「報連相」がうまくできるコツは、タイミングの良い報告をすること
「報連相」がうまくできるコツは、タイミングの良い報告をすること
「報連相」がうまくできるコツは、タイミングの良い報告
「なぜ、早くそれを言わなかったのだ!」
「今頃、そんなことを言うのか?」
こんな言葉で、上司から叱られる社員を沢山見てきました。いわゆる「報連相」(=ホウレンソウ)、報告、連絡、相談が、うまくできていない社員が、上司に叱られるパターンです。「報連相」が大切なことは、新入社員研修から、繰り返し教えられているはずです。しかし、「報連相」がうまくできていない部下にイラつく上司が多いのです。
「報連相」をうまくできるコツは、「どう報告するか」でも「どう連絡するか」では、ありません。「どんなタイミングで報告や連絡をするか」です。どんな話し方、どんな言葉使いであろうとも、タイング良く先輩や上司に必要なことを伝えることができれば、相手は安心し、後輩や部下を信頼します。
「報連相」をするタイミングとは、以下のようなときです。
1)仕事に取り掛かってすぐの報告
2)定期的な報告
3)状況が変化したとき
4)ミスやトラブル時
5)予定通り、事が終わりそうもないとき
これらのタイミングで、簡潔に報告や相談が出来れば、先輩や上司は安心し、信頼してくれます。同僚や上司が一番怒りを覚え、叱りたくなるのは、失敗でもなく、言葉使いでもなく、報告が遅れるなどの報連相のタイミングの悪さです。
報連相の方法は、対面で話すだけでなく、Eメール、Lineなどのチャット、電話、ビデオ電話など様々な方法があります。要は、相手にタイミングよく情報を伝えることができるかどうかです。
この記事は、「どうも報告が苦手」という方や若手社員に向けてアドバイスです。
仕事に取り掛かってすぐの報告
上司にまとまった仕事を指示されて取り掛かったら、早い段階でその感触を伝えることが大切です。少し仕事をしてみると、難易度や処理スピード、必要な時間が感覚的に分かります。これらを上司に報告し、自分の思う「今後の見通し」を伝えることです。
上司は、部下が仕事の意味ややり方を正しく理解していること、部下が指示された仕事を容易にできそうか、そうでないかなどを把握できます。
部下が、この段階で上司の思いと全く異なった考え方、行動をしていることが分かれば、後で気が付くことに比べれば、容易に修正できます。
この段階で、仕事をしてみて気付いた点や疑問点を質問しておくと、仕事が進んでからのやり直しが防げます。
もし、自分なりのやり方を工夫したり、変更したりしたのであれば、これも上司に伝えておきます。
定期的な報告
仕事を指示した上司にとって、指示した部下から音沙汰ないことが、不安を抱かせたりイラつかせたりします。たとえ、部下が順調に仕事を進めていて、「上司に報告する必要がない」と思っていても、報告がないと上司は不安を感じます。1日1回、週に1回といった定期的な報告が、上司を安心させ、部下への信頼を高めます。
最近は、テレワークでの仕事も多くなり、直接上司と顔を合わせての報告が出来ないことが多くなりました。ある会社では、夕方になると
「本日の業務は、終了しました。今日は、○○まで作業しました。」
「明日は、△△をXXのような仕方でやります。」
といった内容のLineメッセージを毎日上司に送ることしました。送った方は、Lineで既読表示が出るので、上司が確認してくれているのが分かります。Lineを使うことで、テレワークや出張で職場にいなくとも、報告ができるようになりました。最近、この会社では、Lineでグループを作り、毎日メッセージをグループ員が共有することで、互いの進捗が分かるようになり、遅れた人のサポート、アドバイスなどができるようになったとのことです。
状況が変化したとき
仕事を進めているうちに、仕事に影響を与えそうな情報や割り込みの仕事が入ってきたときは、上司に報告することが基本です。
問題は、その情報や割り込みの仕事が、上司から指示されている仕事に影響を与えそうか、どうかを判断することが難しいことにあります。
