採用面接、商談、男女の出会いの場でする「自己紹介」のコツとは
採用面接、商談、男女の出会いの場でする「自己紹介」のコツとは
自己紹介は、相手の興味に合わせてする!
採用面接での自己紹介。イベントでの自己紹介。講演者の自己紹介。商談での自己紹介。自己紹介は、様々な場面で必要になります。自己紹介は、コミュニケーションの「きっかけ」ではありますが、その後の展開に重要な役目をします。
私は、長年企業の採用面接をしています。面接の冒頭、就活生のする2分間ほどの自己紹介で、ほぼその人物が分かります。あとは、その直感を確認していると言った方がいいかも知れません。面接後に同席した面接官と話をすると、大抵は同様な見解です。また、講演会の講師、商談で売り込みの際の自己紹介の印象で、相手が話を聞く気になったり、興味がわかなかったりすることもあります。
自己紹介は、その後のコミュニケーション全体を決めるほど重要であるにも関わらず、あまり意識せずに自分中心であったり、その後に話が続かなかったりするような話をする人がいます。
人は、自分と関係がないことに興味を示しません。自己紹介は、自分に興味を持ってもらいその後のコミュニケーションを充実させるためにします。その為には、相手の興味に合わせて話すことが重要です。
自己紹介を難しく考える必要はありません。自己紹介をする目的を明確にすれば、相手が何を期待するか想像できます。その期待に従って話すのです。
自己紹介の目的は、3つあります。
1)自分を知ってもらう(採用面接の場面など)
2)自分の信用を得る(商談や講演の冒頭など)
3)相手の期待度を上げる(会合で初めて会うときなど)
異業種交流パーティで初めて会った人に、採用面接のように学歴や職歴などの自己紹介をしても、相手は引いてしまうでしょう。まず、「何を職業としている人か」を知りたいはずです。商談の場で、自己紹介なしに商品を説明されても、
「そもそも、お前は誰だ」
ということになります。商品の説明の前に、「あなたは、誰ですか」ということを知ろうとしています。
自己紹介は、コミュニケーションの第一歩です。相手が、何に興味があるか(知りたいか)を考えてすることで、その後の会話を充実させ良好な人間関係を作ります。
自分を知ってもらう自己紹介
採用面接は、自分を知ってもらうための場です。自己紹介では、出身地や出身大学、学部や所属している部やサークル等を紹介します。しかし、面接官からするとそんなことは履歴書やエントリーシート(ES)に書いてあります。確認の意味しかありません。本音は、面接者のコミュニケーション能力や人間性を知ることが目的です。
自己紹介しているのに、いつの間にか、出身大学や所属しているサークルの紹介になっている人がいます。私は、ある学生は自己紹介で、ラクロスというスポーツの説明を延々とされて当惑したことがあります。
人は、一貫した話、自分と関係のある話に興味を持つものです。採用面接で、どんな理由で大学や学部を選んだのか。どんなきっかけでラクロスに出会ったのか。どうして、この会社に応募したのかの中に、一貫したものが見いだせると「その人を理解できた」との気になります。学生の「常に全力で頑張ってきた」ことが分かる話、「郷土愛」「家族を大切にする気持ち」で活動して今日に至るといった一貫した気持ちが、自己紹介で伝わると、面接官は好印象を持ち易いものです。
採用面接の自己紹介で、自己PRをしてしまう人がいます。自己紹介は、あくまでも自分の全体像を知ってもらうことにあります。自己PRをするためのイントロです。相手に興味をもってもらい、次の話につなぐことに気を付けて話すことです。
採用面接に関する詳しい記事:採用面接がうまくいくために自己紹介で気をつけたい3つのポイント
就活の面接では、自己紹介でコミュニケーション能力を示すこと
自分の信用を得る自己紹介
初めてのお客様にアポイントを取って、対面であれリモートであれ、商品を売り込もうとしても相手は、
「お前は誰だ!」
という反応が先に立ちます。
「○○さんから、紹介を頂いた△△です。」
と紹介してくれた方を間にいれるのは、相手の信用を得るためです。
講演会の自己紹介も聞く人の信用を得るためのものです。大抵プログラムに簡単な経歴を書いてありますが、生で自己紹介を聞くと人間性や親しみを感じるものです。
「俺のことは知っているだろう」
といった態度の自己紹介は、共感を得にくいものです。
商売で、うまく自己紹介を利用している人がいます。家電量販店のAさんは、いつもお客様にミニ自己紹介をします。売り場でお客様に向かって、
「私、長年この店で家電を売ってきましたAと申します。掃除機売り場を担当して3年です。これ、今一番売れているのはD社製ですが、確かにいいですよ。価格からみれば、P社製も悪くありませんが・・・」
こんな風にAさんは、ミニ自己紹介で、自分が掃除機のプロであること、メーカーの人間ではなく、中立の立場である販売店の社員であることを話します。これで、お客様は、Aさんを信用して、そのアドバイスに従った買い物をしてしまうのか、常に店のトップセールスを維持しています。
相手の期待度を上げる
異業種交流会やイベントの後の懇親会、サークルなど人間関係をつくる場での自己紹介は、単に知ってもらうというより、相手の期待度を上げるためです。相手に、興味をもってもらい、
「自分にとって、この人は付き合うメリットがある人間」
と思ってもらうことが目的です。相手の気持ちに沿わない自己紹介は意味がありせん。
過去の実績を延々と話しても、相手には単なる自慢話にしか聞こえません。過去1年ぐらいで、自分が何をし、何か考えているかを紹介することが、相手の心に響きます。これから人間関係を作ろうとする人にとって、相手は「今どんな人であるか」が重要です。
相手の知らないこと、相手が予想しないことを自己紹介に入れると、相手の期待度は上がります。
男女の付き合いで、相手が見た目と違うことを告白されて、一気に興味を抱かせることから恋愛物語は始まります。(一気に興味を失う、逆のケースもまた多いですが。)
コロナ禍で減ってしまいましたが、商工会議所や大企業の賀詞交換会などで、自己紹介をされても、名刺の企業名しか残らないものです。相手と関係を作りたければ、相手の期待を想像し、これに合わせて自己紹介することが大切です。
また、数字や他と比較した情報が入ると、相手は強く興味を持ちます。
「彼女は、売上1番のセールレディです。」
「彼は、学生時代、ゼミで1番ダサい奴でした。」
こんな風に、他の方に一言もらって自己紹介を始めると、相手は、よく聞いてくれます。イヤミにならない程度であれば、自分で数字や他との比較を言っても構いません。数字や比較をつかった自己紹介は、信用にも繋がります。
まとめ
自己紹介をうまく進めて、その後のコミュニケーションを充実させるには、相手の興味に合わせて話すことです。自己紹介をする目的を明確にすれば、相手が何を期待するかが推測でき、これに合わせて話ができます。
自己紹介の目的は、3つあります。
1)自分を知ってもらう
2)自分の信用を得る
3)相手の期待度を上げる
自己紹介は、コミュニケーションの第一歩です。相手が、何に興味があるか(知りたいか)を考えてすることで、その後の会話を充実させ良好な人間関係を作ります。