください。健康診断の結果をみて、嘆く同僚に
「自分は、もっと悪い数値がある」

などと話すケースです。同様に、何か辛い経験を話した人に対して、自分の方がもっと辛い経験をしていると周囲にアピールするようなことです。
不幸自慢を張り合って、話が盛り上がります。会話自体を楽しむ場ではいいですが、あまり建設的な話にはならないものです。適度に切りあげることが、賢明でしょう。

本音を話したい

聞く人が、不幸自慢と感じていても、本人からすれば、不幸自慢をしているという認識はなく、会話の話題の1つとして本音を話しているつもりの場合です。
本人は、本当のことを話しているだけなので愚痴や自慢しているということに全く気付いていません。しかし、受け取り側が過剰に反応して「不幸自慢している」と感じてしまうのです。
同じ不幸自慢でも、話す人が「尊敬できる上司・先輩」となると受け取る印象は変わってきます。受け取り方が、話す人の普段の態度や言動に影響されています。職場のコミュニケーションがよく、理職と部下の意思疎通がうまくいっていれば、本音で話したことはそのまま相手に伝わります。もし、そうでなければ、不幸自慢として受け取られます。
本音を素直に話したつもりでも、相手によって受け取り方が違うことを意識しておくことです。

 

まとめ

人が嫌がる「不幸自慢」をしてしまうのには、理由があります。
1)大変な経験をしたことに共感して欲しい
2)周囲の人にかまって欲しい
3)本音を話したい
これらを知って、不幸自慢を慎む。あるいは、不幸自慢したい気持ちを利用することができます。

参考記事:成功事例の話では、「生存者バイアス」がかかりやすいと心得よ!

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長年、大手鉄鋼会社及び関連企業、米国鉄鋼会社に勤務。仕事のテーマは、一貫して生産性の向上。生産部門、開発部門、管理部門、経営部門において活動。何事につけても「改革しよう」が、口癖。日本経営士会会員。 趣味:市民レベルのレガッタ、ゴルフ。
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