何か変化があったとき
「この位のこと大丈夫だろう」
と自己判断して報告せず、後にどのことで大きなトラブル生じ、納期遅れや大きな損失に発展することもあります。
自分の考えることや判断と、上司の考えること判断が異なることを前提にしておくことです。上司の考えや判断が、必ずしも正しいかどうかは、わかりません。しかし、「事実」を上司と共有するために、報告することが基本です。仕事に関する事実は、実際に仕事をしている人の方に多くあります。「仕事に影響を与えるかどうか」考えこまず、上司に伝えることが大切です。
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ミスやトラブル時、まず「事実」を報告する
指示された仕事を遂行する中で、トラブルが発生した時。あるいは、自分がミスをした時、躊躇せず報告をしなくてはなりません。しかし、
「トラブルの状況が、ハッキリしてから」
「ミスのリカバリー策が出来てから」
と報告を後回しにすると事態が悪化したとき取返しがつかないことに成るかも知れません。報告を後回しになりがちなのは、「まず事実を報告する」ということが、基本的なことを忘れているからです。
トラブルが発生した、ミスをした時、同時に「原因」、「責任」、「対策」とあれこれ考え、これを付けて報告しようとするので、伝えることが遅れるのです。まず、起こった事実、自分が掴んでいる範囲の事実を速やかに報告することが第一です。その他のことは、報告を受けた上司が判断したり、調査を指示したりします。上司に、
「よく、そのことを報告してくれた」
と言わせたいものです。
トラブルが起きたとき、報告が遅れるもう一つの原因は、
「こんなことを上司に報告すべきだろうか」
と迷ってしまうことです。「機械故障で生産設備が止まったが、1時間ほどで復旧した。」「お客様からクレームの電話があったが、数分間話して終わった。」といったときなど、担当者は、上司に報告すべきかどうか迷います。勝手に
「事後報告でもいいか」
と何もしないでいると、後から上司に
「なんで、報告しないのだ」
と叱られることもあります。
トラブルのとき、上司に報告する基準を決めておく方法があります。製造現場の例ですが、その職場では、「生産設備がトラブルで止まったら班長報告。」「15分以上止まる見込みなら課長報告。」「2時間以上の停止は、部長報告」といった具合にルール化していました。これで、作業者の心理的負担は、大きく軽減されたとの話。
予定通り、仕事が終わりそうもないとき
仕事には期限があります。明確な期限としての納期が設置されていなくても、上司が部下に指示した時点で、暗黙の期限が設定されています。
仕事を遂行していて、納期に間に合わないと思われた時点で、上司に報告し判断を仰ぐ必要があります。報告をためらって先延ばしにすれば、傷口が広がります。
難しいのは、「このまま進めて、納期に間にあうか、間に合わなか」の判断です。事務所処理や製造の仕事なら、これまでの仕事の効率(ペース)と残り量を見ればわかります。ところが、企画系の仕事は、一定のペースで仕事が進むわけではないので、判断が難しいものです。だから、「報連相」です。大事なことは、期限が来てしまってからの連絡では、どうしようもないということです。
ある上司は、若手社員に対して、仕事の時間として与えている時間の7割が消化した時点で、報告することを指示していした。3日かかりそうな仕事なら、2日目が終わったころに、報告させています。
まとめ
「報連相」をうまくできるコツは、「どんなタイミングで報告や連絡をするか」。
「報連相」をするタイミングは、
1)仕事に取り掛かってすぐの報告
2)定期的な報告
3)状況が変化したとき
4)ミスやトラブル時
5)予定通り、事が終わりそうもないとき。
これらのタイミングで、簡潔に報告や相談が出来れば、先輩や上司は安心し、信頼してくれます。同僚や上司が一番怒りを覚え、叱りたくなるのは、失敗でもなく、言葉使いでもなく、報告が遅れるなどの報連相のタイミングの悪さです。