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起業するとき、新規事業を立ち上げるときに必要なビジネスモデルの作り方

 
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長年、大手鉄鋼会社及び関連企業、米国鉄鋼会社に勤務。仕事のテーマは、一貫して生産性の向上。生産部門、開発部門、管理部門、経営部門において活動。何事につけても「改革しよう」が、口癖。日本経営士会会員。 趣味:市民レベルのレガッタ、ゴルフ。

起業するとき、新規事業を立ち上げるときに必要なビジネスモデルの作り方

 

ビジネスモデルがないとモノやサービスを商売に活かせない

「いいモノができた!」
「いいサービスを思いついた、これで商売したい!」
こんな思いがきっかっけで、起業し成功した話があります。しかし、同じようなモノやサービスで起業したり新規事業を立ち上げたりしても、うまく行かないこともあります。いや、うまく行かないことの方が多いかも知れません。起業や新規事業が成功するかどうかは、提供するモノやサービスの価値と同時に、提供の仕方であるビジネスモデルの良し悪しで決まります。
「起業したい」「新規事業を立ち上げたい」「事業を始めたが儲からない」
そんな気持ちがあったら、一度ビジネスモデルを作ってみること、見直してみることをお勧めします。
ビジネスモデルを構成する要素は、
「誰に」「何を」「どうして」「どう儲けるか」という4つの要素です。起業しよう、新規事業をしようとするとき、「何を」「どうして」が先にあり、「どう儲けるか」と繋がっていないで苦労している例が沢山あります。
ビジネスモデルを作るために知っておきたい3つのポイントがあります。
1)ビジネスモデルを構成する4要素
2)儲ける仕組みがビジネスモデル
3)ビジネス例を調べて、「選び・組み合わせる」
事業を始めるには、これらを考慮してビジネスモデルを作ることが重要です。ビジネスモデルを持たずして事業をしても、良い技術を活かすことができません。
ある素材メーカーの話ですが、この会社では数年前からAIに取り組み、画像解析技術では、国内トップクラスといってもいいような技術やノウハウを持ちました。
「我が社のAI技術を使って新規事業を立ち上げよ!」
と経営陣が指示を出し、商売にしようとしました。ところが、「どう儲けるか」を考えられないのです。開発に成功したAI技術は、事故などで破壊した金属断面写真から、「脆性破壊」「疲労破壊」「介在物破壊」等々と事故原因に迫る解析と判断ができます。お客様にその技術を紹介すると、驚きをもって迎えられました。ところが、商品として売ろとすると「単なる便利な解析ソフト」としか受け止めてもらえません。挙句には、お客様から
「これ無料のソフトですよね?」
と言われる始末。AIの技術がどんなに高くても儲かるビジネスモデルにすることができずに終わりました。その後、電子顕微鏡メーカーが、似たようなAIソフトを本体の付属品として付けて、PRをしているとの話を聞きました。そのメーカーは、本体を売り込むのに「AI解析ソフト付き」であることを売りにしているとのこと。後から「こんな手があったか」とこの素材メーカーは悔やんだ次第。これは、ビジネスモデルを考えずに事業をしようとして、技術を活かせなかった例です。

 

ビジネスモデルを構成する4要素

ビジネスモデルを構成する要素は、4つあります。
①「Who(誰に)」
②「What(何を提供して)」
③「How(どのようにして)
④「Why(収益につなげるのか)」
です。事業を始めようとする人は、提供しようとするモノやサービスにばかり注意が行ってしまいがちです。「誰に」や、「どのように儲ける」が抜けおちている状態で事業を始めようとしていることさえあります。
自然大好き人間のAさんから、
「子供達を里山に連れて行き、自然教室を開催して人気を得ている。これを事業としたい」
と相談されたことがあります。
「山で自然を観察し、キャンプをし、地元の方と交流もある。体の不自由な子も参加させたい」
Aさんには、これまでも自然教室を実施した経験が豊富で、情熱にあふれています。Aさんは、「より多くの子供達に自然教室を体験させたい、地元の人とふれあってもらいたい」との思いで、継続的に自然教室を運営する団体を設立したいと思っています。しかし、事業として継続させるには、収益を得るビジネスモデルを考えることが大切です。これまで経費は、
「参加者から実費を頂いたり、自分の持ち出しでやっていたりした」
とのことですが、参加者である子供が持ってくるお金は親が出しています。学校行事であれば、学校も負担するかもしれませんし、自治体もしくは寄付者かも知れません。Aさんは、「イベントで何をするか、どう喜んでもらえるか」ばかり考えていて、事業化に必要な「誰から」「どのようにして収入を得るか」を深く考えていませんでした。今は、「学校が支援してくれないか」、「企業がスポンサーになってくれないか」と奮闘しています。

