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何が「ニューノーマル」になるかを決める3つのポイント

2021/09/15
 
ニューノーマルのイラスト
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長年、大手鉄鋼会社及び関連企業、米国鉄鋼会社に勤務。仕事のテーマは、一貫して生産性の向上。生産部門、開発部門、管理部門、経営部門において活動。何事につけても「改革しよう」が、口癖。日本経営士会会員。 趣味:市民レベルのレガッタ、ゴルフ。

何が「ニューノーマル」になるかを決める3つのポイント

 

何が「ニューノーマル」になるかを決める3つのポイント

最近よく「ニューノーマル」という言葉を聞きます。ニューノーマルとは、New(新しいこと)とNormal(正常、標準、常態)を合わせた造語です。元々は経済の世界で使われた言葉で、2007年から2008年にかけての世界金融危機、リーマンショックを経た後の構造的な変化を表現したものです。
現在、このニューノーマルという言葉は、いろいろな場面において「いままでの常識が大きく変わる」といった意味になっています。ネット記事などでは、ニューノーマルは、テレワーク、働き方改革、DX(デジタル改革)といったあらゆる生活や働き方、ビジネス環境の変化を指しています。

ニューノーマルを考えるとき、「ノーマル」の部分が大切です。何が「普通」になって、何が「過去の普通」になるかです。コロナ禍の中、オリンピックは無観客で行われました。プロ野球の観客数も制限されています。しかし、コロナが終息すれば、きっと観客は戻ってきます。今のやり方(観戦スタイル)は、ニューノーマルにはならないでしょう。一方、コロナ禍前、朝夕の東海道新幹線はビジネス客でいつも一杯でした。いま、ガラガラの状態です。ではコロナ終息後、ビジネス客は戻ってくるのでしょうか。リモート会議やリモート商談の普及で、おそらくコロナ禍前の何割かにしかならないでしょう。ビジネスで移動することが少なくなることが、ニューノーマルです。

何がニューノーマルになるのかを知ること、どうすればニューノーマルに対応できるかが重要です。何が「ニューノーマル」になるか決める3つのポイントがあります。
1)非常時のやり方は、必ずしもニューノーマルではない
2)より利便性、経済性、価値の高いことが、ニューノーマルになる
3)ニューノーマルは、「現状維持バイアス」に打ち勝ってできる

コロナ禍は、ニューノーマルを生み出す大きなきっかけです。この3つに注意することで、うまくニューノーマルに対応できます。コロナ禍が終息した後、ニューノーマルとして、より良い生活スタイル、働き方が生まれていることを期待します。


アカン! DX

非常時のやり方は、必ずしもニューノーマルではない

冒頭上げた例にあるように、非常時のやり方が、必ずしもニューノーマルではありません。スタジアムの観客は、いずれ戻ってきます。しかし、その行動パターンがどうなるか分かりません。飲食が普通に行われるのかどうか。かつては、プロ野球観戦に熱心なファンは、ラジオを持参して解説を聞き、ビールを飲みながら球場のスクリーンを見ていました。これからは、スマホに5Gを通して写し出される立体映像と解説で観戦することがニューノーマルになるかもしれません。

 

より利便性、経済性、価値の高いことが、ニューノーマルになる

コロナ禍を機に、リモート会議、リモートワークが広がりました。使ってみると、その便利さが実感できます。
昔から電話会議システムがあります。米国では、かなり使われており、1990年代湾岸戦争や米国同時多発テロ事件の頃出張ができず、米国との間でやむなく利用しました。やってみると、誰が話しているのか、どんな反応なのかわかりません。ましてや、英語での会話では聞き取れないことも多く苦労したのを覚えています。電子メールの普及もあり、電話会議は、ノーマルになりませんでした。ところが、映像の出るリモート会議は、違います。英語がたどたどしくとも、相手に伝わっているどうかが相手の反応で分かります、図表で説明できます。これは、ニューノーマルになると確信しました。

非常時に始まったり、普及したりしたことで、利便性、経済性のあるものは、ニューノーマルとなります。商談における面談が、どこまで残るか分かりませんが、大幅に減ることは確かです。ビジネスのための新幹線利用は、なかなか戻らないと思います。東京から1泊で大阪に出張していたのが、新幹線で日帰り出張がニューノーマルになり、今5分前にウエブ会議に接続することが、ニューノーマルです。それは、利便性と経済性が高いからです。

旅行やエンターテイメントは、臨場感が大きな要素です。バーチャルでどこまでカバーできるか分かりませんが、観光地やスタジアム、劇場に行くことがノーマルであり続けるように思えます。バーチャルの旅行は、宇宙旅行やコミックワールドに限られ、当分ニューノーマルにはならないでしょう。

一時的にノーマルの見えることも、人々が価値を見いださなければ、ニューノーマルとして定着することはないでしょう。きっと旅行は、そこに行くことが価値の根源であり、旅行をしなくなることが、ニューノーマルとなることはないでしょう。

 

ニューノーマルは、「現状維持バイアス」に打ち勝ってできる

「喉元過ぎれば熱さを忘れる」ということわざがあります。日本で今一番怖いと思うのは、このことです。コロナ禍や働き方改革の呼びかけで、新しい仕組みや行動がニューノーマルとして定着しようとしていることが、コロナ禍が終息したら「元の木阿弥」になることを心配します。医師や患者の負担を減らそうと国は、「リモート診療」を進めようとしていました。ところが、まだ初診で「リモート診療」が全くできていない状況です。(21年8月)また、コロナ禍が始まったころ、「国として非常事態のための法づくりが必要」との声も上がりましたが、患者の急増に仕組みづくりの話は消えてしまっています。

人や組織には、大きな「現状維持バイアス」があるため、習慣や仕組みを変えるには、大きなエネルギーが必要です。一時的には、新しいやり方を採用しても、環境がもとに戻ると「喉元過ぎれば熱さを忘れる」とばかり、やり方も元に戻りたがるものです。ニューノーマルを作り定着させるのは、過去に縛られない若い人、あるいは若い気持ちを持った人です。日本人が忘れかけている挑戦や勇気といった気持ちが必要です。

DX(デジタル改革)、働き方改革が叫ばれ、2021年9月にはデジタル庁も作られました。ニューノーマルに巻き込まれるのではなく、ニューノーマルを作り出すことが、企業や社会の発展に必要でしょう。

 

まとめ

コロナ禍をきっかけに、生活や働き方が大きく変わり、「ニューノーマル」といわれるようなやり方に変わってきています。何が、ニューノーマルになるのかを知ること、どうすればニューノーマルに対応できるかが重要です。何が「ニューノーマル」になるかを決める3つのポイントがあります。

1)非常時のやり方は、必ずしもニューノーマルではない
2)より利便性、経済性、価値の高いことが、ニューノーマルになる
3)ニューノーマルは、「現状維持バイアス」に打ち勝ってできる

コロナ禍は、ニューノーマルを生み出す大きなきっかけです。この3つに注意することで、うまくニューノーマルに対応できます。コロナ禍が終息した後、ニューノーマルとして、より良い生活スタイル、働き方が生まれていることを期待します。

参考記事:職場におけるDX推進方法と「2025年の崖」「レガシーシステム」

日本企業が、DXを推進するために乗り越えるべき3つの壁

 

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長年、大手鉄鋼会社及び関連企業、米国鉄鋼会社に勤務。仕事のテーマは、一貫して生産性の向上。生産部門、開発部門、管理部門、経営部門において活動。何事につけても「改革しよう」が、口癖。日本経営士会会員。 趣味:市民レベルのレガッタ、ゴルフ。
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