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カイゼン活動から「イノベーション」を起こす3つのステップ

2022/09/16
 
カイゼン活動をする人々のイラスト
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長年、大手鉄鋼会社及び関連企業、米国鉄鋼会社に勤務。仕事のテーマは、一貫して生産性の向上。生産部門、開発部門、管理部門、経営部門において活動。何事につけても「改革しよう」が、口癖。日本経営士会会員。 趣味:市民レベルのレガッタ、ゴルフ。

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カイゼン活動から「イノベーション」を起こす3つのステップ

 

カイゼン活動から「イノベーション」を起こす3つのステップ

QC活動は、もう古い」
「カイゼン活動からイノベーションは、生まれない」
日本企業がかつての勢いがなくなり、経済が低迷してくると、かつて日本企業の強さとして紹介された、QCサークル活動などの集団によるカイゼン活動が、「もう古い」「意味がない」「イノベーションを起こせない」との声がでいます。(ネット記事を検索すれば、いくらでもその手の記事があります。)
本当にそうなのでしょうか。私は、カイゼン活動からイノベーションを起こすことが出来ると考えています。QCストーリーに代表されるカイゼン手法は、素晴らしいものがあり、多くの実績を上げてきています。従来型のカイゼン活動からイノベーションが生まれにくいのは、テーマ選定に問題があるからです。職場の既に知られている課題からテーマを選定しても、新しいことを生み出すイノベーションにはなりません。どこまでいっても改善です。
「それでは」と従来のテーマの到達目標を、従来の3倍、10倍に引き上げれば、イノベーションになるかです。そこには、従来にない技術や手法が必要で、イノベーションというより、レボルーション(革命)です。大きなお金と長い時間が必要になることが多いのではないでしょうか。

イノベーションを起こすには、テーマを見つけることが重要です。
「人々が、当たり前と思いこんでいること」
「世の中に存在しないこと」
テーマを解決するために必要な手法がイノベーションです。
イノベーションの提唱者であるシュンペーターは、イノベーションについて
「既存知と既存知の新結合」
と定義しています。既存知を組みあわせて、新しいことをすることです。イノベーションとレボルーションは違います。
カイゼン活動からでも、イノベーションを生みだすことができます。いや、従来型のカイゼンが、イノベーションのフォローとしてなければ、アイデア倒れになります。カイゼン活動から、イノベーションを起こすには、3つのステップがあります。
1)カイゼン活動によりイノベーションで解決するテーマを発見する
2)イノベーションを起こす
3)起こしたイノベーションをカイゼンする
カイゼン活動から狙うイノベーションは、背伸びをせず「フルーガル・イノベーション」といわれる「安上り」で「小さな」なジャンプを狙います。お金も時間もかけず「新結合」といわれることをやってみることです。その後は、日本企業得意のカイゼンでレベルを上げていくことです。

 

カイゼン活動によりイノベーションで解決する問題を発見する

従来型カイゼン活動(QC活動)の活動手順

カイゼン活動において、QCストーリーやQC手法と言われるものが、製造業を中心に普及しています。典型的なQCストーリーとは、以下の8つのステップです。
テーマの選定
現状の把握と目標の設定
活動計画の設定
要因の解析
対策の検討と実施
効果の確認
標準化と管理の定着
反省と今後の対応
この中で、注意すべきは、「テーマの選定」です。製造現場には、目に見えるテーマがあります。「製品不良が多い」、「機械がよく故障する」、「残業が多い」等々と課題が沢山あります。その中で、活動として何を取り上げる、つまり課題の中からテーマを「選択」します。
課題解決型と言われるQCストーリーも「製品不良率を○○%以下にする」「生産量を○○にする」といった具合で、「テーマの選定」が基本です。一旦テーマが決まれば、チーム力で解決していくのは、日本企業の得意とするところです。QC活動に代表される従来型のカイゼン活動は、決まったテーマに対するチームでのアプローチです。
ところが、イノベーションとは、既存知の組み合わせで、
「当たり前と思っていたことを変える」
「なかったモノやサービスが生まれる」
ことです。QC活動では、既に認識されている課題がテーマになるのに対して、イノベーションの対象となるテーマは見えていません。そのテーマを「発見すること」が必要になります。
つまり、
1)従来型のQC活動は、「テーマを選択する」こと
2)イノベーションをするカイゼン活動は、「テーマを発見する」こと
と言えます。

