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歴史的に見て、儲かり続けている5つの普遍ビジネスモデル

2021/06/27
 
儲かるビジネスを探す人のイラスト
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長年、大手鉄鋼会社及び関連企業、米国鉄鋼会社に勤務。仕事のテーマは、一貫して生産性の向上。生産部門、開発部門、管理部門、経営部門において活動。何事につけても「改革しよう」が、口癖。日本経営士会会員。 趣味:市民レベルのレガッタ、ゴルフ。

歴史的に見て、儲かり続けている5つの普遍ビジネスモデル

 

歴史的に見て儲かる5つの普遍ビジネスモデル

「閉塞感のある事業に新風を吹かせたい」

「新規事業を立ち上げたい」

「起業したい」

これらに必要なのは、「儲かるビジネスモデル」です。いくら努力しても、儲からないビジネスモデルでは、成功を掴めません。時代から取り残された業種や経営手法を使ったビジネスモデルは、たとえうまくいっても一過性で終わります。一過性を追い続けるビジネスモデルとして割り切れるならそれも有りでしょうが、安定した経営にしたいなら、儲かるビジネスモデルにすることです。

日本史そして世界史上で権力を得た人は、同時に経済力を持っていました。権力を得たので経済力を得たというより、経済力を基盤に軍事力を得たと解釈できることが多数派に思えます。そして、歴史上経済力を得る儲かるビジネスモデルには、いくつかの型があることに気付きます。それが、以下の5つです。

1)原価がタダ同然の「資源」ビジネス

2)人々がやめられなくなる「中毒症」ビジネス

3)皆が信じていることに便乗する「宗教」ビジネス

4)規制に基づく安定収入「税金」ビジネス

5)離れたモノ、人、情報を運んで稼ぐ「移動」ビジネス

これは、現代でも通用する儲かるビジネスモデルの原型です。今売上を伸ばし利益を上げているビジネスモデルもこの型に従っているように見えます。「閉塞感のある事業に新風を吹かせたい」「新規事業を立ち上げたい」「起業したい」などと儲かるビジネスモデルを模索している方にとって、この5つの型はヒントになります。この普遍的儲かるビジネスモデルに沿った商売を構築できたら、ビジネス成功の確率アップが期待できます。

この5つの普遍的儲かるビジネスモデルは、井沢元彦氏や倉山満氏などの歴史に関する本や武藤泰明著「マネジメントの文明史 ピラミッド建設からGAFAまで」(日経BP)を参考に当時の成功ビジネスから気付いたものです。歴史上成功したビジネスを強引にビジネスモデル化しています。しかし、この儲かるビジネスモデルを自分の経験に当てはめてみると、現代ビジネスでも十分適用できるものだと確信しています。このモデルを自分の行っているビジネス、考えているビジネスに当てはめて考えていただき、より成功確率を高められることを期待します。

  
マネジメントの文明史 ピラミッド建設からGAFAまで

儲かるビジネスモデル1:原価がタダ同然の「資源」ビジネス

天然資源が、最も安直な儲かるビジネスモデルであることは自明です。中東の石油や天然ガス、米国のシェールガス、中国のレアアースなどです。歴史的にみても資源が、国力を決めてきました。古代アテネは、経済力の基盤として銀鉱山を持っていました。日本の戦国時代、毛利、上杉、秀吉など多くの有力武将は、金山、銀山を支配していました。産業革命期、英国、ドイツは自国に豊富な石炭を有していました。日本にも石炭がありました。

資源は、鉱物資源だけではありません。土地も大きな資源です。米国やオーストラリアの広大な農地から生まれる農産物は、現在も経済の大きな柱です。

原価がタダ同然で希少価値があるものが「資源」です。「資源」ビジネスになるのは、他にも、観光、水、海洋など、身近で利用できるものです。数年前、田舎の風景をSNSで紹介したら海外から人が押し寄せたという話がありました。