 

儲ける仕組みがビジネスモデル

儲ける仕組みには、モノやサービスを提供して対価を受け取るといった基本的なモノから、民放TVやYouTubeのように広告から収入を得るようなものなど様々あります。基本的なものを並べてみます。

1)販売モデル
販売モデルは、モノを作り売る方法です。自分でサービスを提供して対価をもらうのも同様です。メーカーが工場で製品を作り販売する、飲食店が料理を作るのもこのモデルです。モノやサービスの質が重要です。

2) 小売モデル
小売モデルは、商品を仕入れて売る方法です。仕入れ値と売値の差額が利益です。飲食店における酒類の提供は、仕入れがあり小売モデルになります。

3) 広告モデル
広告モデルは、自社媒体に広告を掲載することで、掲載料をもらうビジネスモデルです。民放TV、ネット掲載広告などがあります。SNSなどが広がり、媒体や広告の種類が増えています。

4) サブスクモデル
サブスクリプションモデル(サブスク)は、継続課金型モデルです。一定のサービスを提供する対価として、お客様に一定金額課金してもらいます。定額の携帯電話料金などの例があります。

5) フリーミアムモデル
フリーミアムモデルは、一部のサービスを無料で公開し、より多くのサービスを希望するお客様に、有料コンテンツを販売するビジネスモデルです。ソフトウエアなどで、「ここまでは無料。もっと便利な機能は、有料」といった商売です。

6) マッチングモデル
マッチングモデルは、需要と供給をつなげ、その手数料をもらうビジネスモデルです。不動産仲介業など古くからある業種から、最新テクノロジーを駆使したIT系まで、さまざまな種類があります。クラウドソーシングサイトがユーザーから手数料をもらう

実際のビジネスでは、これらが組み合わされています。先に挙げた飲食店では、料理は「販売モデル」であり、酒類は「小売りモデル」です。最近は、定額料金を払うと月5回までは食べ放題という「サブスクモデル」の店もあります。

ビジネス例を調べて「選び・組み合わせる」

事業を始めよう、事業を見直すにあたり、ビジネスモデルの4つの構成要素と基本的ビジネスモデルを理解することが大切です。実際に自分が考えているビジネスに対して、構成する要素はなにか、適応するモデルは何かを検討します。そして、ビジネス事例を調べることをお勧めします。
自分だけでビジネスを考えるとどうしても視野が狭くなりがちです。似たような事業をうまく立ち上げている会社があるものです。これらをマネすることも一つの戦略です。新規事業事例は、各種業界雑誌やネット記事などで紹介されています。中小企業庁が毎年発行している白書にも新規事業展開事例集があり、参考になります。例えば「2021年版 中小企業白書・小規模企業白書 ~中小企業の新事業展開事例集」
新規事業例を調べ、ビジネスモデルのパターンを理解し、自分の考えている事業に適用を検討することです。ビジネスモデルのアイデア出しは、前提を考えず自由な発想で考え、その中から選ぶ・組み合わせることをしてみてください。きっとこのときが、最も楽しい時間です。
あとは、ビジネスモデルの実践です。事業計画として、資金計画、売上計画、人員計画などなどを作り荒波に漕ぎ出していく勇気をもって挑戦するのみです。


これから伸びる人の必修科目「ビジネスモデル」のきほん

まとめ

起業する、新規事業を立ち上げようとするとき、良いビジネスモデルを作ることが成功の鍵です。良いビジネスモデルとつくるために知っておきたい3つのポイントがあります。
1)ビジネスモデルを構成する4要素
2)儲ける仕組みがビジネスモデル
3)ビジネス例を調べて、「選び・組み合わせる」
ビジネスモデルを持たずして、いくら良い技術があってもそれを収益に寄与させることは不可能です。

参考記事:歴史的に見て、儲かり続けている5つの普遍ビジネスモデル

会社が儲からなのは、モノやサービスの価格が安過ぎるから

 

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長年、大手鉄鋼会社及び関連企業、米国鉄鋼会社に勤務。仕事のテーマは、一貫して生産性の向上。生産部門、開発部門、管理部門、経営部門において活動。何事につけても「改革しよう」が、口癖。日本経営士会会員。 趣味:市民レベルのレガッタ、ゴルフ。
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