「テーマを発見する」には、「不」に注目

テーマの発見をするためのキーワードは、「不」の解消です。「不便」「不自由」「不足」「不安」「不平」「不満」等々を解消することを目指します。
小野司著「ちっちゃな『不』の解消から始めるカイゼン活動」(日刊工業新聞社)には、「不」を解消するカイゼン活動が紹介されています。この中では、製造現場におけるカイゼンのステップが解説されていますが、この「不」を一般化すれば、イノベーションの種が見つかります。
「本屋のない、不便な町で本を買いたい」
「本屋に行っても買いたい本がない不満」
イノベーションの見本と言われるAmazonの通販はそこから生まれています。
カイゼン活動のテーマをお客様の気持ち、女性の気持ち、子供の気持ち、経営者の気持ち、オタクの気持ち、犯罪者の気持ち等々になって「不」考えれば、思いもよらぬテーマを発見できる可能性があります。一人が、
「○○で不満」
と発言すると
「私にもあるある!」
Me too! 」
という現象が生まれます。こんな「不」が、イノベーションのテーマになります。


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イノベーションを起こす

個人であれ、小集団であれ「不」を一般化できたら、イノベーションのテーマが見つかります。
「医者が、自宅にいる患者の聴診ができない」
「保育園に子供を迎えに行くのが不便」
「アフリカでは、1キロ入りの洗剤を買う金がない」
等々、様々な人の気持ちになって見つけたテーマを解決するのがイノベーションです。このとき、「発明品」で解決しようとしないこともイノベーションのコツです。既にある知恵を組み合わせることです。
1)問題を細分化する
在宅医療を実現したいと考えると様々な問題が浮かびます。患者の顔色をみたい、体温を知りたい、血圧を測りたい、聴診したい等々です。リモートで顔色は見えます。体温計も血圧計も多くの家庭にあります。聴診器を当てるのは、困難です。そこに、イノベーションが必要であることが分かります。(この例では、コードレスの聴診器メーカーと通信会社が一体となって問題を解決しています)

2)多くの類似事例を参照する
発見したテーマに対して、世の中には類似テーマの解決事例が沢山あります。汎用カメラやスマホで解決する方法。ネットワークを買うようした解決する方法。販売では、大量販売や逆に小割販売等々のアイデアが溢れています。

3)仲間に相談する
テーマにたいして、様々な既存知を使うことが、イノベーションです。様々な既存知は、様々な人が持っています。様々な人が、コミュニケーションをとれば、新しい組み合わせのヒントもでてきます。各種のアイデアが、皆を「ワクワクさせるような面白さ」が生まれ、イノベーションに対するエネルギーが出てきます。

起こしたイノベーションをカイゼンする

従来なかったモノやサービスの提供、やり方をするのがイノベーションです。始めから完璧などあり得ません。要は、その後いかに速くカイゼンを進めるかです。例えば、様々なイノベーションともいえる便利なアプリが開発されています。これらは、毎月のようにソフトウエアがカイゼンされ、バーション2.0、バーション3.0といったように更新版が送られてきます。実は、簡単にソフトのバーションを更新できるようになったのも、ソフト開発のひとつのイノベーションです。
完璧を求めて開発時間が長くなることは、今や日本企業の欠点ともいわれています。政府の規制の問題もありますが、新薬の開発、新サービスの許可遅れ等々です。
「思いついたら、すぐにやってみる」
「問題があれば、すぐカイゼンする」
これが、イノベーションを成功させる最も大きなコツかも知れません。明らかになった問題を解決するのは、日本企業の得意するところです。従来型のQC活動も使えます。
たとえ、イノベーションと呼べる変化を起こしても、カイゼンにスピード感がないと、イノベーションそのものが失敗と判断されかねません。

 

まとめ

カイゼン活動からでもイノベーションを起こせます。このためには、3つのステップがあります。
1)イノベーションで解決するテーマを発見する
2)イノベーションを起こす
3)起こしたイノベーションをカイゼンする
カイゼン活動から狙うイノベーションは、背伸びをせず「フルーガル・イノベーション」といわれる「安上り」で「小さな」なジャンプです。お金も時間もかけず「新結合」といわれることをやってみることです。その後は、日本企業得意の従来型カイゼン活動でレベルを上げていくことです。

参考記事:イノベーションの定義と中小企業における「イノベーション経営」

中小企業こそチャンスあり。「フルーガル・イノベーション」と「リバース・イノベーション」

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長年、大手鉄鋼会社及び関連企業、米国鉄鋼会社に勤務。仕事のテーマは、一貫して生産性の向上。生産部門、開発部門、管理部門、経営部門において活動。何事につけても「改革しよう」が、口癖。日本経営士会会員。 趣味:市民レベルのレガッタ、ゴルフ。
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