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「会話が続かない」という「会話が苦手な人」に知って欲しい「協調の原理」

 
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長年、大手鉄鋼会社及び関連企業、米国鉄鋼会社に勤務。仕事のテーマは、一貫して生産性の向上。生産部門、開発部門、管理部門、経営部門において活動。何事につけても「改革しよう」が、口癖。日本経営士会会員。 趣味:市民レベルのレガッタ、ゴルフ。

「会話が続かない」という「会話が苦手な人」に知って欲しい「協調の原理」

 

会話の暗黙のルール「協調の原理」とは

「就職面接で、会話が途切れてしまった」
「彼氏(彼女)との話が続かない」
「上司から話かけられても、会話が続かない」
そんな「会話が苦手な人」がいます。コミュニケーションは、必ずしも会話だけでするものではありませんが、話が続かないと「不安感」が出て相手と別れた後まで、その気持ちが残るものです。
そもそも会話の目的は、必要なことを伝える「連絡」や「報告」と異なります。会話を続けること自体に意味があり、互いに「共感」することが暗黙の目的です。会話の後、
「相手の気持ちが分かった」
「どんな人か分かった」
「誤解が解けた」
といった「共感」が得られた時、最も充実感が残るものです。
会話がうまく続かないという「会話の苦手な人」にお勧めなのが、「協調の原理」を知っておくことです。「協調の原理」は、イギリスの哲学者・言語学者であるポール・グライスが、1979年に人々が通常の会話をする中に存在する暗黙のルール(格率)を4つの原理としてまとめたものです。
「協調の原理」は、以下のような4つのルールがあります。
1)量のルール:適切な話の長さ。話に必要以上の情報を盛り込まない。
2)質のルール:真実を話すこと。ウソと思っていることを言わないこと。
3)関連性のルール:話題と関係のない話をしない
4)話し方(様態)のルール:順序正しく、わかり易く話すこと
これらは、目新しいことではありません。しかし、意外にできていないことも事実です。自分では、適当な長さと思っていても、相手からすると「長々と話している」と感じているかもしれません。ウソでなくても、何かを隠そうとした話し方や、関係のない話をされても会話は続きません。「協調の原理」の4つのルールを意識するだけで、コミュニケーション能力が上がります。
また、この4つのルールを意図的に「相手にわかるように破る」と「ユーモア」や「笑い」が生まれるという技があります。漫才師のボケが、
「○○△×××・・・○○・・・」
長々としゃべるとツッコミが、
「何をごちゃごちゃ言うとんねん!」
ときます。
「このバッグ、5万ドルや。アメリカ村で買ったフランス製の偽物やけど要らんか!」
いかがでしょうが、「協調の原理」を巧妙に逸脱させて笑いを作っていると思いませんか。
この記事では、「協調の原理」に沿った会話のコツを紹介します。

なお、グライスは、「格率」という言葉を使っていますが、この記事では分かり易く「ルール」に置き換えています。 格率(かくりつ=maxim 英語)とは、カントが言い出した哲学用語で、個人が自分で守ろうと決めている「規則」「掟(おきて)」「基準」のようなものです。「格率とは、ある条件において行為を決定する個人の行動原則」ということです。(小学館 日本大百科全書より)同様に「様態」「話し方」としています。

 

量のルール

ルール1:「話は、適切な長さにすること。話に必要以上の情報を盛り込まないこと」
会話が続かない原因を「量のルール」から考えてみます。
1)自分を「人見知り」と決めて沈黙してしまう
人見知りな人は、人前で緊張して沈黙することが多々あります。相手も同じ様に人見知りの場合は、会話が始まりません。まず、なんでもいいから会話を始めることです。「人見知り」とは、自分で決めているだけのことが多いものです。ちょっとだけ勇気を出して、最近出会ったことや自分のこと、相手の名前からの質問などをすることです。話のきっかけさえあればいいのです。話の量が増すと、自然に会話が出来るようになります。

2)相手の話に耳を傾けず、自分の話ばかりする
会話において、一方の話が長過ぎれば、会話は続きません。自己中心的な人は、相手の話に耳を傾けるようなこともなく話をしてしまう傾向があります。また、相手から自分の話を遮られると、会話に興味を失うこともあります。結局、双方が不快な思いをして、会話が続かなくなります。

