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DXに必要な経営資源は、「ヒト」「モノ」「カネ」より「データ」「コト」「時間」

 
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長年、大手鉄鋼会社及び関連企業、米国鉄鋼会社に勤務。仕事のテーマは、一貫して生産性の向上。生産部門、開発部門、管理部門、経営部門において活動。何事につけても「改革しよう」が、口癖。日本経営士会会員。 趣味:市民レベルのレガッタ、ゴルフ。

DXに必要な経営資源は、「ヒト」「モノ」「カネ」より「データ」「コト」「時間」

 

DXに必要な経営資源は、「ヒト」「モノ」「カネ」より「データ」「コト」「時間」

「ヒト」「モノ」「カネ」の3つは、企業の基本的経営資源と言われてきました。企業経営において、この3つを如何に集め効率よく使うが鍵となります。更に、これらに「情報」を加えて4つの経営資源と言われようになっています。それは、情報の時代となり、「ヒト」「モノ」「カネ」が、情報と結びつくことで、より効率的に利用できるからです。
近年、デジタル技術を使って改革を進めるDX(デジタルトランスフォーメーション)の必要性を叫ばれる時代になっています。DXを進めるには、経営資源としての「情報」の重要度が、従来以上に高まっています。DXでは、従来のモノやサービスの提供を実際にヒトが行うリアル空間から、ネット上の仮想空間であるデジタル空間を活用することが多くなります。すると、従来からある「ヒト」「モノ」「カネ」という経営資源の考え方が、デジタル空間では変わってきます。DXを進める際のデジタル空間で重要な経営資源は、「データ」「コト」「時間」です。
1)「ヒト」ではなく、人が持っている知見である「データ」
2)「モノ」ではなく、顧客の問題解決する「コト」
3)「カネ」と同等な「時間」
こんな風にデジタル空間では、必要な経営資源を捉えることができます。デジタル空間では、この3つを有効活用することがDXを成功させる鍵になります。IT技術の進歩で、今や企業活動の場は、リアル空間とデジタル空間にまたがり、デジタル空間の比率が高まっています。
デジタル空間で働くのは、人ではなくデータであり、考えるのはアルゴリズムです。
この記事では、デジタル空間で重要な経営資源である「データ」「コト」「時間」について考えます。


1冊目に読みたい DXの教科書 (なるほど図解)

DXでは、「ヒト」から「データ」

人は、組織を運営していく上で、基本となる要素です。経営資源として考える「ヒト」には、様々なものが含まれています。労働力としてのヒト、マネジメント力としてのヒト、技術やノウハウを持つヒト、顧客としてのヒト等々です。
デジタル空間では、ヒトは存在しません。存在するのは、ヒトが生み出す「データ」です。モノづくりの技術、ノウハウ、マネジメント力、顧客の情報などが、デジタルデータに置き換わることで利用できるようになります。いくら人材がいても、人の動きや知見がデータ化されなければ、デジタル空間では利用できません。
初歩的なものでは、作業者の手足の動きをデータ化して、ロボットのプログラムになっています。更に、マネジメントの方法やノウハウもデータ化して、デジタル空間で利用され始めています。ヒトの知見をデータ化し、アルゴリズムによって判断することが現実化しつつあります。
AI(人工知能)は、機械学習により大量のデータから特性関数を見つけ出し、判断の為のアルゴリズムを導き出すことも可能です。ただし、これは、使われるデータの質と量が十分かどうかによります。いい人材を見つけるのと同様に、いいデータを見つける必要があります。
優れた営業マンは、お客様に関することを良く知っています。ニーズや気持ちまで知っています。これをデータ化して、通販サイトやマッチングアプリは作られます。

DXでは、「モノ」から「コト」

商品としてモノやサービスを実際に提供し、顧客を満足させることで対価を頂くのがリアル空間での仕事です。
例えば、新聞や本は、印刷された紙を売って対価を得ていました。ところが、新聞のネット配信、本のネット販売や記事のダウンロードサービスが広がっています。商売としては、これまでの印刷した紙を売るから、ネットを通して情報を届けることに変化しています。お客様は、モノとしての印刷物が欲しいのではなく、「コト」である情報が欲しいのです。
デジタル空間では、モノを顧客に届けるのではなく、情報や解決策を届けます。これを総称して「コト」を届けると呼ばせてもらいます。
顧客に「コト」を提供するとは、「解決策を届ける」「体験価値を届ける」といったことです。DXを進める上で、最も大切なことは、顧客にとって何が最も欲しい「コト」であるかを見つけるのが重要です。デジタル技術の進歩で、各人の欲しい「コト」を個別に掴むことが出来ます。従来の
「たぶん皆が、これを欲しがるだろう」
から、デジタル技術により個人や各企業の欲しい「コト」を把握し、モノやサービスを「解決策」「体験価値」として提供することができます。
リアル空間では、顧客の求める「モノ」を探し提供することでしたが、デジタル空間では、顧客の求める「コト」を見つけ提供することになります。

 

DXでは、「カネ」と「時間」

設備投資をする際、費用対効果を重要視して企業は意思決定します。つまり、投資したカネをその利益により何年で回収できるかです。この考え方が有効なのは、ハードやソフトの設備が完成し、その後安定した売上が見込める場合です。「7年で回収」、「15年で回収」といった計算ができるのは、売上を仮定しているからです。
ところが、DXの投資では、投資の効果が単純な利益とならない場合があります。
例えば、商品の比較サイトや何かのマッチングサービスを始めるとサイトに一定の顧客が集まらないと効果は生まれませんし、手数料や広告の収入も見込めません。また、競合が現れる可能性が大いにあります。
DXを進める上では、時間対効果を考慮することが重要になります。時間対効果とは、かけた時間に対する効果です。DXの為のシステム開発には、思いの他時間がかかることがあります。できたシステムや「しくみ」が軌道に乗り効果を発揮するには時間がかかります。サービス提供が他社より遅れると、競合の顧客囲い込みが進み、競争で不利な立場に立たされます。
デジタルによるサービスは、内容に大きな差がなければ、先行することが絶対優位であることは、GAFAなどの例を見れば明らかです。GAFAのような世界的なものでなくても
日本の業界初、地域初が、優位性を高めます。
DXを進める上では、「カネ」と同等以上に「時間」を重要視することが必要です。

 

まとめ

DXでは、従来のモノやサービスの提供を実際にヒトが行うリアル空間から、ネット上の仮想空間であるデジタル空間を活用する比率が高まります。
「ヒト」「モノ」「カネ」というリアル空間での経営資源は、デジタル空間では変わります。DXを進める際のデジタル空間で重要な経営資源は、
データ」「コト」「時間」
です。デジタル空間において、この3つを有効活用することがDXを成功させる鍵になります。

参考記事:職場におけるDX推進方法と「2025年の崖」「レガシーシステム」

社内から不満だらけの「情報システム部門」の課題と対応

 

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