身近にある希少価値のある原価がタダ同然の「資源」をもう一度見直してはどうでしょうか。油田は見つからなくても、小さな観光スポットやご近所の名物食材などの「資源」を発見できるかもしれません。

儲かるビジネスモデル2:人々がやめられなくなる「中毒症」ビジネス

アヘン戦争の原因となった英国のアヘンビジネスほどではなくても、人々がやめられなくなるモノやサービスを提供することは、儲かるビジネスモデルになります。酒に関するビジネスは、古今東西儲かるビジネスです。ギャンブルの胴元は、必ず利益を上げてきました。

今も人々を中毒にするモノが溢れています。テレビ放送、SNS、ゲームなどです。出来るだけ多くの人を提供するモノやサービスで、中毒症にすることが、儲かるかどうかの分かれ目です。始めるときの敷居を低くし、後にリピートで儲けるビジネスモデルです。

「初回無料」は、大きな成果集めています。自分の成長を楽しめること、モノの収集のように際限なく欲求が高まるビジネスは、人々を「中毒」にして儲かります。

 儲かるビジネスモデル3:皆が信じていることに便乗する「宗教」ビジネス

宗教は、歴史上重要なファクターでした。ビジネスとして宗教をみると巨大で強力な稼げるモデルです。イスラム教やキリスト教など明確に宗教と言われているものだけでもなくても、科学的、論理的に正しさが証明できなくても人が信じているものを「宗教」と呼ぶことができます。

人々が、絶対と信じている「宗教心」に便乗することが、儲かるビジネスに繋がります。現代では、「健康にいいこと」「環境にいいこと」などでしょうか。野菜が体に良いかどうかは、野菜個別の栄養素の問題ですが、栽培法である有機栽培は健康的に思えます。肌の弾力性は、コラーゲンによってつくられますが、コラーゲンを食べても肌に直接行くことはありません。人口的に遺伝子を組み替えた作物は、事前に安全性が検証されていますが、日本では拒絶反応が強くあります。電気自動車は、二酸化炭素を排出しませんが、使用する電力の脱二酸化炭素はこれからです。

科学的に正しいということより、皆がそう信じていることで、モノやサービスが売れます。これが、「宗教」ビジネスです。ブランド品がもてはやされるのは、宗教ビジネスが成功しているからです。小学生を英会話教室に通わせるのは、実際に子供が英会話を身に付けることより、親が「これからは英語ができなくてはいけない」と思う「宗教心」を満足させる効果の方が高いかもしれません。

大量に流される各種CMは、宣教師が布教活動をしているようなものです。真実を伝えるのではなく、信じて欲しいことを訴えています。売りたいモノやブランドを信仰の対象にしていくことが、儲かるビジネスモデルの核心になります。また、災害や事故、老後の不安心にのっかるのも「宗教」ビジネスです。歴史的にも、宗教が不安を煽って人々から金を集めるビジネスをしています。(やり過ぎてシッペ返しを受けてもいますが)

人々が共通に信じていること、不安に思うことを利用した「宗教」ビジネスは、儲かります。特に日本では、人々が不安に思う心をとらえたビジネスが、成功し易いようです。

儲かるビジネスモデル4:規制に基づく安定収入「税金」ビジネス

税金など制度に基づくビジネスは、最強です。平安時代、藤原氏は「荘園」という脱税システムを合法化して繁栄しました。税金を始め、規制や規則は、最も簡単で確実な儲かるビジネスモデルです。売上に対して10%の利益を上げるのは、大変なことです。天下のトヨタでさえ利益率は、8%前後です。

税金の他にも規制によって守られた産業が多くあります。例えば、日本における新聞テレビなどマスコミです。テレビ電波の入札制度はありません。さらに外国資本の制限がある上に、経営権も株式所有比率とは別に守られています。

