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上司の言葉が「上から目線」と感じる3つの理由とその対策

 
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長年、大手鉄鋼会社及び関連企業、米国鉄鋼会社に勤務。仕事のテーマは、一貫して生産性の向上。生産部門、開発部門、管理部門、経営部門において活動。何事につけても「改革しよう」が、口癖。日本経営士会会員。 趣味:市民レベルのレガッタ、ゴルフ。

上司の言葉が「上から目線」と感じる3つの理由とその対策

 

上司の言葉が「上から目線」と感じる3つの理由

「親会社から出向してきた上司の口癖、『元の会社では、○○だった』」
「高学歴上司の言葉、『要するに○○ということ』」
「納入業者の社員に向かって、『あいつらのこったから...』」
これらは、上の立場の人が何気なく使う言葉の例ですが、受け手から見ると、いかにも「上から目線」と感じる言葉です。「上から目線」と感じると、たとえ有益なアドバイスであっても、素直に従うのは心情的に難しいものになります。会社の上位者からの指示や意見は、どうしても「上から」になり易いものです。同じ言葉でも、許容できるか、「上から目線」と感じ反発したくなるかは、部下個人やその組織によって違います。
例えば、親会社から子会社の幹部社員として出向してきた上司に対し、プロバーと言われる子会社の生え抜き社員は、様々な心理が働きます。子会社が業績を上げていれば上司の言葉も許容できるでしょう。ところが、子会社が不振だと、上司が当然のアドバイスをしても「上から目線」を強く感じることになります。
そもそも、「上から目線」について、辞書には、「俗に、上の立場の者が下の者に対して示す言動。人に対して露骨に見下した態度を取ること。」(小学館刊・大辞泉)と記述されています。要するに「露骨に見下された」と感じるかどうかです。今日本では、ハラスメントが問題しされ「露骨に見下した言葉」は、減っています。しかし、上司からの言葉が「上から目線」と感じている部下は、少なくないようです。
上司の言葉が、「上から目線」と部下が感じるようだと、職場内でのコミュニケーションがギクシャクするものです。結果として、組織の業績も低迷しがちになります。
職場で、上司の言葉や態度が「上から目線」と感じるのには、3つの大きな理由があります。
1)相手に対する先入感
2)自分の持つコンプレックス
3)自分を同一視されることの不満
これら「上から目線」と感じる理由がわかれば、その対応が冷静になり、上司へのイラ立ちが解消されます。また、建設的な関係が構築できます。
この記事は、子会社に出向したこと、親会社(銀行)から出向を受け入れたことなどの経験に基づいて、「上から目線」の対応を紹介したものです。


職場にいる不機嫌な人たち

相手に対する先入感

上司に対して「上から視線」と感じるのは、その言葉や態度そのものもありますが、それ以上にその人の持つ背景が影響します。
親会社からの出向者、T大学など超高学歴の人、天下りしてきた元官僚、それだけで、上司は「上から目線」で接してくるものと、身構えています。客観的にみると、それらの人が適切なアドバイスをしているのですが、受け取る部下は拒絶反応があります。これは、出向者を出す親会社でも気にしていて、出向者に対して
「決して、『私の元いた職場では』といった発言はしないこと」
などと指導するところもあります。しかし、「上から目線」と感じるからどうかは、受け止め方次第です。出向してきた上司が、細かいことまで、丁寧に部下に対応しても、
「子会社の社員に対して、小学生並みに扱う『上から目線』」
と感じます。
「内の会社なんぞに出向してくるぐらいだから、親会社でもトラブルのあった人よ」
なんで、噂がでることもあります。
上司も部下も互いに憶測に次ぐ憶測で、相手を見ることをやめることです。上司は、自分のバックグランドをさらけ出すことです。部下は、上司への疑問を出し、互いに「知ること」が、大切です。私的なことも含め、会話することで、上司も「人の子」であることがわかるはずです。

自分の持つコンプレックス

同じように親会社からの出向者を受け入れても、受け入れ元の社員になにがしかのコンプレックスがあると「上から目線」の感覚が強まります。業績の悪い子会社は、何かかのうしろめたさを持っており、出向してきた上司に対して「上から目線」を意識します。
「自分たちの頑張ってきたことを認めてくれない」
そんな感情が裏にあります。
私は、かつて米国の子会社とタイの子会社に関係していたことがあります。米国の子会社では、米国人社員が親会社からきた日本人社員を冷静に見ていて、
Aさんは、知識がありできる。Bさんには、能力がない」
と明確に言っていました。ところが、タイでは、
Cさんは、『日本人の目線』で偉そうにしているだけ」
などといった噂が広がり困りました。タイ人には、日本人に対するコンプレックスを持つ人がいます。また、日本人には、タイ人などアジアの人を見下したような気持ちがあり、米国人と日本人との関係との差を実感したことがあります。
会社の業績、国籍、学歴など、団体や個人のもつコンプレックスが、「上から目線」を強く感じる要因になります。
部下が持っているコンプレックスと感じていることを冷静に見直すことをお勧めします。大抵のことは、過去からの経緯で、そうなっただけのことです。たとえ、能力や経験が不足していても、「自分達を卑下する必要がない」と分かるはずです。「卑下する必要がない」と頭で理解し、態度や行動に出せば、やがて頭が切り替わりコンプレックスが弱まった例があります。

自分を同一視されることの不満

子会社にいる優秀なプロパー社員が、一律に職場や社員の問題点を指摘され、「上から目線」を感じることがあります。社員のミスに対して、
「だからこの会社は、ダメなんだ」
こう言った上司がいました。指摘は、「ごもっとも」ですが、こんな「上から目線」の言葉に、猛烈に反発したA君がいました。彼は、優秀な若手プロパー社員で、これまでも会社のために努力をしていました。それを職場全員が、ダメ社員のような言い方をされて反発したのです。部下の個々の働き方、考え方を無視して、一律に職場を語ることは、危険です。上司は、うかつに全体を決めつけた言い方は、避けるべきです。また、部下の立場では、職場全体の批判をまず受け止めたうえで、自分のなすべきことを考えることです。いきなり反発して、仮に上司から
A君だけは、頑張っている」
と言葉を引き出しても、その後の同僚からの反発を考えると怖いものがあります。

まとめ

職場で、上司の言葉や態度が「上から目線」と感じるのには、3つの大きな理由があります。
1)相手に対する先入感
2)自分の持つコンプレックス
3)自分を同一視されることの不満
これら「上から目線」と感じる理由がわかれば、その対応が冷静になり、上司へのイラ立ちが解消されます。また、建設的な関係を構築できます。

参考記事:部下に「優しく」しているつもりが、「甘やかして」いませんか?

「頑張っているのに結果が出ない」部下に対してリーダーがすべきこと

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