3)すぐに結論を出そうするな
「それってこういうことでしょ」
とすぐに結論を言いたがる人とは、会話が続きにくくなります。一般の会話では、相手は結論を求めていません。「話を聞いて欲しい、」「共感して欲しい」のです。それを、勝手に要約され結論を言われたら、もう会話が続くことはありません。

 

質のルール

ルール2:「真実を話すこと。ウソと思っていることを言わないこと」
1)不満や陰口など、ネガティブな言動は控える
話している内容が、不満や愚痴などネガティブなものばかりであれば、相手もいい気分にはなりません。不満や陰口は、当人にとっては正しくとも、客観的にみて事実かどうかは分かりません。第三者や芸能人についてのネガティブな話は、相手も同調してくれそうですが、実は相手がその人と繋がりがあったりして、必ずしも「共感」ではないこともあります。

2)相手の意思を汲み取れない
相手の言いたいことがわからないと、話が噛み合わなくなり会話がスムーズに続きにくいものです。相手が分かりにくい言い方をしている可能性もあります。
「それは、○○のことですか?」
と訊くこともできますが、何度も続くと相手は、自分の意思をうまく汲み取れない人として、会話が途切れてしまいます。
互いに相手の意思が伝わる話し方をすることです。

3)自信をもって話す
自信がないと
「こんな話をしたら相手がどう思うかな」
などと、何か話すたびに相手のことが気になってしまうことも少なくありません。また、真実の自分が出せず、ウソではないでしょうが、自分を飾って話すことも有りがちです。
自分を飾って背伸びをした話、ビクビクしながら相手の様子を伺いながら話しても会話は盛り上がらないものです。

 

関連性のルール

ルール3:「話題と関係のない話をしない」
会話が続かない大きな原因は、この関連性のルールが守れないからです。
1)「一問一答」では、会話が途切れる
会話がブツ切りになってしまうとき、よく陥ってしまうのが「一問一答」のパターンです。
「趣味は?」「休日の過ごし方は?」「好きな食べ物は?」
と質問をして、一つ一つ答えてもらっても弾んだ会話にはなりません。それは、質問一つ一つがバラバラで関係性がなく、聞き手の都合でしか内容が構成されていないからです。質問された側の立場で考えると「つまらなさ」がよくわかると思います。
質問の材料は、相手の回答の中にあります。
例えば、
「趣味は?」
と質問して、
「野球」
と答えたとしたら、
「野球観戦ですか。それとも、自分でプレーするのですか」
と連想型の質問ができて、会話として繋がります。

2)相手と自分の共通点を探す
話をし出したら、同郷の人と分かった途端に会話が弾むことがあります。出身地、年齢、共通の知人、趣味など会話の中で相手のとの共通点を探すと会話が繋がります。共通点が多ければ多いほど、相手は安心して心を開きやすくなり、会話が楽しくなるものです。

3)相手に対して興味や関心を持つ
相手との共通点を探すのと反対に、相手に対して興味がなければ、感情が表に出ず会話も盛り上がることはありません。何か話しかけても
「ふーん」、「そうなんだ」
しか反応がなければ、「話しても、なんだかおもしろくない」と思ってしまうでしょう。
「愛してもらいたければ、先に愛しなさい」
という言葉があります。心理学的には、「返報性の法則」として知られています。こちらから相手に対して興味を示せば、相手もこちらに興味を示します。
また、自分からプライベートな話をすれば、相手も打ち解けてくれるものです。

 

話し方のルール

ルール4:「順序正しく、わかり易く話すこと」
話仕方について、グライスは、4つのルールを挙げています。
1)不明瞭な表現を避けること。
2)多義的な表現を避けること。
3)簡潔に言うこと。
4)順序正しく言うこと。
これらは、説明の余地がないところです。会話上手は、相手が分かるレベル、スピードで話します。

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まとめ

「会話の苦手な人」にお勧めなのが、「協調の原理」を知っておくこと。
「協調の原理」には、4つのルールがあります。
1)量のルール:適切な話の長さ。話に必要以上の情報を盛り込まない。
2)質のルール:真実を話すこと。ウソと思っていることを言わないこと。
3)関連性のルール:話題と関係のない話をしない
4)話し方(様態)のルール:順序正しく、わかり易く話すこと
「協調の原理」の4つのルールを意識するだけで、コミュニケーション能力が上がります。
参考記事:「同調圧力」がつくる、日本にあるある「世間のルール」の特徴と対処法

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