新しい仕事が生れたら、その業界の団体を作ります。業界として守るべきルールを定め、国に法律化を求めます。法律ができたら、資格制度を設け、個人や企業にその資格を取るように求めます。もちろん、認定制度や教育もビジネスになります。これで、絶対に儲かる業界の誕生です。国の気が変わらないように協会に天下りの官僚を理事に迎えたら岩盤規制となります。(これは、業界名を出せませんが、私の見た例です)

民間における「税金」ビジネスは、期間契約です。電気、ガス、電話料金など毎月自動的に支払われます。保険も同様でしょう。最近は、定額制の配信サービス、定額制のレストランなどが、儲かるビジネスモデルになっています。

儲かるビジネスモデル5:離れたモノ、人、情報を運んで稼ぐ「移動」ビジネス

大航海時代、西欧諸国はモノを安く仕入れ遠くへ運ぶことで莫大な利益を得ました。重商主義の基本は、商業であり貿易でした。その後も海運、鉄道、車、航空と変化していきますが、モノや人を運ぶビジネスは健在です。また、運ぶ道具である造船、自動車、航空機産業は、いずれも繁栄してきました。

また、モノや人でなく、情報を運ぶ(伝える)ことも儲かるビジネスになってきました。ワーテルローの戦いでナポレオン敗北の情報を早く知りえたことで、大儲けしたロスチャイルドの話は有名です。情報伝達の時間差で勝利しました。

アメリカで流行したクイズ番組は、数年後に日本で同様なものが放送され、その数年後には韓国で放送されていました。日本のスーパーマーケットもコンビニも、米国の模倣でスタートしています。情報の時間差ビジネスです。今好調なAmazonやメルカリは、情報と距離の差を同時に満たす「移動」ビジネスです。

この「移動」ビジネスは、過当競争に陥り易く長期間稼ぐには、相当エネルギッシュでなくてはいけないようです。明治時代の「三井三菱海運戦争」(例えば、「岩崎弥太郎」維新の政商ベンチャー )では、三井と三菱が血みどろの戦いをしています。人の移動では、船から鉄道、車、航空機と選択肢がどんどん広がってきました。新幹線やLCCの登場なども激しい競争を生み出しています。情報の移動では、今携帯電話各社が熾烈な競争をしています。現在、最もホットな戦いは、Uber Eatsや出前館などが争っている料理配達ビジネスでしょうか。

ビジネスがあるところ、何かの「移動」が必ず必要です。たから、いつの時代でも誰かが、必ず稼いでいます。しかし、移動するモノや量が大きく変動すること、移動させる手段が技術革新を繰り返すため、「移動」ビジネスは、安心できないモデルです。エネルギッシュな人、組織がチャレンジしていくモデルです。

まとめ

歴史たどってみると、儲かるビジネスモデルには、いくつかの型があります。それは、

1)原価がタダ同然の「資源」ビジネス

2)人々がやめられなくなる「中毒症」ビジネス

3)皆が信じていることに便乗する「宗教」ビジネス

4)規制に基づく安定収入「税金」ビジネス

5)離れたモノ、人、情報を運んで稼ぐ「移動」ビジネス

の5つです。これは、現代でも通用する儲かるビジネスモデルの原型です。今売上を伸ばし利益を上げているビジネスモデルもこの原則に従ってるように見えます。「閉塞感のある事業に新風を吹かせたい」「新規事業を立ち上げたい」「起業したい」と儲かるビジネスモデルを模索している方に、この5つの原型はヒントになります。この普遍的儲かるビジネスモデルに沿った事業を構築できれば、ビジネス成功の確率アップが期待できます。

参考記事:労働生産性の低さが、日本の諸問題の根源

生産性は、探す時間を省くと上がる。Googleもアマゾンも「探すビジネス」で成功



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長年、大手鉄鋼会社及び関連企業、米国鉄鋼会社に勤務。仕事のテーマは、一貫して生産性の向上。生産部門、開発部門、管理部門、経営部門において活動。何事につけても「改革しよう」が、口癖。日本経営士会会員。 趣味:市民レベルのレガッタ、ゴルフ。
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