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成功する人が持っている「才能や知性」(IQ)より大切な「GRIT」とは?

 
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長年、大手鉄鋼会社及び関連企業、米国鉄鋼会社に勤務。仕事のテーマは、一貫して生産性の向上。生産部門、開発部門、管理部門、経営部門において活動。何事につけても「改革しよう」が、口癖。日本経営士会会員。 趣味:市民レベルのレガッタ、ゴルフ。

成功する人が持っている「才能や知性」(IQ)より大切な「GRIT」とは?

 

成功の要因は、その人の持つGRITにある

「努力に勝る天才なし」
「継続は力なり」
などと、努力や継続性の大切さを強調する言葉があります。また、発明王エジソンは、
「天才とは、1%のひらめきと99%の努力である」
と言っています。「努力の大切さ」を強調しているとも、「1%のひらめき」であるアイデアが大切といっていると解釈する人もいます。いずれにせよ、「99%の努力なしには、アイデアがあっても発明品にはならないこと」は確かです。(本人は、どちらも必要と言いたかったようですが?)
これらの教訓は、どこか観念的です。道徳の教科書には載せてもいいのでしょうが、現実の社会では、やはり「才能と知性」が成功を導いているようにも思えます。そんな中、「努力」や「継続力」が、「才能や知性」に勝ることを確かめた人がいます。それが、米国ペンシルベニア大のアンジェラ・リー・ダックワース教授です。彼女は、ニューヨークの公立中学校で数学教師をしていました。そのとき、「IQだけが学業での成否を決めるわけではない」ということに気付きました。その後、大学で「成功するのは、何が原因か?」ということを研究対象にして調査をしました。学校や職場など幅広い調査をした結果、成功の原因は、「才能と知性」ではなく、「GRIT」であるとの結論にいたったのです。(参考:A・L・ダックワース教授講演動画GRIT(グリット)とは、
1)Guts(ガッツ):困難に立ち向かう「闘志」
2)Resilience(レジリエンス):失敗してもあきらめずに続ける「粘り強さ」
3)Initiative(イニシアチブ):自らが目標を定め取り組む「自発」
4)Tenacity(テナシティ):最後までやり遂げる「執念」
以上の4つの頭文字を取ったものです。ダックワース教授は、様々な実例を挙げ成功する人に共通する特徴は「情熱」と「粘り強さ」など、「やり抜く力」と結論付けています。
歴史上の偉人、周りで成功している人をGRITの視点でみれば、どの人もこの4つ要素を強く持っていることが分かります。

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 GRITは、トレーニングで伸ばせる

ダックワース教授が、成果を上げる人材は、GRITを持っていることを調査により確かめています。「才能と知性」よりGRITが重要であるとの結論は驚くことではありません。私は、企業の採用活動を長くやっていますが、入社後伸びる人材は、まさにGRITを持っていることを経験的に知っています。日本の多くの企業で、採用の際に面接を重視するのは、「才能と知性」より「ガッツ」や「粘り強さ」などGRITに上げられている要素を強く持つ人が、入社後に成果を上げる可能性が高いことを知っているからです。だから、面接で学生のGRITの要素を確認しようとします。言い換えると、GRITに挙げられた要素が、暗黙の内に「会社に入った後、変えることは困難である」との思いから、既に持っている人を求めています。
ダックワース教授は、GRITについて、大人になってからでもトレーニングを実施すれば、後天的に伸ばすことができると言っています。これまで成果を出すことができなかった人でも、GRITを高めることで成果の出せる人材になることは可能であり、企業として社員研修や目標設定面談の際にGRITの考え方を取り入れることを勧めています。

GRITを伸ばす方法とは

ダックワース教授によれば、次のようなことがGRITを伸ばすと述べています。
1)興味があることに打ち込む
2)失敗を恐れずチャレンジし続ける
3)小さな成功体験を積み重ねる
4)GRITがある人のいる環境に身を置く
これを会社の社員に当てはめると、上司が部下を育成する上での「考慮すべきポイント」に置き換えることができます。つまり、
1)ワクワクする仕事を与える
2)失敗を許容し何度でもチャレンジさせる
3)成功体験をさせて自信を付けさせる
4)上司自身がGRITを持つ
でしょうか。上司は、部下の成果や技術や知識の習得に目を奪われがちですが、社員としての成長、つまりGRITの強化に注意を向けるべきということです。
実際に社員に対して、これらGRITを伸ばすことをしようとしても、社員は簡単に乗ってこない可能性があります。多くの社員は、学生時代や社会人としての自分の経験から
「自分は、この程度しか出来ない」
というリミットを持っているからです。これが、大人になってからGRITを高める大きな壁になっていると私の会社経験からですが思います。ダックワース教授は、誰しも「GRITは伸ばせる」かのように述べていますが、それは「楽観的な米国の気質」があってのものではないかとも思えます。おだてれば、どんどん乗ってくる米国人と、なかなか乗ってこない日本人とでは、違うのではと感じます。GRITを伸ばすには、まず
「自分はもっと出来る」
と自分自身が信じることです。上司が部下に対して、「成長の期待」を伝えることが大切です。
実際に部下の指導した経験では、
「こんな人が、○○を続けてできるようになった。君もできる。」
といった話が、部下自身の「成長の可能性」を信じさせるには有効でした。故野村克也氏は、その著書で、
「教育とは自信を付けさせること」
を強調しています。
自分の「成長の可能性」を信じるようになった上で、GRITを伸ばす教育や本人の努力が有効になります。

まとめ

ペンシルバニア大のダックワース教授によれば、人の成功は「才能と知性」ではなく、「GRITであると述べています。GRIT(グリット)とは、
1)Guts:困難に立ち向かう「闘志」
2)Resilience:失敗してもあきらめずに続ける「粘り強さ」
3)Initiative:自らが目標を定め取り組む「自発」
4)Tenacity:最後までやり遂げる「執念」
であり「やりぬく力」のことです。
GRITは、「自分は出来る」との自信があれば、大人になっても伸ばすことができます。

参考記事:理想のリーダーは、万能選手ではなく、自分のスタイルを確立している人

リーダーが、部下の目標を一緒に立てるときに注意すべき3つのポイント

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長年、大手鉄鋼会社及び関連企業、米国鉄鋼会社に勤務。仕事のテーマは、一貫して生産性の向上。生産部門、開発部門、管理部門、経営部門において活動。何事につけても「改革しよう」が、口癖。日本経営士会会員。 趣味:市民レベルのレガッタ、ゴルフ。
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